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香川県小豆郡小豆島町の地名について質問です。

私の母方の実家が小豆島町(旧内海町)なのですが、町内の地名についてわからない事があります。
町の住宅地図やネットなどで地名を調べても、大字(おおあざ)・小字(こあざ)というのでしょうか・・・神懸通や安田、馬木、苗羽などの地名しか出てきません。いわゆる住所表記です。
しかし、地元の人は例えば「神懸通」と言う人は少なく、神懸通内でもその中の集落とでもいうのでしょうか・・・上村・下村・西條・小坪・草壁と言う人がほとんどのように感じます。私自身は小豆島には住んだ事はなく、おおよその感覚で場所はわかりますが、祖先の事や小豆島全体の歴史文化を趣味で調べていますので、色々と詳細に明らかにしたい思いがあります。

そこで、以下が質問になります。
1、地名で地元住民が呼称している上村・下村・西條・小坪・草壁などの昔ながらの地名の一覧が載っている資料のようなものがありますでしょうか?
2、また併せて、住宅地図(古地図)のようなもので、ここからここまでが上村とか下村など、境目がわかる資料はありますでしょうか?
3、小豆島の歴史を「内海町史」などで上辺程度ですが調べてみると、元々、上村・下村のような独立した村があったわけではないらしいのです。なぜ、地元の人は上村・下村・西條・小坪・草壁と呼称するのでしょうか?ちなみに、母や亡くなった祖母に聞いても詳しいことは不明でした。

郷土史家の方や、かつ、このような事を何かで調べたことがある方でないと詳しい事はわからないかもしれませんが、ご存知の方がおられましたら是非ご教示のほどお願い致します。

A 回答 (2件)

小豆島の大字地名は、基本的に明治初期の「郡区町村編成法」(明治11年太政官布告)で設置された44ヵ村の村名に由来するものです。

昔からの集落名(郷名・村名)がそのまま村名になったようです。
その後、「市制町村制」(明治21年法律第1号)に基づき、明治23年に16ヵ村に統合された時にできた「四海」「大鐸」「草壁」などの村名も、大字地名より広域の地名として残っています。大鐸や草壁(草加部)は中世以前からの由緒ある地名です。
いずれにしても、これらの大字地名は小豆島の住民なら知らない人はいないでしょう。

〔 〕: 郡区町村編成法時代の44ヵ村
( ): 市制町村制時代の16ヵ村(戦後の地方自治法まで続く)

現【土庄町】
〔土庄村〕―――――――――――――――→(土庄村)
〔淵崎村・上庄村〕―――――――――――→(淵崎村)
〔肥土山村・黒岩村・笠瀧村・小馬越村〕―→(大鐸村)
〔大部村・小部村〕―――――――――――→(大部村)
〔小海村・見目村・屋形崎村・馬越村〕――→(北浦村)
〔滝宮村・長浜村・小江村・伊喜末村〕――→(四海村)
〔家浦村・唐櫃村・甲生村〕―――――――→(豊島村)

現【小豆島町】(旧 内海町)
〔下村・上村・片城村〕―――――――――→(草壁村)
〔西村〕――――――――――――――――→(西村)
〔坂手村〕―――――――――――――――→(坂手村)
〔苗羽村・古江村・堀越村・田浦村〕―――→(苗羽村)
〔安田村・木庄村・橘村・岩谷村・當浜村〕→(安田村)
〔福田村・吉田村〕―――――――――――→(福田村)

現【小豆島町】(旧 池田町)
〔池田村・蒲生村・中山村〕―――――――→(池田村)
〔二面村・室生村〕―――――――――――→(二生村)
〔吉野村・蒲野村・神浦村〕―――――――→(三都村)

これらの村名から「村」の字を除いた部分が、現在の大字地名(住所に使用する行政地名)になっています。
下記は、昔の村名と大字地名の対応関係の例外。
〔下村〕 → 小豆島町 草壁本町 … 「草壁」のほうが通用
〔上村〕 → 小豆島町 神懸通 … 「上村」のほうが通用
〔西村〕 → 小豆島町 西村 … 「村」の字が唯一残っている
〔淵崎村〕 → 土庄町 渕崎 (淵→渕)
〔笠瀧村〕 → 土庄町 笠滝 (瀧→滝)
〔大鐸村〕 → 土庄町(大鈬)(鐸→鈬) … 大字名ではない
〔當浜村〕 → 土庄町 当浜 (當→当)
〔家浦村〕 → 土庄町 豊島家浦
〔唐櫃村〕 → 土庄町 豊島唐櫃
〔甲生村〕 → 土庄町 豊島甲生

土庄村(世界一狭い土渕海峡を隔てた「前島」の部分)の大字地名
… 土庄、鹿島、柳、千軒、小瀬、大木戸
ただし、正式な行政地名・住所は、大字名なしの「土庄町 甲×××番地/乙×××番地」です。

~~~

このほか、小字地名が相当あります。これらは昔の村内の「小地名」です。
参考までに、『角川 日本地名大辞典』の巻末に載っている「小字地名一覧」の一部

西村の小字地名
… 清水、久徳、海老尾、寺山、明神、誓願寺、西原、原ノ上、流、平山、上原、大神、荒神、芹、竹生、水田、小見山、東大久保、西大久保、平滝、上図、下図、嶮岨山

神懸通の小字地名
… 下小坪、上小坪、片山、大石、成瀬、木ノ下、山木、西城、信谷、萩尾、平山、石太子、流田、門原、柴中、後山、古落、仲休、ニゴラビ、荒神、脇の畑、下地、明石、仏ヶ滝、越恵谷、猪ノ谷、樫尾、不動、カンカケ、忠六、サルガ粒、流レ、青木、明神、マド、水ヶ谷、若宮、官徳、トウノ穴、松株、登リ尾、土滝、嶮岨山

草壁本町の小字地名
… 上蔵田、下蔵田、竹荒、川東、上川西、下川西、尺越、松山

片城の小字地名
… 内浜、片庄、川西、殿山、岩崎、極楽寺、山越、経ノ粒、一ノ谷、小坪、小見山、大谷、長谷、平野、小渡、弁滝、大石地蔵滝、嶮岨山

~~~

> 1、 昔ながらの地名の一覧が載っている資料

『角川 日本地名大辞典』
全49巻のうち、第37巻 香川県 (昭和60年10月8日発行)

『平凡社 日本歴史地名大系』
全50巻のうち、第38巻 香川県の地名 (1989年2月23日発行)

国土地理院の「25000分の1地形図」
→ 大字地名、ごく一部の(よく知られた)小字地名、近年できた通称地名などが載っています。


> 2、 境目がわかる資料

究極は土地の権利関係を示す「地籍簿」でしょう。土地一筆ごとの地番(大字○○ 字○○ ××××番地)と境界線が明記されています。
ふだんの生活では、せいぜい主な大字地名について道路や川や施設などを目印にしたおおよその位置関係しか認識していないでしょう。
地元のお年寄りに訪ねても、ぜいぜい「このへん」「あのあたり」といった答えが返ってくる程度ではないかと。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
やはり、昔からの小字(こあざ)の上村、下村、小坪みたいな行政上の住所表記にはない場所は感覚的に地元の人が昔からそう呼んでいるだけのようですね。
ただ、自治会単位では例えば小坪で一つの自治会を持っているみたいなので、親戚の人などに聞き回って、「自治会単位ではどうもこういう区分になっている」という地図を自分で作成してみようと思います。
資料についても本当に存在するとは思いませんでした。「地籍簿」というのも見た事はありませんが研究する価値はありそうです。
詳細な解説も加えて下さり、改めて厚く御礼申し上げます。

お礼日時:2015/08/06 20:52

No.1 です。

訂正と補足。

訂正
×〔當浜村〕 → 土庄町 当浜 (當→当)
○〔當浜村〕 → 小豆島町 当浜 (當→当)

補足
〔下村・上村・片城村〕―――――――――→(草壁村)
もともと、江戸時代までの「草加部郷(草加部村)」が、郡区町村編成法で「下村・上村・片城村」として分割独立。その後、市制町村制で「草壁村」に統合。
ということです。
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