おしえて

「言葉の用法』でNHK言葉博士梅津先生への質問です

締切済

質問者：タンさん
質問日時：2016/04/30 07:27
回答数：2件

お、お、おはようございます。
言葉の大先生なので、お叱りを受けないかと、とても緊張しております。宜しくお願いいたします。
昨夕からのパソコン調整でぼけており（は弁解ですが）とんちんかんな質問でしたらお許し願います。　スポーツの技術点が評価される状況で主に使われてきたと思いますが、「難易度が高い、低い」の表現が気にかかって参りました。（間違っているかも知れない）私の解釈では、この表現は、難しさの度合い、易しさの度合い両者を含めて表現された言葉であり、「難度が高い」、「難度が低い』という言い方なら納得できるのですが、「今の演技、難易度が高かったですねえ」、って言われて、（演技で判断はつくのですが）ホントはどっちなの？　と思ってしまいます。言葉のスタンダードとされるNHKのアナウンサーさんもごく普通に使っているように思いますが、私の性格が悪いのでしょうか。どうかお教え願います。大先生へのお尋ねでとても緊張しますが、宜しくお願いいたします。

　図々しくも、折角の機会ですので、ついでにお教えください（こちらは寧ろ屁理屈みたいなものですが）、もしも、目から鱗、のようなお話を伺えましたら、望外の喜びです。
　山野行でしばしば「クマ出没　注意！」の標識？（立て看板）が目に留まります。出、出る方は、”あ、気をつけないと・・・”ですが、没、引っ込む？方は、どのように注意したら宜しいでしょうか？　引っ込みかかっているのが再度（戻って）出てくるかも知れないので、注意しなさい、ということなのでしょうか。お手を煩わせいたします。
　梅津大先生のお半紙を頂けるかも知れない、と思うだけで幸せです。

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回答 (2件)

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No.2

回答者：真魚
回答日時：2016/04/30 13:21

ＮＨＫことばおじさん・梅津アナウンサーは数年前に退職され、現在は獨協大学で教鞭をとっておられる由。

https://www.dokkyo.ac.jp/profinfo/lac1059.htm

ということで、大先生のお半紙（？）ならぬ、野次馬の半畳を。

「難易度」について

難易度　＝　難しいか易しいかの程度。
難度　　＝　難しさの度合い。

試験問題や取り組むべき課題などについては一般に「難易度」を使いますね。
難しい場合も易しい場合もあるので「難易度」という表現は適切です。同じ問題でも人によっては難しかったり易しかったりします。ある基準点を上回るか下回るかという二方向の判断です。
議論が分かれるのは「難易度が高い・低い」などの言い方。「難易度が高い」は聞きますが「難易度が低い」はふつう「易しい」と言います。「難易度が低い」を聞かないのは言葉としての問題よりも話題性の問題かもしれません。
また、「難度が高い」とは言えますが「易度が…」とは言えません。そもそも「易しい」ことは「易度が高い」などと言うのかどうか…。

体操や新体操の競技については「難度」という用語があります。特定の技に関する「難しさの公式認定基準」です。「Ａ難度」…「Ｄ難度」「Ｅ難度」など、放送でも正しく使われているはずです。「易しさの認定基準」は聞きません。「Ａ易度」「難易度Ａ」などとも言いません。
フィギュアスケートの技も「難度」と呼ばれていたかと思います。

「ウルトラＣ」という言葉は、1964年の東京オリンピックの体操競技で生まれた和製語です。当時の最高難度「Ｃ難度」を上回るということで「ウルトラＣ」。公式な基準だったかどうかは知りません。
ちなみに現在の最高難度は「Ｈ難度」です。日本男子体操界のエース・白井選手の新しい技が「Ｈ難度」に認定されたというニュースが数か月前にありました。

「クマ出没」

「クマが出ます」でも良いかもしれませんが、緊張感に欠けます。
「クマがいます」だと、現われていないときにウソになります（いることを期待されてはいないでしょうが）。
「出没」は姿を現わしたり隠れたりすること。「神出鬼没」は鬼神の(ような)出没。
クマが出現したときは当然「注意」、というより緊急事態です。姿が見えないときも一時的に“没して（隠れて）”いるだけでいつ現れるか分からないので、やはり「注意」。

太陽（日）の出没や月の出没は危険な現象ではないので注意は不要です。

「出没注意」と似たような話で、「出入禁止」というのがあります。
「立入り禁止」は分かるけど「立去り禁止」の必要はないのではないか、と。
これも「出入り」という言葉の解釈・曲解の問題になります。