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物価上昇率と国債の金利についての質問です

先日テレ朝のスーパーモーニングを見ていると、玉川デレクターが「黒田日銀総裁が『物価上昇率2%をめざす。一方、国債の金利の上昇は押さえる。』といってるのが矛盾している」といってました。

物価が2%上昇すれば国債の金利も2%以上にならなければ、国債を購入した個人や企業などの投資家はもうけが出ないので、国債の金利は物価上昇率より必ず高くなるのが物の道理であり、そうなると将来国が負担する国債の金利は増加してしまい財政は破たんする・・といってました。

しかし国債の金利が物価の上昇率と連動して上下動する仕組みがいまいち納得できないので、ネットで調べたところ、どうやら、銀行などが国債の売却を国から引き受けるが、その時に銀行が国から購入する国債の利率は額面通りで変動することはない。しかし銀行から購入した投資家等が一般市場で国債を売買するので、それによって利率が変動する。だからまったくの一個人が銀行から買った国債の利率が物価の上下動に反応して上下動することはない・・・というものでした。

しかしまだ疑問に思うのは、もし上の私の認識が正しいならば、市場で売買されることにより国債の利率が変動しても、将来国が負担する利率は、最初の国債の発行時に額面に記載された利率通り、銀行に支払えばいいので、物価が上昇してもそれによって財政を圧迫することにはならないように思うのですが・・どうなのでしょうか?

あまり正確な知識がないので詳しい方教えてください。

A 回答 (3件)

あなたの理解でほとんど間違っていません。

国債金利には2種類あります。一つは国が国債を発行するとき定める金利です。これは償還(返済期限まで)変わりません。1%の金利はインフレになっても1%のままです。
もう一つは投資家(銀行など)が保有している発行済みの国債を金融債権として市場で売買するときの金利です。これはある程度物価変動などに合わせて変動します。変動しないと売れないからです。金利が上昇したとき、国が新たな国債を発行しようとすると、それに合わせて高い金利を設定しないと誰も買ってくれません。それでは国の財政が滞りますから、仕方なしに高い金利で発行します。利払いがどんどん膨れあがり、財政がどんどん逼迫します。今のギリシャがその状態です。金利を10%ぐらい付けないと誰も買ってくれません。日本の国債の金利はつい最近まで0.6%でした。最近の円安、株高で少し上がりましたが、それでもたかだか1%です。世界一優良な国債です。日本はギリシャとは違うのです。

この回答への補足

非常に簡潔でわかりやすいお答えでした。ありがとうございました。

補足日時:2013/06/12 21:09
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え~とまずは国債発行についてざっくり書きますと、


例えば「国が10年後に100万円受け取れる権利書を92万円で売りだす」といった具合です。この例ですと金利1%となります。92万✕101%✕101%✕、、、、と計算すると10年で約100万円となります。

そしてこの「10年後に100万円受け取れる権利書」は市場で売買されており、国債が積極的に買われて売買価格が上昇すると結果的に金利は低下し、逆に国 債が売り優勢になると売買価格が低下し結果として金利は上昇する事になるのです。これはニュースなどでしばしば登場する長期金利というものです。

このようにして国は国債という金融商品を売り出すことで市場から資金調達をしています。


ここまでは質問者さんも理解されていると思います。
で、

> 将来国が負担する利率は、最初の国債の発行時に額面に記載された利率通
> り、銀行に支払えばいいので、物価が上昇してもそれによって財政を圧迫
> することにはならないように思うのですが・・どうなのでしょうか?

そこを玉川デレクターさんなども理解されていないためおかしな解説になっているのでしょう。(結論を先に書きますと、財政を少し圧迫するでしょうが、大した圧迫はしないということになるでしょう(タイムラグ分圧迫します))。

景気が回復へ向かえば民間の資金需要が上がることで国債は売り傾向となり金利が上昇します。この時、金利が上昇した場合に利払いが直接増える訳ではなく、追加発行する分の国債の金利が上昇する訳です。つまり追加発行分は以前より高い金利を提示する必要があるという事です。
で、ですね~ここからが本題なのですが、景気が回復するということは税収が増えることや また景気対策として行なって来た優遇税制や優遇助成などを撤廃してもよい状況になって行っているという事でその分増収になるのですね。(また景気が回復するから民間の資金需要が増えて金利も上昇するので、景気が回復へと向かわなければ金利は上昇しません)。
つまりは国債の追加発行の必要性が薄まっているということであり、追加発行の国債を減らせば金利は多少上がっても発行数が減らされる分利払いは減ることになるのです。
玉川ディレクターさんやその後ろ盾となっている経済評論家さんは この辺りの話を完全に無視して、金利上昇で利払いが増えるとご主張なさっているのですね。この辺りがよくある緊縮財政推進派のインチキロジックだったりもするのですが、玉川ディレクターさんはすっかり騙されているようですね。

この回答への補足

>>民間の資金需要が上がることで国債は売り傾向となり金利が上昇します。この時、金利が上昇した場合に利払いが直接増える訳ではなく、追加発行する分の国債の金利が上昇する訳です。つまり追加発行分は以前より高い金利を提示する必要があるという事です。

そういうことですか

>>景気が回復するということは・・・・・・国債の追加発行の必要性が薄まっているということであり、追加発行の国債を減らせば金利は多少上がっても発行数が減らされる分利払いは減ることになるのです。

その辺の兼ね合いを見定めるのが非常に難しそうですね

ありがとうございました

補足日時:2013/06/12 21:01
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結構、分かりやすいようで混乱しがちな問題ですね。

既に簡潔な内容の回答がありますが、回答しましょう。


まず、国債はいくつか種類がありますが、現在主流なのは利付債と呼ばれるものです。その中でも、変動金利のものもありますが、ほとんどが固定金利です。

例えば、100万円で年に1万円の利払いを受けることができる国債を考えましょう。この国債を国は銀行などに売却します(国債の発行)。簡単化のために、額面で発行したとしましょう。
すると、年に1万円なので利子率は1%です。

さて。
この国債を98万円で手に入れることができたらどうでしょうか?
この場合でも貰える額は同じなので、98万円で年に1万の利払いを受けるので1.02%程になります。
また、償還が1年後であれば、100万円で償還されるので、都合3万円の儲け=3.06%となります。

ということで、国債の金利を抑える、というのは、単に「国債が値崩れしないように買い支える」という程度の意味でしかないことが分かります。


> 最初の国債の発行時に額面に記載された利率通り、銀行に支払えばいいので、物価が上昇してもそれによって財政を圧迫することにはならない

例えば国債の価格が1万円まで下がると利子率は100%になりますが、国の利払い額は(短期的には)変わりません。
しかし、新規に発行したりする場合にはどうでしょうか? 市場の利子率が10%の時に(つまり似たような国債が92万円程度で売っているのに)上記の国債は額面で発行することができるでしょうか?
したがって、新規債や借換債などを通じて中長期的に影響が出てくることになります。



ところで。
リスクを考慮しても、市場の利子率が国債の金利を上回っていたとしましょう。
銀行は国債を手放すでしょうか?
答えはNoです。ある程度以上は手放しません。むしろ、他への貸し出しを増やせば増やすほど多く国債を保有するでしょう。

何故かといえばBIS規制があるためです。
単純に言えば、貸出をするためには貸出総額の一定割合の安全資産を持つ必要があります。
自己資本比率の計算上国債は安全資産に分類されますが、安全資産は現金などが中心であり、利払いを受けることができるのは国債位です。
したがって、国債が安全資産として取り扱われる限り(安全資産から国債を外そうという動きはあったりするけれども)、銀行は国債をそう簡単に手放したりはしないでしょう。

この回答への補足

>>国債の金利を抑える、というのは、単に「国債が値崩れしないように買い支える」という程度の意味でしかないことが分かります。

黒田総裁はこのことを言っていたのですか。いくら日銀が買い支えても追いつかなかったり、逆に物価高に歯止めがかからなくなると、最悪になる、ということでしょうか・・。

>>何故かといえばBIS規制があるためです。
単純に言えば、貸出をするためには貸出総額の一定割合の安全資産を持つ必要があります

いざという時の債権者の保護・・ということでしょうか。いろいろ規制があるんですね。

ありがとうござました

補足日時:2013/06/12 20:38
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