No.11ベストアンサー
- 回答日時:
NO10の方が、ほとんどいいたい事を述べてくださっています。
有難うございます。ただ、実務上は、賃借権に質権を設定する場合、債権者たる質権者は、賃借権を競売にかけることを考えているのではなく、自分が賃借人になる事、または自分が競売における賃借権の買主となる事を考えていて、質権実行としての、いわゆる「換価」は考えていない事が多いようです。ですから、そもそも、「換価」する事が目的なら、金銭債権ではない賃借権に質権を設定する事など考えない、と言うところが本当のところでしょう。ごく例外的に、債務者の財産が賃借権以外には無くて、債権者が渋々質権設定に合意した、等はあるかもしれませんね。とにかく、「実際上、賃借権に質権設定する事が、質権者にどれだけの実益があるのか?」と言う事と、「実体上(法律上)、賃借権に質権を設定できるのか?」と言う事とは、全く別問題である、と言う事です。何度か回答をお寄せ頂き本当にありがとうございます。
しかし、やっぱりこれは珍しい事例なんですね。
知人の親の土地には、最近大きな総合病院が建築されたばかりです。その建物には、土地の質権者が抵当権を設定しています。
もしそれが、実行された場合、その金融機関が賃借人になるか、もしくは、競売により建物とともに、土地の賃借権も売却されるということですね。
そもそも、知人から聞かれたことだったのですが、私自身もっともっと勉強しなくては・・・と感じました。本当にありがとうございました。
No.16
- 回答日時:
質問者さんに対する回答としては、他の方も述べていますが、賃借権に質権を設定することについて、不動産の所有権に対する質権等と同じような理屈で考えようとすると、どうしてもおかしいと思う事が出てきてしまうと思われるかもしれませんが、そこは割り切るしかないと思います。
法律とは、「妥当な結論」と言うものが先にあって、後からそれに見合う「理屈」を考え出したものであるために、全て理屈で割り切ろうとしても理屈で説明できないところもあるからなんです。ですから、賃借権に対する質権設定については、債権質に準じて設定可能である、と言う事を理屈ではなく、単に知っておくと言う事が必要かもしれませんね。No.15
- 回答日時:
自己訂正です。
NO14で「質権は嘱託で抹消されます。」は間違いで抹消されません。何故なら、例題では建物の競売だけで土地はその対象となっていないからです。
また、賃借権も同じ対象外なので考慮する必要はないです。
No.14
- 回答日時:
>知人の親の土地には、最近大きな総合病院が建築されたばかりです。
その建物には、土地の質権者が抵当権を設定しています。その実行とは、建物が競売(土地は競売となりません。=土地に抵当権がないから)となることで、その買受人は建物と同時に土地の賃借権も取得します。
質権は嘱託で抹消されます。(抵当権者と質権者が同一人で配当を受けるから)
なお、賃借権の登記は抹消されないと思います。(最順位の抵当権に優先するから)
No.13
- 回答日時:
>実は知人の親の土地を第三者に貸していて、その土地に第三者を賃借権者とする賃借権が設定されています。
>土地の賃借権を目的としている場合、具体的にどう考えればいいのかなと思いまして・・・
賃借権に質権があって、質権者に賃借権が移転しないで登記だけだとすれば、そして、債務不履行のときの実行が債権の実行が準用され換価できるとすれば、賃借権は債務名義によって差押が可能、そして、換価することができることになり、何だかへんです。
通常は、家主の債権者が、家主の賃借人に対する請求権を差し押さえるので賃借権を差押ているのではないので。
No.12
- 回答日時:
>債権の譲渡命令や売却命令による換価手続が定められていることを思い浮かべると分かりやすいと思います。
そうです。これも考えましたが物が物(不動産)だけに最初から不動産質と考えていました。
あと、現実にそのような登記があるとすれば、ozakim3さんの「具体的にどういう事なのでしょうか?」の回答は「登記をしているだけで賃借権を質権者に移転するのではありません。」となってしまいます。
また「金融機関に対する債務が消滅するまでその賃借権は金融機関が持つということなのでしょうか?」も「占有が移転していないので持っているとは云えません。」となってしまいます。
No.10
- 回答日時:
>でも「賃借権を目的とする・・・」はありませんでした。
香川保一編著「新訂不動産登記書式精義(中)」(株式会社テイハン)をご覧になって下さい。賃借権質権設定という登記はあります。もちろん、賃借権が登記されていること、その賃借権の譲渡・転貸ができること(賃貸人の承諾があること)が前提です。賃借権自体登記することはあまりないし、まして質権の登記をすることは滅多にないですから、マイナーな登記であることは確かですが。
>「質権を実行する」が具体的に何をどうするかがわかれば解決すると思います。
債権質の場合は、質権者には直接取立する権利がありますが、することができるのであって、その方法でしなければならないものではありません。また、質権の目的たる債権の性質上、取立による方法ができないならば、その債権を競売することになります。強制執行の手続きで、債権の譲渡命令や売却命令による換価手続が定められていることを思い浮かべると分かりやすいと思います。
この回答への補足
やはり、マイナーな登記なんですね。
事実、賃借権質権設定登記はすんでいます。
私は、法律を具体的に勉強してきた者ではないので、ピンとこない点もあるのですが、要は、質権が実行された場合、賃借権を競売により譲渡できるという理解でよろしいのでしょうか。
建物(病院)が競売により売却された場合、その土地を借りる権利も併せて移転できる道を質権を設定することにより確保した・・・っていう感じなのかなと・・・
No.9
- 回答日時:
その後、手元の「不動産登記総覧=新日本法規」を調べましたが、その中で「地上権を目的とする質権設定」を登記目的とした申請書の書式がみつかりました。
でも「賃借権を目的とする・・・」はありませんでした。
債務者が支払わないときは、債権者は地上権(物権)を目的としていますから、その質権の実行、つまり、競売すればよく、その買受人は地上権を取得できます。仮に賃借権ならばそれは債権なので競売ができないわけです。
ですから、今回の登記は何かの間違いと思います。
この問題を解決するには「質権を実行する」が具体的に何をどうするかがわかれば解決すると思います。
なお、債権質は、例えば、第三者振出の手形を債務者が所持していて、債権者はその手形に質権を設定して所持しておれば、債務者が支払わないなら債権者が第三者から直接取り立てることができます。それを「債権質の実行」と云うわけです。
No.8
- 回答日時:
質権者が質権を実行して、賃借人になる場合に、質権者にメリットがあるのか?という質問者の疑問ですが、それは問題の論点となりません。
なぜなら、債権者が質権を設定する際に、メリットがあると考えたからこそ、質権設定に合意したのであり、メリットがないと考えるのなら、そもそも質権設定など合意しなければいいのですから。それから、「知人の親の土地を第三者に貸している」と言っていますが、これは更地(建物がまだ建っていない)でしょうか?更地なら、質権を実行して賃借権を質権者が手に入れるメリットは当然あります。その賃借権に基づいて、土地に建物を建てられるわけですから。それから、その賃借権は「譲渡転貸できる」と言う特約があると言うことですから、質権設定時に賃貸人の承諾が不要となるため、質権設定のメリットは更にある事になります。No.7
- 回答日時:
おそらく建物には抵当権が設定されているのではないでしょうか。
その場合、賃借権にも従たる権利として建物の抵当権の効力が及ぶとされています。そうすると賃借権に質権を設定することは無駄のような気もしますが、賃借権が登記されていること(定期借地権か何かでしょうか。)から、賃借権質権設定登記がなされたのではないでしょうか。確かに判例では、賃借権にも抵当権の効力が及ぶとしていますが、登記された賃借権についても同様なのか判例の射程範囲が判然としません。また、登記された賃借権に限りませんが、建物が滅失した場合、抵当権が消滅しますが、建物については物上代位で処理できますが、賃借権に関しては無担保化になりますので、これを回避する意味で賃借権に質権を設定することは考えられます。借地権に抵当権がつけられないので、苦肉の策とも言えると思います。
このように通常、建物に抵当権が設定されているので、建物の抵当権の実行で賃借権も競売の対象になりますから、質権の実行をすることは実際は少ないのではないでしょうか。仮にするとしても、単独で実行するのではなく、建物と賃借権の一括競売をすると思います。
ところで、土地の賃借権に対する質権の設定には、土地の引渡しは不要とするのが判例(大判昭和9年3月31日新聞3685号7頁)ですが、地上権に質権が設定された場合、質権者に土地を引き渡す必要があり、地上権と区別する合理的理由があるか疑問があります。借地権の質権の法的性格(債権質の性格を重視するのか、不動産質の性格を重視するのか)が不明確であることは否めません。
この回答への補足
>おそらく建物には抵当権が設定されているのではないでしょうか。
そうです!
との土地には、最近大きな病院が建っていてその建物に抵当権が設定されていました。
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