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西行法師をとぶらふことば

あたら桜の咎といひて、大木のはえぎはから、惜しげなく切りたふしたる人は誰ぞ。清水ながるる道のべの、柳かげに小便したる人はたぞ。あるはしろかねの猫はかはねど、江口の里の飯盛に心をとめ、あるは鴫たつ沢の鴫焼きの三茄子より、一富士の初夢にまさしく見えし姿さへ、むかし今戸の夕煙、いづちの風にやなびきけん、ねがはくばこの狂言綺語、三文ばかりの布施ともならば、花のもとにて春死なれし和尚の、今日祥月命日、一ぺんの廻向をなさんといふ事しかり。
(『大田南畝集』有朋堂書店「四方のあか」6,7ページ)

上記は西行についての江戸期のパロディです。「しろかねの猫はかはねど」のネタがわかりません。教へてください。

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蛇足ですが、わかるネタです。(『山家集』は岩波文庫から)

花見にとむれつつ人のくるのみぞあたら桜のとがにはありける 
(山家集 春歌 29ページ)
咎のある桜を処罰した。

道の辺に清水ながるる柳蔭しばしとてこそ立ちとまりつれ
(山家集 夏歌 54ページ [新古262])
立ち止つて何をしたのか。

心なき身にもあはれは知られけり鴫しぎたつ沢の秋の夕暮
(山家集 秋歌 67ページ[新古362])
鴫焼きの茄子。

年くれぬ春くべしとは思ひ寝にまさしく見えてかなふ初夢
(山家集 春歌 14ページ)
初夢の一富士二鷹三茄子

願はくは花の下にて春死なむその如月の望月のころ
(山家集 春歌 31ページ[続古今1527])
願はくは花の下にて春死なむ。

天王寺へまゐりけるに、雨のふりけれは、江口と申す所にやとを借りけるに、かさざりければ
西行
世の中をいとふまでこそかたからめかりのやどりををしむ君かな
かへし
家を出づる人とし聞けばかりの宿に心とむなと思ふばかりぞ
(山家集 羇旅歌 107ページ)
心をとめるな。

A 回答 (1件)

こんばんは。



猫の質問にねこさんより早く回答すると引っ掻かれそうですが・・・

「しろかねの猫はかはねど」は、西行が、頼朝から送られた銀製の猫を門前の子供に与えて去ったという話ですね。

吾妻鏡 第六巻
文治二年(1186)八月小十六日庚寅。午剋。西行上人退出。頻雖抑留。敢不拘之。二品以銀作猫。被宛贈物。上人乍拝領之。於門外与放遊嬰兒云々。

江戸市中に、金猫、銀猫と称する私娼がいました。遊び賃は、金猫は一分(1/4両)、銀猫は二朱(1/2分)で、金猫の方が高級でした。飯盛女は、宿場にいた、奉公人の名目で黙認されていた私娼です。「かはねど」=「飼はねど」=「買はねど」。銀製の猫は飼はねど→銀猫の私娼は買わねど、江口の里の飯盛女には心をとめ、ということですか。

https://kotobank.jp/word/%E9%87%91%E7%8C%AB-248385
https://kotobank.jp/word/%E9%8A%80%E7%8C%AB-248386
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%AF%E7%9B%9B% …

サイトの景気づけのための質問に、いつも同じ人が回答するのはまずいかなと思ったのですが、面白そうだったので。
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この回答へのお礼

地下鉄運転士のちよつぴり辛辣で大げさな表現を拝見して、質問文の狂文を連想しました。狂歌狂文狂詩はネタのわからないものが多くて、私の知識ではなかなか笑へません。元ネタについて考へるのは「野暮」と呼ばれさうです。Tastenkastenさんのやうな方は「粋」ですね。

『吾妻鏡』にでてくる逸話だつたのですか。文脈にもうまくあてはまります。それにしても、江戸文化の程度の高さには驚かされます。こんな文章を読んで、ふつうに笑へる人がたくさんゐたのでせうから。『吾妻鏡』は本すら持つてゐません。

御回答ありがたうございました。ちなみに、おつしやるとほり、ねこさんの回答を期待してをりました。

お礼日時:2015/02/07 19:25

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