牛、豚、鶏、どれか一つ食べられなくなるとしたら?

今日の日経新聞に個人情報の持ち出しや売買を罰する法律はなく、それをもって窃盗などで処罰することができ無いので詐欺幇助罪が適用されたとありましたが、たとえば就業規則に定めておけば、社員による情報の持ち出し、漏えいを、会社が民事で争うことはできるのでしょうか?また就業規則に定めておけば損害賠償を請求することは可能でしょうか?
教えてください。

A 回答 (3件)

顧客情報の持ち出しについてですが、まず「情報」はモノではないので新聞記事にあるように窃盗で訴えることができません。


会社の備品である印刷物だとかフロッピーに情報を記録して持ち出したのであれば、持ち出した対象が物ですから窃盗にあたります。窃盗に該当しさえすれば、窃盗の被害は記録されている情報価値が正当に評価されますが、窃盗に該当しなければ、実質的な被害は同じであっても窃盗の構成要件に該当せず罪刑が適用できないという理屈になってしまっています。実質的な保護法益は紙切れやプラスチック片ではなくてそこに記録されている情報であるのだから、法律の欠陥と言えます。しかし刑法は拡大解釈・類推解釈を厳しく禁じていますので、法改正しない限り現状は刑事罰を問うことはできません。

民事訴訟は当然できます。
ただし持ち出した時点で訴えるためには、社内規定に持ち出しそれ自体を禁止するよう明記しておく必要があると思います。より明確にするには、入社時点で厳格に違反行為を記載した誓約書を入れてもらうべきだと思います。
もしそのようなものが無ければ、情報を持ち出しただけで損害賠償請求することは困難だと思います。現実に、会社に何らかの客観的に証明できる損害が生じなければならないと思われます。
例えば営業員などは顧客と親しい関係にある場合がありますが、退職した営業員が見知った顧客を元の会社から引き抜いたりした場合、会社にとっては明らかに損害ですが、顧客自身の意向で営業員についていったりすることもあります。この場合、会社は営業員に対して損害賠償請求することは難しいです。顧客の事由意思が尊重されるからです。場合によっては社内規定や誓約書などで禁止していても無効になることも考えられます。保険の外交員などは家族や知人を顧客にしますが、そういった営業員と密接な関係にある顧客まで会社の資産であるといって引き抜きを禁止するような契約が、果たして必ず有効であるとは言い切れません。(判例等があるか知りませんが。)

個人情報保護法は、会社にとってはこのような問題に対して厄介な法律です。
個人情報保護法は来年4月から民間会社にも適用されるようになりますが、この法律は会社の財産である情報を退職者などが持ち出した場合に不法行為を問うことができる法律ではありません。
情報の主体である個人が、自己に関する個人情報を保有している会社に対して管理責任を問うことができる法律なのです。
すると、会社が情報持ち出しの禁止を明らかにする規定を備えていなかった場合に退職者などが個人情報である情報を持ち出したとき、会社はそれが明らかになっても退職者等にその取扱いを制限したり返却・消去を求める根拠が無く、且つ当該個人情報の主体である個人から、同法によって管理責任を問う訴訟を起こされる可能性があるのです。
もちろんYahooBBのケースのように現に損害(顧客への謝罪金の支払い)が発生した後なら、それに対する損害賠償請求訴訟を起こすことはできますが、損害が発生しない限り予防措置が講じられないということになってしまいかねないのです。

諸問題を多角的に検討する必要はあると思いますが、いずれにしても法律は「情報」それ自体の価値をもう少し積極的に保護できるようにすべきだと思います。こんなだから昔から日本はスパイ天国と言われているんです。
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この回答へのお礼

とても詳しく教えていただきありがとうございました。
大変参考になりました。

お礼日時:2004/10/07 15:49

会社側にとっての防衛としては、就業規則等で定めておくことが、まず最低限必要な線だと思います。

民事で争えるためには、単に「禁止する」というだけではなく、文書等によって、持ち出し禁止対象となる情報を予め特定しておくことも重要です。さらに言えば、民事で争うのは二次的な手段であり、漏洩させないための従業員教育がまず必要だと思います。また、例えば秘密情報を家に持ち帰って仕事をすることを上司が黙認し、それが常態化していた場合、従業員個人の責任を問いにくくなるかもしれません。会社全体での情報管理の体制がなかったということで。

なお、上記は一般論であり、個別のケースについては弁護士等の専門家に相談されることをお勧めします。
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この回答へのお礼

参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2004/10/07 15:50

当時は、法律が無かった、ということだと思います。

これから個人情報保護法の運用が厳しくなりますので、就業規則にも罰則が盛り込まれるようにな会社が多くなると思います。
当然、賠償請求も可能となりますし、損害に対する保険も売り出されています。
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この回答へのお礼

参考になります。ありがとうございます。

お礼日時:2004/10/07 15:51

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