プロが教えるわが家の防犯対策術!

 日本語を勉強中の中国人です。佐藤秀峰の「ブラックジャックによろしく」(第5巻)を読んでおります。よくわからないところがあるのですが、教えていただけないでしょうか。画像も添付いたします。

1.ATM機械から紙幣が出てきた時の音は「ガシャン」でしょうか。どういうイメージの音でしょうか。辞書で「がしゃんと受話器を置く」という例文だけ見つけました。硬いもの同士の摩擦の音のような気がしますが、そうでもなさそうです。どのように使うのかよくわかりません。

2.「とうとう1万円を切った」という表現なのですが、「数字+切る」のこの使い方は初めてです。もう少しこの使い方の常用の例を教えていただけないでしょうか。それの反対語は「超える」でしょうか。

 また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

「漫画のわからない表現(「ガシャン」、「切」の質問画像

A 回答 (7件)

>ATM機械から紙幣が出てきた時の音は「ガシャン」でしょうか。



はい、仰るとおりです。日本人には その様に聞こえます。
「ガシャン」は、ご質問の漫画のワンシーンのように機械が作動するときの他にも、シャッターや門が閉まるときなど、金属製の物体が動くときの擬音語として、よく使われる表現です。
今はドラマや映画でなければ目にする機会がありませんが、タイプライターに用紙をセットするときや用紙を引き出すときの作動音も「ガシャン」に聞こえますし、これも擬音語として使われます。

他にも、ショッピングカートに買い物籠を勢いよく入れたり、カート押しながら段差のあるところを移動するときにも使われますし、ベビーカーや自転車も同様に段差のある場所を移動するときは「ガシャン」は、よく使われますね。
実物を使ったとき本当にはどう聞こえるのか解りませんが、ドラマやアニメで警察官が犯人に手錠を掛けるシーンも日本人には「ガシャン」に聞こえますし、漫画の擬音語も、そのように表記されることが多いです。

金属だけではなく、水切り籠にガラスや陶器製の食器を次々と並べていくときや、ソーサーにコーヒーカップを置くときの音など、食器が互いにぶつかり合う音も日本人には「ガシャン」と聞こえますし、擬音語としてよく使われます。

…と長々と書きましたが、《要するに「ガシャン」とは、硬質の物体が作動したり ぶつかり合うなど、振動や力が加わったときの音を表している》と捉えていただければ良いです。
同じ物でも必ずしも誰もが「ガシャン」と聞こえるわけではないし、いつでも「ガシャン」と聞こえるとは限りません。「カシャン」と聞こえるときもあれば、「ガシャッ」や「カシャッ」と聞こえることもあります。音は物体のコンディションでも変化するし、心理的な要因で違う雰囲気に聞こえることがあるのです。このことについては後述します。


>「とうとう1万円を切った」という表現

これは言い換えれば、「ついに、(所持金・貯金が)1万円にも満たなくなった」となります。
「切った」とは、~未満・~に満たない・~に届かない・~もない」という意味です。
ですから仰るとおり、この場合の反対語は「超えた」となります。

なお、「とうとう」は「いよいよ」と言い換えることも出来ます。
しかし若干ではありますが、「とうとう」とした方が「意気消沈としている感じがある」と思います。「とうとう」と表したことで、生活費が底を突き掛けている主人公の切実な現状、それに落胆している様子が読者に伝わる効果が出せていると思います。

(前述の「ガシャン」の件ですが、これは「カシャン」のように軽快な明るいイメージの音でもなければ、「ガシャッ」のように短い音でもありません。
濁音はもともと重厚な響きを持っていますが、これに詰まった音を表す促音「ッ」ではなく「ン」を加えることで音がより強く響き、突き放された冷たいイメージを持たせることが出来ます。
このシーンに「ガシャン」という擬音語を持ってくることで、主人公の深刻な状況により重みを持たせ、読む側にもズンと重みを持って響く効果になっていると思います。)

先のご回答者のご意見と被りますが「数字+切る」の例としては、お金の他に時間の表現があります。具体例としては、朝の準備に追われているときなどに「(準備に掛けられる時間は)あと5分を切った」のように使います。他には、「100メートル走のベストタイムが10秒を切った」という使い方もあります。
最初の例は「5分未満・5分もない」という意味になり、後の例は「10秒未満・10秒も掛からなかった」という意味になります。

「数字+切る」は重さの表現にも使えます。
「体重が40キロを切った」といえば、「40キロ未満・40キロもない」という意味になります。

お金や時間・重さなどを表す単位と一緒に「数字+切る」の表現は使われますが、大抵の場合は、その数値自体とそう遠く離れてはいないけれど、現実として、それよりも少ない数値であることを示すときに使います。(※数値が大きく離れている場合は使えないということではありませんが、“それよりも少ないということを強調したいときに使う表現である”ということを、ポイントとして押さえていただければ結構です。)


>(切ったの)反対語は「超える」でしょうか。

はい、仰るとおりです。


最後に、ご質問文の日本語の表現ですが、完璧で直すところはないです。
とてもよく勉強していらっしゃると思います。
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この回答へのお礼

 ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。「ガシャン」のイメージはわかるようになりました。「数字+切る」のポイントもつかめるようになりました。大変助かりました。

お礼日時:2013/08/04 21:43

私の端末では添付画像が小さすぎたので五巻を開いてみました。

冒頭の一コマ目ですね。
ガシャンは有り得ます。しかし大げさです。これはシーンの最初に音から入るドラマ仕立てであり、シーンが音から入るドラマはよくありますよね。それの失敗例です。分かりにくいです。質問者さんの疑問が正解です。ただし日本人は整合性よりも相手の伝えたい事をくみとって良しとするので日本人には支障はありません。医院ではなく病院という民族です。意味を考えずに気分優先で正式採用しちゃうんです。
本件は冒頭でいきなり下手な絵のコマから始まるのは問題です。つまりマンガの出来の問題です。このコマはひどいです。ATMの線が曲がっています。絵が悪いのでガシャンと三千円がミスマッチしています。音と絵がシンクロしていないのです。壊れたDVDで音が遅れるような違和感です。

ガシャンは硬質の震動音です。交通事故やガラスの場合も硬質の震動音です。
もう一つ訂正ですが、受話器のガシャンは疑問です。強く切られた場合はガチャンです。ガチャンと電話を切られたと使います。その辞書の例は宜しくない。
オノマトペの学習をマンガでするのは一長一短ありますね。文章中で使われるオノマトペが標準的です。

数字を切るは日常語です。
その数字を下回る事は一大事という下限の線でありその線を切るのでしょう。たしかに切るは汎用的な多義語なのですね。疲れ切ったなどと。質問されるまでそれを自覚せずに多用していました。
割る、割り込むという表現もあります。スポーツではラインを越えるときにラインを割ると言います。一般的には定員割れのように使います。株価が一万円の大台を割ったとはよく聞きますが残金が一万円を割ったとは言いません。
切るの方が簡単な用語です。切るは冷たい感じがします。主人公の寒気を共感できます。
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この回答へのお礼

 再びありがとうございます。本も購入されましたね。ぜひ最後まで読みたいと思います。何度もご親切に教えていただきありがとうございました。

お礼日時:2013/08/04 22:06

いつもの「超上級」な中国の方でしょうか?



皆さんの言われることですべて正解で、これ以上付け加えることも
ないかな・・・という気もするんですが、「超上級」であることを前提に
さらに突っ込んでみると・・・ですね。

この「ブラックジャックによろしく」という作品は、基本が心理劇でして、
作者の佐藤さんも、心理を強調するような作画や言葉を使います。
さらに言えば、日本語の「オノマトペ(擬音)」は、往々にして心理を
表現するために、その作者独自の解釈で使われることも多いんです。

佐藤さんは、割と特徴的なオノマトペを使う方だったと記憶してますし。

まずはこの辺を前提として確認したうえで。


本来、ATMから現金が出てくるとき、機械音はしないんですよね。
特に「ガシャン」という強烈な音は、普通ATMかた現金が出てくる音と
しては使いません。

一方「ガシャン」という機械音は、刃物で何かを断ち切る時や、何かが
倒れるときなど、結構心理的に強烈な印象を与える時にすることが多い
んですね。

そのあと「とうとう1万円を切った」という表現がその後にあることもあり、
ここでたぶん作者は、「この現金を引き出すことで、ついに貧乏生活に
突入してしまう」ということを、「ガシャン」という「本来はしない音」で
表現しているんだと思いますよ。

日本語の「オノマトペ」は、「本来しない音」を「心理的な表現」として使う
ことも結構あります。この作品のこの場面では、そういう「心理表現」の
面も重要だと思いますよ。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。恥ずかしいです^^;。まだいろいろ勉強中です。励ましていただきありがとうございます。がんばります。大変参考になりました。

お礼日時:2013/08/04 21:58

果たしてガシャンが摩擦音かどうか?


ガラスが割れる音はガシャンやガシャーンですね。
ガシャンは破壊音です。
一番使われるのは交通事故の音です。摩擦音ではないと思います。悲惨な音です。
受話器を置くのはガチャだと思います。乱暴に受話器を置かれた場合は確かにガシャンです。しかしそれは単純に音を表現したのではなく破壊的な意味合いを重ねているからだと感じます。
自販機はガタンゴトンです。
自販機をガシャンというのはですね、シャコーンと同じでデフォルメしすぎです。解決済みの件ですが自転車がシャコーンはおかしいのですよ。マンガだからおかしくて丁度いいという扱いです。

一万円を切ったは使いますね。
悲しい気持ちが伝わる表現です。読解は情緒的なんです。
スポーツでもタイムが何秒を切ったと使いますね。9秒を切った!世界新記録!のように。
切ったというのは堪忍袋の緒が切れたというようにドラマチックじゃないですか。プツンと切れるイメージと情緒があるのです。

切るは下回る場合に使いますが、だからと言って、切ったの対義語を越えたにしない方がいいと思います。そういう対称的な関係にありません。
切ったの方は切ったら普通ではないという気持ちを伝える言葉です。日本人は普通でないことに過敏なのです。切れないで普通とつながっていた方が平穏なのです。

ひょっとして例のシャコーンもこの主人公の自転車だったのでしょうか。数ある日本の漫画の中から何故このコミックを読まれているのですか。無料化・著作権フリーになってからですか。医療マンガの中では文学的に最高峰と思います。妻夫木君のテレビドラマの方が上品だし感情移入しやすいですけどね(精神科の話はテレビ的にタブーだからありません。皮肉にもこの原作の訴えるマスコミの矛盾が実証されています)。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。いろいろとても参考になりました。最近電子書籍リーダーを購入してこれを使って漫画を読むとどういう感じなのか体験してみたくて、ちょうどこの漫画は無料化になっているし、日本でも人気があると聞いているので、読んでみることにしました。なかなか人間に成長を促す作品ですね。

お礼日時:2013/08/04 21:51

ガシャンは確かに変ですね。

そういう感覚が正しいと思います。
スーッの方が札が出てくる感じの表現には良いように思いますね。

「切った(切る)」は「割り込んだ(割り込む)」、採算ラインを割り込んで〇〇円の赤字。
「下回る(したまわる)」と置き換えるなら、反対語は、「上回る(うわまわる)」。
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この回答へのお礼

 早速のご回答ありがとうございます。大変参考になりました。

お礼日時:2013/08/04 21:31

>ATM機械から紙幣が出てきた時の音は「ガシャン」でしょうか



あまり実例はありませんが、カバー(シャッター?)が開く時の音は「カシャン」あるいは「ガシャン」で良いと思います。
>がしゃんと受話器を置く」

これもありです。>硬いもの同士の摩擦の音 (あるいは軽く衝突する音)
そういったイメージでいいのではないでしょうか。


>.「とうとう1万円を切った」

この使い方はよくします。(貯金残高が )1万円 ”以下になってしまった” という意味です。

ご参考になれば。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。大変参考になりました。

お礼日時:2013/08/04 21:29

 ガシャン などはオノマトペなので、機械が作動する音ですし、電話が置かれたときの音も強くたたきつけるような置き方ではガシャンかな。

ちょっと大きな音という感覚です。

 1万円を切ったというのは、有る程度の金額があったけど、次第に減っていき、1万円も無い。区切りを示しています。これ以上は駄目という感じで、1万円を切ったということは、その後お金が無いという不安の基準を過ぎたという事に成ります。

 他にこの切ったというのは時間でも使います。制限時間が有る場合は後5分を切ったという表現になったりします。

 日本語には状態を表すオノマトペも多くありますので、絶対にこれというのも無いです。感覚に近い音を文字にしたという感じです。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。とても参考になりました。

お礼日時:2013/08/04 21:28

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