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安ウィスキーの透明瓶が大量にあります。
これを溶かして継ぎ目のない一つの大きな塊にしたいのですが、可能でしょうか?

A 回答 (10件)

こんにちは。

10年近くリサイクルガラスを使ったガラス工芸の工房で働いていた知識、経験をもとに回答させていただきます。
自分の場合サントリーの角びんと焼酎のいいちこのびんをブレンドして熔かして使っていました。なぜその2種類を使っていたかというと、自分たちの地域では飲み屋さんのボトルキープ用に使われている場合が多かったので、量を安定的に確保しやすかったからです。

ビンの種類はワンウェイびん(1回のみで廃棄)、リタ-ナブルビン(ビール瓶のように回収、洗浄して10~20回程度再充填、のちに溶かし直してまた新しいビール瓶に生まれ変わる)などありますが、一番多いのは回収してまた熔かしてリサイクルする前提のソーダガラス製のびんです。資源ゴミに出されたびんは色ごと(無色、青、緑系、茶色等)に選別されて洗浄、粉砕してカレット(細かい粒状のガラス)にして再熔融して新しいびんに生まれ変わっています。前述の角といいちこはこれに該当します。

日本のJIS規格マークがあるものは合わせても経験上問題ありませんでした。今回のご質問は1種類のびんのようなので問題ないと思いますが、外国産のウィスキーのびんなどが混ざっているとしたら国内のびんと混ぜると割れる原因になります。ご存知かもしれませんがガラスには固有の膨張係数(Coefficient of Expansion)というものがあるので、異なったガラス同士の境界面で割れます。もちろん例外はありますが、日本の大部分の飲料びんは再利用しやすいように膨張係数が合わせてあります。

ちなみにびんだけを溶かすのは通常1500度以上のガラス溶解炉が必要になります。自分のところはるつぼ(ねこつぼ)を使い、100キロ程度溶かせる、エレマー6本を熱源とした22kwの電気式溶解炉でした。設備をお持ちだとしても実際のところびんだけで溶かしてみるとガラスが硬く、泡がたくさん入ってしまうので、塊りにするにしてもおそらく脱泡が問題かと思います。
自分のところは工芸用のガラスとして使い勝手が良くなるように40パーセントほどバッチ(砂状の新しいガラス)を混ぜて使っていました。バッチを混ぜることにより熔融点の低下、清澄作用、作業時間の長い(足の長いガラスといいます)やわらかく、透明な泡切れのよいソーダガラスに生まれ変わります。

何回も実験したことがあるのでわかるのですが電気炉でも溶けることは溶けますが、大きな透明の塊りにするのは残念ながら難しいと思います。低温(800℃~1200℃)でもガラスは溶けはじめ、液体状になりますが、そのためにはガラスを砕いて粒状のカレットにしなければなりません。粒状のガラスが溶けて一体の液体になると、粒と粒の間に無数の気泡が入ります。この泡が抜けるにはびんのガラスの組成は粘度が高すぎて全部の泡がガラス表面まで移動できません。それなら脱泡するまで温度を上げればいいのでは?と思いますが、電気炉で高温で溶かし続けるとびんの場合「失透」という現象が起きます。熔かしてから歪を取り除くために徐冷が必要なのですが、ガラスの中に結晶が析出して擦りガラスのように曇ったり、表面にしわが寄ったりしやすくなります。以上のことからびんを砕いてカレットにした場合は電気炉では厳しいかもしれません。おそらく内部までくまなく失透して全く別の質感になるはずです。ほとんど光を通さないヒスイのような感じになります。

少量なようなので、耐火レンガを組んでガラス溶解炉の小型版として都市ガス、プロパン、コークス、灯油、電気などの熱源を使い、実験用の小さなるつぼ式の熔解炉でガラスを溶かし、るつぼハサミで余熱(800℃)をかけておいた電気炉の耐火石膏型の中に鋳造(ホットキャスティング)してプログラム徐冷(失透温度帯の速やかな温度降下を念頭に)、徐冷後石膏型の型跡を研磨処理などが可能かもしれません。研磨にはポリッシャー型のダイヤモンド研磨パッドを#100、#320,#600、#800、#1000、#2000メッシュの順に研磨して仕上げにバフ(セリューム)をかければ光学ガラスなどにも適応できる仕上げになります。ただ経験がないとガラスの研磨はとても難しいものです。七輪などでは温度を管理した徐冷ができないので割れますよ。運よくすぐには割れなかったとしても、内部に歪が残ったままなのでいつか必ず内包している歪のストレスを解消すべく、割れます。

もう一つはMax900℃位の電気炉で、棚板にセパレートペーパー(離型材)を敷き、びんを大きな破片にしてならべ、フュージング技法で平らな板を作る(びんにレリーフなど凹凸がある場合は凹凸面を上に)。必要な厚みに足らない場合は平らになったガラス同士のフリーサ-フェス同士を合わせて再フュージングして厚みのある塊りにする。800~850℃程度であれば粘度が低いのでうまくやれば空気も入っていない、厚みも保ったガラスが出来るかもしれません。無論研磨は必要です。フュージングにしても電気炉にしても専門的な知識とプログラムによる温度管理の知識がないとできないものです。とくに失透の問題は大きいです。表面の失透であれば研磨の段階で一層むくことで取れますが内部だとどうしようもありません。温度管理は重要で失敗すると曇りガラスのようなしわが寄った塊になってしまうと思われます。


仮に溶かせて塊りに出来たとしても、失透、泡の問題があるのとそもそもレンズ用のガラスにするにあたり、特性が適していない(鉛やカリを多く含んでいないので屈折率が高くない)と個人的には思います。ガラスを加工するということ自体の困難さもあります。特にびんは固くて加工しにくいですよ。加工対象が小さいのも難しい理由です。ガラス工芸作家なので身にしみてわかります。研磨は基本ダイヤモンド製品ですし、設備投資も少額ではありません。厚みやサイズがわかればもっと具体的なアドバイスが出来るのですが、ご参考までに。ながながと失礼しました。
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この回答へのお礼

とても詳しく解説を下さり、ありがとうございます。
ガラス工芸に常々興味をもっておりまして、いつかは挑戦してみたいと思っていたのですが、やはり知識と技術の部分で敷居が高いです。
ガラス工芸を長くされてきたとのこと、とても得難い知識でありまして、大変勉強になります。
ガラスを小さく粉砕して溶かしたいと思っていたのですが、気泡の混入や失透といった問題があるのですね。
そこで鋳造であればとのことですので、こちらの方法か、セパレートペーパーを使って平らな板を作る方法でやってみたいと思いました。
送風可能なコークス炉とガス炉がありますので、コークス炉でガラスを溶かし、ガス炉で800℃に設定した鋳型に流し込んでみようかと思います。
またはセパレートペーパーを使い、そのままガス炉で熱して板にする方法も取ってみたいです。
いずれにしましても徐冷が必要になり、どのくらい時間をかけて温度を下げていくものなのか、あるいは一定に温度を保てばいいのか分からず、難しそうと感じております。
この点につきましてアドバイスを頂けますなら、大変有難いです。
作りたいガラスのサイズですが、当面の目標は直径7~8cm程度、厚みを2~3cmくらいのものとしています。
最終的には直径25cm、厚さ7~8cmくらいのものを作ることを目標にしています。
このくらいの大きさのレンズを入手することは非常に困難でありまして、すこし無謀という気もしていますが、是非挑戦してみたいと思っています。
長いお礼を、大変失礼いたしました。

お礼日時:2014/01/30 21:04

No7です。



>屈折率に合わせてレンズの曲率を変えればいいのでは?

非球面ということですね。
先の「アクロマート」とは根本的に異なりますが、その辺は理解されてますよね?

いずれにしても私から見たら「無謀」ではありますが、一方では楽しそうなプロジェクトにも感じます。
他人から無謀と言われようがチャレンジする姿勢は大事です。自分でやれば何かは掴めますしね。
考えてみれば昔の人はそうやって土星の輪を見つけたりしてきたんでしょうし。

頑張ってください。
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この回答へのお礼

非球面アクロマティックレンズは、色収差を補正する従来のアクロマティックレンズと、球面収差を補正する非球面レンズの両方の特長を兼ね備えた全く新しいコンセプトのレンズです。

お礼日時:2014/01/29 21:25

 ソーダライムガラスは、ガラス転移点は730℃、融点約 1,000℃と低いので簡単に軟化して固まりになりますよ。

除冷装置内でゆっくり冷やさないとなりません。
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この回答へのお礼

除霊が必要ということでしたら、円形の器を鉄で作り、その器ごと火にかけると型にもなって一石二鳥ではないでしょうか。
鉄とガラスが貼りついてしまわなければですけど。
熱膨張率は鉄の方がたかいのでしょうか。
難しそうですね。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2014/01/29 21:22

光学カラスをなめてますね?


あなたのやろうとしていることは、ツーバイフォー住宅の現場からもらった木端でバイオリンを作ろうとしているようなものです。

まぁチャレンジ精神は素晴らしいとは思いますが。
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この回答へのお礼

屈折率に合わせてレンズの曲率を変えればいいのでは?
それでも難しかったら焦点距離を超長くします!!!

お礼日時:2014/01/29 09:45

とんぼ細工ならいざ知らず、レンズの目的では・・・・異種のガラスを混ぜれば・・・ 


鉄の場合は合金になるわけですが、ガラスの場合はそんなに上手く混じらなないと思います。

すなわち化学組成の違うものは一緒にしないこと。

溶融鉄以上の高温に耐え、しびやな温度管理も要求されそうですから、それなりの設備を設けないと
駄目でしょうね。

ただ、研磨のし易さ、屈折率や透過度の関係は専門家でないと分かりません。
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この回答へのお礼

全く同じ店で買った同じ種類のウィスキーの瓶です。
瓶の生産ロットが同じかどうかまでは分かりませんけど。
やはりうまくくっつきませんでしょうか?
回答ありがとうございます。

お礼日時:2014/01/29 09:41

反射望遠鏡の鏡の台座なら兎も角、アクロマートレンズとなると色々難点が


・ウィスキーの瓶はソーダライムガラスで鉄イオンを含むこと
 熱膨張係数が極めて大きいことにより、割れたり・温度変化で接合面が剥がれる
 透過率がとっても低い

 量的には少ないので七輪程度でよい。坩堝は黒鉛でもよいかも

 接合は光硬化樹脂が簡単でしょう。

 
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この回答へのお礼

一つの塊になるか知りたいのです!
宜しくお願いします!

お礼日時:2014/01/29 09:42

再度、No.2です。


ただし、不純物がガラスに混ざることを考えると、素直に電気炉を購入したほうがいいですね。七輪で焼いた陶芸は結構黒くなるようですし。
DIYにこだわるなら、電気炉自作も?
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
やはり電気炉がいいのですね。
ガラスを望遠鏡のアクロマートレンズに使いたいのですが電気炉で熱してくっつければ素材として均一性をたもってくれるのでしょうか?
つまり接合面に光学特性の変化する面が現れたりしないのでしょうか?

お礼日時:2014/01/29 08:13

No.2です。


こんな製作例もありました。鉄を溶かせる程度の炉ですので、1500度は優に超えるはずです。

http://cs.kus.hokkyodai.ac.jp/tatara/ro/ro.html
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
炉をこのように組もうかと思います。

お礼日時:2014/01/29 08:14

量が多すぎますね。



電気炉が有ったほうがいいでしょう。

少量で良ければ、「七輪」を使う方法があります。送風機(ドライヤーなど)との組み合わせで作れます。庭先で陶芸を楽しむ人も多いですが、1400度以上の高温が作れます。
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この回答へのお礼

やはり電気炉があった方がいいのですね。
七輪でも可能とのことですので、この際耐熱レンガで炉を組んでコークスをぶち込もうかと思います。
送風機は風量調節可能なブロワーでよろしいでしょうか?
全く同じウィスキーの瓶なのですが、熱して同化してしまうように一つの塊にすることは可能なのでしょうか?

お礼日時:2014/01/29 06:31

同じ様な質問があったので参考になれば・・・



http://oshiete.goo.ne.jp/qa/728374.html
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
参考にさせて頂きます。

お礼日時:2014/01/29 06:26

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