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ラヴェル唯一の弦楽四重奏曲の調性はへ長調です。
他の作曲家では、
ドボルザーク12番「アメリカ」
伝ハイドン17番
プロコフィエフ2番
ブリテン、リムスキー=コルサコフ
(ベートーベンは数が多すぎるので省きます)

前提条件が間違っていたら、質問が成り立たないのですが、へ長調と弦楽四重奏、あるいは弦楽器に何か関係性はあると思いますか?
(正解ではなくても、推論でもOKです。質問する側が正解かどうか判断出来ないので)

A 回答 (2件)

へ長調の曲はどちらかと言えば、浪漫的て、開放感に溢れています。


ベートーベンも、へ長は、多く作曲しましたが、超天才とはかけ離れた、彼の不遇による、憧れがかんぜられます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。そういえば、「田園」もへ長調でしたね。

お礼日時:2017/02/25 16:31

弦楽四重奏というジャンルは、古典から現代まで膨大な作品が書かれています。


主要な作曲家の作品表を網羅した辞典などで統計的にのみ見た場合、
ヘ長調が占める割合は比較的少ないと思います。
ベートーヴェンの場合は16曲中3曲がヘ長調なので、多い方だと言えますが、
もっとたくさん書いたハイドンやモーツァルトではそれほど目立って多くはありません。
挙げておられる曲以外にも、シューマンやチャイコフスキーなど、
書いた曲数が少ない作曲家に限ってヘ長調の曲があるのはちょっと不思議ですが、
ヘ長調の曲に特に名曲が多いとも言えないでしょう。

弦楽器がよく鳴るかどうかは、調弦と関係します。
ヴァイオリンが一番良く鳴るのはニ長調とされており、
多くのヴァイオリン協奏曲の名曲がニ長調もしくはニ短調で書かれているのはよく知られています。
ニ長調の主要三和音を考えてみれば、4本の弦が共鳴して楽器が鳴りやすくなり、
重音奏法のときに開放弦を活用できるチャンスが多くなるというメリットがあると言えます。

弦楽四重奏の場合は独奏ではないので、すでにハイドンの時代から
あまり特定の調への偏愛というのは見受けられません。
ただ、シャープやフラットがあまり多い調は選ばれないということはあります。
通常は、多くても4つくらいまでの調にとどまっています。

響きの豊かさと演奏技巧上の都合を考慮すると、
いずれかの解放弦の音を主音とする長調や短調、
もしくはそれらの並行調で書くのは理に適っていますが、
ヘ長調にも同じ観点から見て大きなメリットがあります。
すべての弦楽器が共通して持つD線とA線は、
ヘ長調の音階上の音で、Aは主和音の第3音、
Dは下属和音の第3音に当たります。
また、もっとも近い関係調であるニ短調ならば、どちらも主和音に含まれることになります。
ですので、音響的にも奏法的にもこれらの弦が生きてくるということがあります。
それに加えて大きなメリットは、ヴィオラとチェロの最低音であるC線を、
ヘ長調の属音という重要な音として生かせるということが大きいでしょう。
特に4つの楽器の中で一番低く、バスを支えるチェロの最低音を属音として活用できるため、
四重奏全体の音域を広く使えることになりますし、
属和音を使用するさいには、当然残りのG線も活用しやすくなり、豊かな響きが出せます。

ヘ長調で書かれた弦楽四重奏曲を見ると、やはりこれらの条件がメリットになっています。
特に、楽器法の大家であったラヴェルは、このメリットを十分生かし切る書き方をしています。
時代を下るほど、作曲家はこのような技法にたけてくるので、
プロコフィエフのヘ長調も非常に演奏効果が高くなっています。
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この回答へのお礼

大変詳細な回答を賜り、恐縮しております。
私自身は、弦楽器は弾けないのですが、バイオリンの解放弦のソレラミは、知識として持っていました。ですから、なぜニ長調の弦楽四重奏曲が主流ではないのかと。
ましてや、ラヴェルが選んだのがへ長調ですから。

ハイドンは、交響曲よりも弦楽四重奏曲のほうが違和感なく聞けるので、また使う調の少なさもあるのではないかと思っていましたが、スケール上の和音を考慮したのは、弦楽四重奏の編成に影響されているというのは、目から鱗です。

やはり、芸術は長いと感じました。それに比べたら、人生は短いですね。

お礼日時:2017/02/25 16:48

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