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「空腹感は視床下部の満腹中枢が刺激されることで感じる。」
と授業で習ったのですが、視床から大脳皮質には投射されないのでしょうか?
ご回答の程、宜しくお願い致します。

A 回答 (2件)

こんにちは。


#1です。回答をお読み頂き、ありがとうございます。

>空腹感や尿意などは、体性感覚野にいくのでしょうか?

まず、これは国語の問題なのですが、空腹感、尿意、この「感」や「意」といいますのは、「感じること」「意識すること」という意味です。つまり、我々がそれを感じ、意識しなければ、それはまだ空腹感でも尿意でもないわけです。
では、最初に脳内に発生するのは空腹感や尿意ではなく、それは「空腹反応」や「利尿反応(正式用語ではありません)」ということになります。前回答で述べました通り、この反応の発生により、身体抹消では自律神経系の働きによって、それに適した生理状態が速やかに整えられます。そして、このような身体の生理的変化が体性感覚を介して大脳皮質に入力されることにより、初めて我々はそれを「空腹感」「尿意」として自覚します。

>臓器感覚の感覚野は存在するのでしょうか?

「体性感覚」という用語には幾つか異なる定義がありますが、ここでは全身の表在感覚及び内臓や筋肉、関節などの深部感覚を含めたものとします。但しこの中には、大脳皮質の意識に上らない感覚も含まれています。
それ以外の体性感覚は大脳皮質「頭頂葉・体性感覚野」に入力されます。ご存知と思いますが、ここには「身体感覚地図」というものが形成されており、ここに入力されることにより、それが何処からの感覚なのか、どの臓器の感覚なのかが事細かに識別されるようになっています。
ではここで仮に、
「尿意:膀胱の圧迫感」
「便意:大腸の圧迫感」
とします。
体性感覚地図では、それが膀胱からの入力であるか大腸の感覚であるかが必然的に識別されます。次に、大脳辺縁系ではこの感覚入力に対して快感・不快の判定が下されます。これにより、それは「膀胱からの不快な圧迫感」と識別されることになります。
このように、そこに入力されるのは飽くまで膀胱からの不快な圧迫感でしかありません。ですが、おしっこを我慢して不快な思いをした経験は誰にでもあります。このため、大脳皮質は過去の体験に基づき、これを「尿意」と認識することができます。

最初に述べましたように「感」や「意」といいますのは、大脳皮質に於いて認識可能なもの、もしくはその結果です。ですが、身体に実際に発生しているのは感覚ではなく、「反応」です。この反応といいますのは、そもそも自律反応であるため、大脳皮質は一切経由せず、身体に直接出力されます。ですから、これによる何らかの生理的変化が身体に発生しない限り、大脳皮質がこれを知覚することはできないというわけです。
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この回答へのお礼

大変丁寧お答えいただきありがとうございました!
すごく助かりました!

お礼日時:2012/07/04 21:30

こんにちは。


ちょっと細かいことを訂正しますが、満腹中枢といいますのは、お腹がいっぱいになったときに摂食行動を中止するための中枢です。ですから、これは満腹中枢ではなく、「空腹中枢(摂食中枢)が刺激されたときに空腹感が発生する」ということで宜しいでしょうか。
何れにしましても、満腹中枢も空腹中枢もどちらも摂食中枢であり、動物の摂食行動を制御するための機能です。

摂食中枢や、あるいは生殖中枢といいますのは、動物がその生命を維持し、子孫を残すための基本的な機能です。このようなものは、我々動物の脳に大脳皮質が発達する遥か以前から既に完成していました。
具体的には、視床下部といいますのは身体全域の自律神経を司る中枢であり、ここからの命令は自律神経を介して身体抹消に直接連絡されます。つまり、それは昔から大脳皮質とは一切無関係で全て自律的に機能しているわけです。このため、ここから大脳皮質への投射経路は元々存在しません。

では、視床下部から直接の連絡路がないのに、我々の大脳皮質はどうやってお腹が空いた、あるいはトイレに行きたいなどといったことを自覚することができるのかということになります。
このような生体中枢の反応は、まず視床下部から自律神経を介して身体に直接連絡されます。これにより、例えば胃液や唾液の分泌など、内臓器官の機能が摂食に適した生理状態に変更されます。また、空腹中枢の反応は大脳辺縁系に於いては「不快」という判定が下されるため、これを回避するために自律神経が亢進され、身体広域が一時的に緊張状態になります。これは、いま身体が必要とする摂食行動を円滑に開始するための準備です。
この時点では、大脳皮質はまだ空腹に気付いていません。ですが、このような自律神経による身体の生理的変化は体性感覚を通じて大脳皮質の感覚野に入力されます。大脳皮質ではこの身体広域の生理的変化を体性感覚として知覚することにより、自分は今お腹が空いている、トイレにゆきたい、あるいはHがしたい、などといったことを自覚しています。
このように、我々が空腹感を感じるというのは、それは空腹によって発生した身体の変化が体性感覚を介して大脳皮質に知覚されるということです。
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この回答へのお礼

ご指摘の通り「満腹中枢」ではなく「空腹中枢」です。
ご回答ありがとうございます。
とてもわかりやすく納得できました。
一点、疑問が浮かんだのですが、空腹感や尿意などは、体性感覚野にいくのでしょうか?臓器感覚の感覚野は存在するのでしょうか?質問を重ねて申し訳ありませんが、お時間がございましたら教えていただけると幸いです。

お礼日時:2012/07/04 03:17

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