プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

郵政民営化がすすめられていますが、郵便事業の効率化という建前以上に、政治的な意図があるような気がします。
小泉首相はどのような政治的ねらいを秘めているのでしょうか。

A 回答 (6件)

 一つには、旧田中派(現橋本派)に代表されるような


、国の財政資金(租税資金や年金資金)の配分権を握る
ことで、地方政府に政治的な影響力を行使しつつ、
地方政府の代弁者的役割を通じて国の政策決定に影響力
を行使してきた政治層の影響力を削ぐ、という目的が
あると言って良いと思います。

 自由民主党は、従来組織的な基盤を持つ団体(農協
や漁協などの地域利益団体や業界別の企業団体、
宗教団体など)の支持により政権基盤を確保して
いました。

 これに対して、社会党などは労働組合を基盤とした
労働組織への影響力を維持・確保する事で政治的に
対抗していました。両者に共通するのは、組織化
された政治層を基盤としている事でした。

 こうした団体(利益団体と表現されることがあり
ます)の支持に基づく政治は、社会的な勢力との
摩擦を回避することができるため、国の直接的な
統治コストを引き下げることができます。

 しかし、産業構造がサービス産業に変化したり、
それと平行して世代の価値観が変化し、政治的に組織
されない政治層が登場してくると、組織化された団体
をターゲットにする利益政治的手法で満足させる事が
できなくなります。いわゆる「無党派層」は、この
層(政治的非組織化層)に重なりあっています。

 小泉首相はこうした無党派層(社会的に組織された
団体に籍を置いていない層)を自身の味方につける事
を政治基盤としています。

 しかし、従来型の利益政治層は衰退したとは言え、
組織化された団体の支持を持ち、党内の部会を通じて
影響力を保持しています。

 首相の郵政民営化論や地方分権推進(税源の地方へ
の分与や譲渡)が、従来型の利益政治を基盤とした
権力を保持している政治層に対する政治的な攻撃の
色彩を帯びるのはこの為です。

 これと重なるいま一つの理由として、郵政民営化論
は、首相側の政治的な支持の繋ぎとめという意図も
あります。

 一般的に、組織的な支持者に対して、組織化されて
いない層の政治的支持は、特定の利益に結び付けられて
いない以上、移ろいやすくなります。

 また、組織化されていない層の政治に対する関心は
継続的なものでなく、何らかの事件が無い限り薄れて
しまうという側面があります。さらに、特定の利害に
拘わっていない以上、利害関係者に比べ政策自体に
関する関心は薄くなりやすくなります。

 このため、簡単に言えば、何かの、はっきり解り
やすいイシュー(問題)を発生させ、その解決をし
ているというスタンスをアピールし続けない限り、
政治的な支持を調達することは難しくなります。

 善悪の判断は別として、旧来の利益政治を基盤と
した政治指導者層は、こうした国民広範の支持・
不支持とは独立に政治的な決定を行うことができ
ました。

 しかし、小泉首相の場合は、そうした旧来の利益
層の破壊者を自認して政権基盤を得ている以上、
最終的な妥協があるにせよ、破壊者である、という
自身を姿を、わかりやすい姿で国民にアピールし
続ける必要が生じます。郵政民営化論はこうした
必要性からも政治的な議題にのぼることとなります。

 もちろん、経済的な効率性や組織的な効率性に
ついては別の論議が必要ですが、政治的な必要性
というご質問でしたので、それに絞っておきました。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

非常に論理的、明晰な説明ありがとうございました。
大分理解が深まりました。

お礼日時:2004/11/30 14:09

まぁ、現行法ですと「郵政の民営化等の見直しは行わないものとすること。

」と明記されてますから、自らが法を犯しているわけでして。
そういうのを首相自ら進めていくというのは、いかがなものかと。
意外と首相の職を辞めたがっていたりして?

○中央省庁等改革基本法
(郵政事業)
第三十三条  政府は、次に掲げる方針に従い、総務省に置かれる郵政事業庁の所掌に係る事務を一体的に遂行する国営の新たな公社(以下「郵政公社」という。)を設立するために必要な措置を講ずるものとする。
一  郵政公社は、第十七条第七号ロに定めるところによる移行の時に、法律により直接に設立されるものとすること。
二  郵政公社の経営については、独立採算制の下、自律的かつ弾力的な経営を可能とすること。
三  主務大臣による監督については、法令で定めるものに限定するものとすること。
四  予算及び決算は、企業会計原則に基づき処理するものとし、その予算について毎年度の国会の議決を要しないものとするほか、繰越し、移用、流用、剰余金の留保を可能とするなどその統制を必要最小限のものとすること。
五  経営に関する具体的な目標の設定、中期経営計画の策定及びこれに基づく業績評価を実施するものとすること。
六  前各号に掲げる措置により民営化等の見直しは行わないものとすること。
(以下省略)
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました。
法的な問題も残っているんですねぇ。

お礼日時:2004/11/30 14:06

政治的な意図というか、政治的な意地というか…。



小泉さんは昔っから道路公団と郵貯の財政投融資の関係をなんとか廃止できないかということを発現していたのですよ。
これは、ずっと無視されてきました。

道路族に郵政族に…。

しかしついにチャンスが巡ってきました。
首相になったのです。さらに公共事業に膨れ上がった借金、各種の金融改革の波という時流も味方して、自分の長年の政治的発言を実行することができるようになったのです。

まぁ道路公団や郵政の人たちが反対するのはあたりまえですし、ずいぶん穴だらけの改革案ではありますけども…。ついに、自民党の、「地方に金を引っ張る」「税金は自分のとこで使わなきゃ損」という政治にひびが入ったのは大きな成果です。
今、やらなければ借金は馬鹿みたいに膨らむばかりですからね。

田中・金丸以来の政治改革になるでしょう。

…成功すれば。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました。
まだこれからも色々ありそうですね。

お礼日時:2004/11/30 14:03

政治的狙いというか、つまり「金融自由化の足かせ」


を取り除くためでしょうね。わけのわからない国立大銀行が郵便の名の下にあるわけでしょう。それなくさないとアメリカだけでなく。世界から笑いものになるからです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2004/11/30 14:02

特定局局長会を敵に回したとしても、今まで、特定局局長から借り受けていた、局舎に対する家賃を払う必要がなくなるので、国の財源に余裕が生まれるのでは?



郵便局に納入される物品。
例えば、パソコン・FAX・電話機・制服などなど、今まで納入できなかった企業が納入する機会があると思いますので、そういった企業からは、応援されるのでは?
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました。
結局利権がからんでいるのですね。

お礼日時:2004/11/27 15:13

国民へのアピールに他ならないと思います。


だって特定郵便局長会は有力な支持母体です
から。彼らの機嫌を損ねてまで民営化するのは
もっとも大きな支持母体へのアピールだと
思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2004/11/30 14:00

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!