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https://oshiete.goo.ne.jp/qa/7293289.html
のベストアンサーで

>さて、「四度と五度を何故、完全音程と呼ぶのか?」を理解するには、
>音程を転回(Inversion)すると良く分かります。
中略
>以上のように一・四・五・八の音程は度数の数字が変化するだけで、
>長音程が短音程になったり、短音程が長音程になるような変化はありません。
>このことから「完全(Perfect)音程」と呼ばれるのです。

と書かれているのを見て、一瞬納得しかかったのですが、
 完全4度→短4度、増4度→長4度
 完全5度→長5度、減5度→短5度
と定義してしまえば、音程を転回したときに
4度と5度でも長音程が短音程になると言うこともできそうです。

とすると、上記の内容は理由になっていないように思えてしまうのです。
なにか思い違いをしていますでしょうか?

歴史的に初期の音楽では
振動数比が比較的小さな整数で表せる
4度、5度、8度が中心に使われていそうなので
そのことから完全と呼ばれるようになっただけ
ということはないのでしょうか?

質問者からの補足コメント

  • 何度もすみません。

    >完全協和音程
    >完全8度 1:2 72 (100%)
    >完全5度 2:3 42 (58%)
    >完全4度 3:4 28 (39%)
    72/72*100 = 100%
    42/72*100 ≒ 58%
    28/72*100 ≒ 39%
    ということだと思いますが、
    分母の72はどのように出てきた数字でしょうか?

    5度を積み重ねて
     C→G→D→A→E→B→F♯→C♯→G♯→E♭→B♭→F
    と12音そろうまでに6オクターブと少しということで、
    12音×6オクターブ = 72音 とかは関係あるのでしょうか?

    No.2の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/09/01 22:09

A 回答 (4件)

三度目の回答です。

たぶんこれで解決になると思います。

音名の体系は、現在は国際的に統一されていて、使う単語に多少違いがあっても分類のしかたは同じです。完全・増・減・長・短の区別は、日、独、英の三か国語では下のように対応します。

完全5度/vollkommene (reine) Quinte/perfect fifth
増5度/übermäßige Quinte/augmented fifth
減5度/verminderte Quinte/diminished fifth
長3度/große Terz/major third
短3度/kleine Terz/minor third

「長4度」、「短5度」などの言い方は普通は誰も聞いたことがなく、最初からこう決まっているものと思うのも無理はありません。しかし、三全音、トライトーンのことを考えていたところ、ふと、そういう言い方が過去にはあったのではないかという疑問が湧いてきました。もしあるとすれば、ドイツ語なら長4度はgroße Quarte、短5度ならkleine Quinteという言い方になるはずです。調べたところ、やはりありました。18~19世紀の古い書物には、このような「長4度」「短4度」「長5度」「短5度」に当たる表現がごく普通に出てきます。19世紀の時点で、トライトーンを表す名称は複数あるとされているので、長く確定しないままだったと思われます。

見つけた文献で一番古いものは、1739年刊、ヨハン・アドルフ・シャイベという人による『音楽の音程と種別に関する論考』というようなタイトルの書物です。検索で最初に出たページに音程名の一覧があり、4度と5度は以下のような名称になっていました。

減4度 verkleinerte Quarte(小さくされた4度)
短4度 kleine Quarte(小4度)
長4度 grosse Quarte(大4度)
増4度 übermäßige Quarte(過大な4度)

減5度 verkleinerte Quinte(小さくされた5度)
短5度 kleine Quinte(小5度)
長5度 grosse Quinte(大5度)
増5度 übermäßige Quinte(過大な5度)
https://books.google.co.jp/books?id=HFRDAAAAcAAJ …

御覧のように、「完全4度」、「完全5度」という名称が見当たりません。しかしこれでは、「長」、「短」のどちらが「完全」に当たるのかがわかりません。回答No.2に書いたように、4度や5度は、ほかの2度、3度、6度、7度と違って、類似の響きを二つペアにすることはできません。「完全」という名称を使わず、「長」と「短」にするなら、どちらを「完全」に当てるのか、その根拠が必要です。それで、少し前の方のページを見たところ、「完全4度」「完全5度」という名称も併記されている個所がありました。しかし、4度と5度では長・短の対応が違うのです。

Die kleine oder vollkommene Quarte 短4度、もしくは完全4度
Die grosse oder vollkommene Quinte 長5度、もしくは完全5度
https://books.google.co.jp/books?id=HFRDAAAAcAAJ …

このような対応になった理由は一つしか考えられません。それは、半音などの派生音を含まない幹音のみによる全音階、「ドレミファソラシド」のような7音音階中に出てくる増減音程は、「増4度」と「減5度」の2種類だけ、つまり、4度で使われるのは「増4度」と「完全4度」の二つだけで「減4度」は存在せず、5度で使われるのは「減5度」と「完全5度」の二つだけで「増5度」は存在しない、ということです。それで、それぞれの二つに「長」「短」を当てはめると、必然的に「短4度(=完全4度)」と「長4度(増4度)」、「短5度(=減5度)」と「長5度(=完全5度)」となります。

しかしこの方法だと、重要な完全協和音程という意味で同じような重要性を持つ完全4度と完全5度が、片方は「長」、片方は「短」となってしまい、不統一、かつ非合理的です。ほかの2度、3度、6度、7度の場合のように、協和度が類似する2音が隣接して一セットになっていないので、「長・短」を当てはめるのには無理があります。それで、合理化を図って「長・短」の名称を廃止し、完全音程は「完全」として独立して扱い、「減―完全―増」という三段階にすることでより論理的な整理のしかたに改善したのでしょう。

英語圏でも同様で、たとえば1832年刊の百科事典では、以下のような対応になっていました。

minor fourth(短4度)= 現在の「完全4度」(perfect fourth)
major fourth(長4度)= 現在の「増4度」(augmented fourth)

minor fifth(短5度)= 現在の「減5度」(diminished fifth)
major fifth(長5度)= 現在の「完全5度」(perfect fifth)

https://books.google.co.jp/books?id=kQ8bAQAAMAAJ …

いつごろ現在の名称が定着したかは不明ですが、20世紀に入ってからではないかという気がします。
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この回答へのお礼

何度もご回答ありがとうございます。

やはり紆余曲折はあったのですね。
「完全に(笑)」納得できました。

そして、名称の定着が思ってたよりも最近で驚きました。

お礼日時:2016/09/03 09:31

コメント拝見しました。

先に補足の方から。

引用した表で、共通の倍音数72という数がどこからきているかは、残念ながら今はわかりません。少なくとも5度の積み重ねとは関係はないです。回答に当たって、最初は一番信頼できるドイツの音楽大百科事典(Musik in Geschichte und Gegenwart)の「協和・不協和」の項目をざっと見ながら、インターネットでも調べたのですが、そのときたまたま出てきたのがこの表で、やはりドイツの学者、フランツ・ネフという人の著書に掲載されているもののようです。2000年出版なので、比較的新しい本です。日本語訳はありません。倍音の数は理論的には無限個でしょうが、間隔もどんどん狭くなり、最後はほとんど同じ高さになってしまうので、何個目までを考慮するかという問題だと思います。この学者が72倍音までを考慮の対象にしたのには何らかの理由があるのだと思いますが、その著書をじかに見ていないので、残念ながらわかりません。発音体によっても倍音は違うので、実験、計測時の条件もあるかもしれません。もとの表は下のサイトです。
http://www.musicademy.de/index.php?id=2077

4度や5度に長短の種別がない理由は私なりに説明を試みましたが、普通は単にそういう数え方をすると決まっていると受け止めるだけで、その理由まで書いてある書物というのはまずないと思います。もう一つ言えることがあるとすると、ごく古典的な複雑でない音楽で例外的にしか現れない音程は、増・減音程になるということです。4度、5度に限らず、増2度とか減3度などという音程も、ある程度音楽が発展してからそういう記譜が出てきます。完全5度が半音広がれば、実質的には短6度と同じ幅で、これを増6度として楽譜に書くということは、おそらくバロック音楽の成熟期以降ではないかと推測します。減4度も長3度と同じ響きで、そういう記譜はまずしなかったと思います。4度と5度の間の音程、増4度=減5度は、すでに話が出ているようにトライトーン(トリトヌス)という名称があり、これを避けるという考え方はすでに9世紀の理論書に頻出するとドイツの音楽百科には出ていました。つまり、ごく古い音楽を基準に考えれば、音程名は「完全」「長」「短」の三つがあれば大体事足りたということもあるでしょう。

お勧めの本ということですが、楽典的な書物なら、yhr2さんの挙げておられる書物でよいと思います。音楽と物理や数学の関係で書かれている本ということなら少し紹介できるものがあります(これらを読むためにも楽典の知識はあった方がよいと思います)。4度や5度になぜ長短がないかという説明は、さすがにこれらの書物にもありませんが、物理が御専門なら面白いかもしれません。
一つは、『音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか』という本で、それほど専門的というほどではなく、どちらかというと一般向けの読み物的な要素もありますが、とっかかりとしてはよいのではないかと思います。私はごく一部しか読んでいませんが、人の耳は二つの異なる音を完全に聴き分けられるかという章で、今まで考えてもみなかった現象があることを確認するきっかけになりました。
https://www.amazon.co.jp/%E9%9F%B3%E5%BE%8B%E3%8 …

それから、今回回答を書いている最中にたまたまインターネットで得た情報ですが、ヘルムホルツの音響学の大著の日本語訳が出ているそうです。これはたぶん、物理専門の人には面白いのではないかと思います。
http://n-tsuji.jimdo.com/

https://www.amazon.co.jp/%E9%9F%B3%E6%84%9F%E8%A …

ヘルムホルツなら原著の著作権は切れているはずなのでインターネットに出ていないか探したところ、すぐに見つかりました。非常に読みやすい整ったドイツ語なので、それほど苦労せず読めそうなのですが、670ページもあります。科学者の著書とはいえ、音楽のかなり専門的なことまで書いてあります。私の場合は、職業音楽家であって理系の知識はないので、物理や数学の話になると難しいですが、興味深い内容だと思いました。協和、不協和に関する章もありますし、ピタゴラスの実験について触れたところもあります。完全4度については、協和度がほかの完全音程より低く、不完全協和音程のグループに近くなるという説明もあります。そういえば、たしかアメリカの和声学の本だと思いますが、完全4度を不協和と説明したものがあるはずです。協和度は音程一つごとに階段状になっているので、音楽の前後関係や構造によっては、耳に聞こえる協和、不協和の印象が変わることは確かです。

ヘルムホルツの著書との関連で、アマゾンに以下の書物も表示されました。面白そうにも見えますが、内容は全くわかりません。

新版 音楽の科学: 音楽の物理学,精神物理学入門
https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E7%89%88-%E9% …
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

実は今回の疑問はご紹介していただいた
 音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか
の本を読んでいたときに出てきた疑問でした。

早速
 yhr2さんご紹介の石桁真礼生他「楽典」音楽之友社
 Tastenkastenさんご紹介のヘルムホルツ「音感覚論」
を注文してみました。

ヘルムホルツの原著も読んでみたいところですが、
ほとんどできないドイツ語で670ページとなると大変そうです(残念)

72は人間の可聴域なども関係して、
適当なところで切ったのかもしれませんね。
昔のピアノは現在のものより音域もせまそうですし。
今は、肝心の分子の数字の数え方もわかっておらず、考え中です。

完全5度 2:3 42 (58%) の場合
 f1 = 200[Hz]
 f2 = 300[Hz]
とすると、
 f1 の倍音:200、400、600、800、1000、1200、…
 f2 の倍音:300、600、900、1200、1500、…
となり、600[Hz]、1200[Hz] などが共通倍音となるので
 300は×
 600は○
 900は×
 1200は○
だとすると50%にしかならないですし、少し悩んでます。
もう少しいろいろ考えてみようと思います。

お礼日時:2016/09/03 09:24

御指摘のスレッドは、私がgooに参加する以前のものなので、見たことがありませんでした。

このところ偶然このようなむずかしい質問を続けて見ましたが、Q&Aサイトでは、こういう質問の回答を得るのはなかなか難しいと思います。適切な回答にはかなりの専門知識が要りますし、ひと通りの専門知識があっても、さらに専門文献で確認してからでないと間違う危険が大きいからです。そしてQ&Aサイトには、基本的に一般の人が思い思いの回答を寄せるおしゃべりの場だという雰囲気も根強くあり、専門的な回答を極端に嫌う会員も少なからずいます。御指摘のスレッドにあるような回答はどれも不十分ですが、できるだけ多くの人が参加するためには、このくらいのレベルで止めておくほうがよいのだろうと考えるようにもなり、回答すべきかどうか毎回ひどく迷うようになりました。
余計なことを書きましたが、過去のスレッドで解決できていないという問題提議ですので、今回は回答することにします。なお、私の前に回答されているyhr2さんもいろいろなことをよく御存知で、健闘していらっしゃると思います。

当該スレッドの回答No.2は、質問の回答にはなっていません。質問の趣旨を勘違いしているようにも見えます。質問の趣旨は、完全4度や完全5度はなぜ「完全」と呼ばれるのか、ということのはずですが、No.2の回答に従うと、「完全4度」を転回すると「完全5度」になり、「完全5度」を転回すると「完全4度」になるので、「完全」という名称部分は変わらない、という説明です。「転回しても完全という名称は変わらない」という説明自体は誤っていませんが、なぜ「完全」という名称がついているかの説明にはなりません。
これを説明するために「転回」を持ち出す必要はないので、それに対する反証も本来不必要なのですが、rynさんのお書きになっていることには思い違いがあるので、その点を先に書きます。

>完全4度→短4度、増4度→長4度
>完全5度→長5度、減5度→短5度
>と定義してしまえば、音程を転回したときに
>4度と5度でも長音程が短音程になると言うこともできそうです。

これは、説明としてはまずいです。先の回答者、yhr2さんもお書きになっているように、もともと「短4度」、「長4度」、「短5度」、「長5度」という音程の名称は存在しません。大昔からある音楽理論の定義なので、勝手に定義を変えるわけにもいきません。
楽典の教科書にそった説明はすでに出ているので、私は、音程の数え方という理論よりも、耳にどう聞こえるかという観点から説明します。そういう説明のしかたは、通常の「楽典」の本には書いていないと思いますので。
まず長・短の区別があるのは、完全協和音程以外の音程のみです。たとえば「長2度」と「短2度」は、「穏やか―鋭い」などの色合いは違っても、どちらも「不協和音程」なので、「衝突」して聞こえるという響きの性格は類似していてます。「長3度」と「短3度」はどちらも「不完全協和音」で、2度よりも「安定」、「調和」した性格の響きですが、「明―暗」のような色合いの違いがあります。これらの色合いや性格は、耳で聞いても判別できます。このように、響きの性格は共通でも、半音の違いで二つの異なる色合いの音程があるときに、「長・短」という区別のしかたをします。
これに対して、1度、4度、5度、8度の響きの「完全に調和する」という特徴は、「完全音程」の場合にしか維持されず、その幅が半音変わってしまうと、実際の響きは長3度や短6度と一致する「不完全協和音程」、もしくは短2度、短9度、長7度、減5度(=増4度)と一致する鋭い「不協和音程」という全然違う性格になります。ですので、これらの音程については、「完全音程」一種類だけでしかその音程特有の性格を認識できず、長・短という二種類の色合いの違いという組み合わせはできません。そのため、音程幅が半音ずれたときは、増・減というように単なる幅の違いだけの表現になります。

以上は回り道です。
1度、4度、5度、8度を「完全」と呼ぶようになった理由には、rynさんが最後にお書きになっていることもある程度関係しています。古代ギリシャの音楽理論では、振動数比が簡単であるほど協和性が高いと考えられていました。実際の音楽で使われた音程に関してもそうで、旋律という横方向ではいろいろな音程がありますが、和音という縦方向の音の重なりとしては4度、5度、8度だけで、3度や6度を含む近代的な「和音」が使われるようになるのは中世後期からです。したがって、古代ギリシャでは、1度、4度、5度、8度のみを「協和音程」とみなしました。
しかし、音楽そのものも変化していき、音楽理論も長い歴史とともに考え方が変わっていきます。現在の音程の分類の基準は、「客観的判断、量的判断、振動数比による判断」ですが、「主観的判断、質的判断、響きがもたらす効果による判断」という段階もあり、中世の音楽理論における音程の分類は、今の音楽理論とはかなり違います。たとえば、フランコ・フォン・ケルンという音楽学者による1250年頃の理論書では、完全協和音程は1度と8度のみとされています。不協和音程にも「完全」と「不完全」の2段階があり、6度は不協和音程に分類されています。

完全協和音程…完全1度、完全8度
中程度の協和音程…完全4度、完全5度
不完全協和音程…長3度、短3度

完全不協和音程…短7度、長7度、短2度、長2度、増4度、減5度
不完全不協和音程…長6度、短6度

ここで6度が不協和音程に分類されているのは、客観的判断、振動数比による判断ではなく、聞いた場合の印象です。3度音程の場合は、それだけを聞いても「調」を連想しやすいですが、6度はその点明確ではありません。また、完全4度や完全5度も、1度や8度と比べれば協和度は多少低くなるので、聞いた印象では同じ範疇にはならないということでしょう。6度音程が最終的に(不完全)協和音程という分類に変わったのは、「不協和音程は協和音程に解決する」という作曲上の法則が確立したことに合わせた修正です。こうして、新しい法則とともに3度と6度が協和音程の仲間入りをしますが、古代からの協和音程とは協和性のレベルが異なるということで、「完全」と「不完全」という区別を付けたと考えればよいと思います。
音楽はかつて「科学」の一分野で、古くから音楽理論の成立には科学者、数学者が少なからず関わっています。ピタゴラス、ユークリッド、プトレマイオス、ケプラー、オイラー、ヘルムホルツなど、そうそうたる面々です。古代ギリシャでは、「振動数比が簡単なほど協和性が高い」と考えられましたが、音響学の研究が進み倍音の構造が明らかになると、音程を構成する二つの音それぞれの倍音同志に共通音がどれだけたくさんあるか、ということも協和性の目安になります。振動数比が簡単で共通する倍音数が多いほど人間の耳が「協和性」を強く感じるという現象は、音響心理学でも証明されています。ただし、「協和性」の度合いは響きの「美しさ」という聴覚の印象とは必ずしも一致しません(8度よりも3度の方が「心地よく響く」など)。
共通の倍音数は少しずつ段階的に変化していくので、「完全」と呼ぶか呼ばないかは、結局のところ、どこで線を引くかという音響学的な分類ということにもなります。現在の楽典での分類と、各音程の振動数比、共通倍音数の対応は以下のようになります。

完全協和音程
完全8度 1:2 72 (100%)
完全5度 2:3 42 (58%)
完全4度 3:4 28 (39%)

不完全協和音程
長6度 3:5 24 (33%)
長3度 4:5 18 (25%)
短3度 5:6 14 (19%)
短6度 5:8 10 (14%)

不協和音程
短7度 5:9 8 (11%)
長2度 8:9 2 (3%)
長7度 8:15 2 (3%)
短2度 15:16 0 (0%)
増4度(減5度) 32:45 0 (0%)

楽語辞典などの説明も、「振動数比が簡単で、よく調和する音程が完全協和音程」と、また、「完全協和音程に比べて振動数比がやや複雑で、比較的よく調和するが全く溶け合うというほどではない音程が不完全協和音程」となっています。こうして、完全協和音程に分類される1度、4度、5度、8度の基本の音程は「完全~度」と呼ばれることになります。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>完全4度→短4度、増4度→長4度
>完全5度→長5度、減5度→短5度
>と定義してしまえば、音程を転回したときに
>4度と5度でも長音程が短音程になると言うこともできそうです。
ここは書き方がよくなかったですね。
自分がないものを定義しようとしたのではなく、
4度、5度にも(現在で言うところの)完全4度、増4度があるのに、
昔の人はこれらをなぜ長短と定義しなかったのだろうという疑問でした。

でも、御二方の回答を拝読して、聞いた印象も影響して
音楽理論が出来上がってきたことが分かりました。
音楽だから当然なのかもしれませんが…

>ピタゴラス、ユークリッド、プトレマイオス、ケプラー、オイラー、ヘルムホルツなど、そうそうたる面々です。
物理が専門なので、これらの人たちの数学・物理分野での仕事はよく知っていますが、
オイラーやヘルムホルツまで音楽にかかわっていたとは初めて知りました。

あと、このような話が載っている本でお勧めのものなどはありますでしょうか?
一般向けでなく専門的なもののほうが読み応えがあってうれしいです。

お礼日時:2016/09/01 21:37

あまり満足いただける回答はできないのですが、そもそもの「音程」の「度数」の定義が



「2音間の幹音のつらなりを想定したとき、その2音が、幹音何音の上にわたるものであるかを示すもの」

とされています。(石桁真礼生他「楽典」音楽之友社)

「幹音」は、下記のように「音階」の中で変化していない音と考えればよいのでしょう。
http://www.yamaha.co.jp/u/naruhodo/knowledge/nam …

 こう見たときに、「幹音何音の上にわたるか」といったときに、一種の「植木算」で
  1度:幹音0音分
  8度:幹音7音分
は明確で、どの「幹音」を基準にしても同じになります。

さらに、移動ドで「ファ~シ」の音程を除けば、
  4度:幹音3音
  8度:幹音4音
も、どの「幹音」を基準にしても同じになります。

 これ以外の度数では、基準とする「幹音」によって、「広め」の音程と「狭め」の音程の2種類が存在します。

 つまり、ある「幹音」を基準としたときに、どんな相手とも「ピッタリ決まる度数」と「2種類の音程がある度数」があるわけです。
 このうち「ピッタリ決まる度数」を「完全」と呼び、「2種類の音程がある度数」を「長・短」で区別して呼ぶ、ということです。

 以上から、「度数」には、「長・完全・短」の3つの音程区分があるのではなく、「完全」1つの区分だけを持つ音程と、「長・短」2つの区分を持つ音程の2種類がある、ということです。
 逆にいえば、「長・短」で区別する必要のない音程を「完全」と呼ぶのです。
(ただし、上にも書いたように「ファ~シ」だけは特別な例外。これは「三全音」「悪魔の和音」などと呼ばれ、意図的に無視されている)
 なので「短4度」とか「長5度」という「概念そのもの」が存在しないということです。

 上記の石桁「楽典」にも、「完全系コース」と「長短系コース」は「別もの」として区別せよと強調されています。
 「理屈」ではなく、「そういう定義だ」と割り切るしかないのではないでしょうか。

 あまり良い例を思い付きませんが、電車の運賃で、ある駅からある駅まで、1つの経路しかない場合と、2つの経路がある場合とがあって、1つの経路しかないなら運賃は決まっていますが(これが「完全運賃」)、2つの経路がある場合には「高い方の運賃」(長運賃)と「安い方の運賃」(短運賃)の2種類が存在することになります。
 行き先の駅によって、「1種類の運賃だけの駅」と「2種類の運賃がある駅」に分かれます。
 同じ行先の駅でも、出発駅によって「1種類の運賃」か「2種類の運賃がある」かに分かれます。
 そこでは、1つの経路しかないところで「安い方(短運賃)の切符をくれ」と言っても、「そんなものありません」と言われるだけです。

 「長・短」と「増・減」の違いは、当然理解されていますよね?
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

自分の疑問の本質的なところが分かった気がします。
> 「ファ~シ」だけは特別な例外。これは「三全音」「悪魔の和音」などと呼ばれ、意図的に無視されている
これを無視せずに長短とすることはしないで、
無視して「完全」1つとみなしたのはなぜか?
という疑問だったことが分かりました。
調べると(三全音と一緒ですが)トライトーンなどのワードも引っかかってきました。

yhr2さん、Tastenkastenさんの回答を拝読して、
響きがきれいでないことから「悪魔の和音」とまで言われて
無視されたのだなと理解しました。

確かに、振動数比2:3で5度、振動数比4:5で3度の音を積み重ねて純正律を作ろうとすると、
Cに対するF♯は遠い位置にあって、振動数比も汚くなりますね。

>「長・短」と「増・減」の違いは、当然理解されていますよね?
増・減はwiki程度の
 長または完全より半音広い音程に増、2半音広い音程に重増という言葉を付けて呼ぶ。
 短または完全より半音狭い音程に減、2半音狭い音程に重減という言葉を付けて呼ぶ。
程度の理解しかなく、
正しい定義とかは知らない状態です。

お礼日時:2016/09/01 21:24

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