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ジェット戦闘機が旋回や上昇下降する際、
エンジンの摂動による左右の動きの違いはあるのでしょうか?
レシプロ機ならば、
ゼロ戦の左捻り込みが有名ですし、
例え民間機であっても、
双発なら航空法で『臨界発動機』が設定されるほどの違いがありますが、
ジェットの場合は航空法的には左右で差別化されていません。

しかし、戦闘機となると、
機体の割りに大きなエンジンを搭載していて、
流石に影響があるのではないかなと思うのですが、
どうなのでしょう?

A 回答 (2件)

混ざってしまっているので用語と現象の整理からします。


・摂動、ジャイロスコピック・プリセッション(モーメント、効果)ですが、
 質量を持った回転体の回転面を変える力に対し必ず生じます。
 プロペラ機ではプロペラとエンジンの回転質量によって生じます。
 単発プロペラ機では低速で早いレートのヨーイングを掛けると生じ、
 ゼロ戦の左捻りこみ(左ヨーを入れると宙返り半径が小さくなる)や
 現代アクロバット機のロムソバック等に応用されます。
・臨界発動機は「多発機のエンジンに故障を生じた場合に,飛行性に最も
 不利な影響を与えるような1基またはそれ以上のエンジンのこと。
 (航空実用事典より)」ですので、ヘリコプターやジェット機にも存在
 します。4発ジェット機においては、左右両端エンジン(No.1or4)が
 「臨界発動機」です。(産業図書「航空用語集」)プロペラ双発機では、
 後方から見て(航空機の何かの回転方向は全て操縦者が見た場合を言いま
 す。)左右エンジンとも「右」回転の場合、左が停止した方がヨー
 モーメント発生が大きいのでこちらが「臨界発動機」ですが、この理由は
 プロペラのトルク・発生推力軸偏向・後流影響等に起因するものであって
 プロペラ等回転質量の摂動(ジャイロ効果)が理由ではありません。
 
>ジェットの場合は航空法的には左右で差別化されていません。
「混ざっている」と申し上げたのは、この部分が臨界発動機が設定される理由
に摂動を想定されていると思われるからです。確かにジェット4発の場合は
左右両端であって特定の方向では無いのですが、プロペラに起因するのでは
なく、推力軸が機体中心から遠いからです。この意味では同様にレシプロ4発
やそれ以上の多発では左右差無く両端が臨界発動機の場合もあると思います。

ジェットエンジンでも、プロペラ機より大きな回転質量が高速で回っている
ので当然ジャイロの摂動は発生します。エンジン自体は 3~5rad/sのヨー
モーメントに15秒耐えなくてはならないとJISに規定されています。また、
ジェット単発機では当然低速時飛行に影響を受けます。
しかしジェット戦闘機は高機動なようで実際にはプロペラ機のような小半径
では動けません。(F-104では旋回半径は2kmもありました。)
プロペラ機であっても低速で大きなレートで上下左右した場合にその影響が
顕著なのであって、そこまでの低速にならない機体では問題にならないのだ
と思います。これに関しては、単発ジェットでホバリングするハリヤーでは
2つのエンジンスプールを逆回転にして相殺している例があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%BC% …
逆に言うとジェット機でも単発でこれほどの低速を想定したのでは摂動の影響
を考慮しなくてはならない、ということになります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

臨界発動機の話は、学校でそう習ったのですが、
教官の勘違いですかね。

旋回半径の違いとは、
なるほど、これは気づかなかったです。
挙げて頂いたハリヤーの話といい、
これなら納得できます。

お礼日時:2012/03/19 16:57

レシプロ機の場合の、左右旋回の容易さの非対称性には、


ゼロ戦などに使われた星型エンジンだと、クランクシャフトだけが
回転運動をするV形エンジンなどに比べて、影響が大きめに
出るでしょうが、それでも、プロペラの回転による反動トルクの
方が圧倒的に大きく影響を与えます。

普通のメインローターが1つのヘリコプターでは、
ローターの回転の反動で、機体が逆回りに回転するので、
尾部の小さいローターをそれを止める・和らげる方向に
回転させます。プロペラの大きさと、機体の大きさ・重さ
の比率が違うので、影響は小さめになるとは言え、
ゼロ戦が左捻り込みが得意なのも、基本は同じ理由です。

なので、レシプロ双発機で、2つのエンジンを逆回転させる
タイプがありますが、その目的は、エンジン自体についても
同じことは言えますが、直接の目的は、そうすることで、
2つのプロペラの回転方向を逆にすることができる
⇒影響を打ち消し合うことができる、点にあります。

単発機や、逆回転するエンジンを簡単に調達できない
(レシプロエンジンなら、同じエンジンをそのままか、
多少いじることで、逆回転は比較的簡単に実現できるが、
ターボプロップだと不可能)双発機では、半径の小さな
プロペラを2枚、逆方向に回転させる、2重反転プロペラ
の採用でも、解消することが可能です(このことからも、
エンジンのトルクの影響は大きいものでないことは
解ると思います)。

そういう訳なので、排気の反動で推進力を生み出す、
ジェットエンジンの場合、プロペラ機のプロペラの反動に
当たる部分の影響は原理的に存在しませんし、
エンジン出力に対する、エンジンの重さ、さらには、
そのうち回転する部分の重さ?は、相対的に小さいので、
特筆するほど、左右の旋回にやりやすさの違いが出てくる
ことは、考えにくいと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
やはり回転物の重量が違うんですね。

こういう話が出てこないということは、
やはり影響はないということですか。

お礼日時:2012/03/19 16:54

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