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中心静脈カテーテルの合併症とはどんなものがありえますか?カテーテル感染から、いろいろなものが複合して(院内菌、一般の風邪など)急激に重篤な合併症がおこりえますか?カテーテル感染による感染時の特徴、敗血症の特徴、カテ感染によるショックの特徴を教えてください。CRPは9,3でした。

A 回答 (12件中11~12件)

お気持ちお察しいたします。



 まず始めに、実際にお子さんを診察させていただいたわけではありませんのでこれから述べることはあくまで推測にすぎないということはご承知ください。

 今回は多臓器不全も起こしているようなのでかなり複雑な病態になっていて、その原因や流れを把握するのはなかなか困難だと思います。しかし最初に上気道症状→半日後に意識障害ということで単純に考えるならば、何らかのウイルス感染による感染症状+脳症が最も疑われると思いました。

 有名なのはインフルエンザ脳症なのですが、確定診断は髄液中からインフルエンザウイルスが検出されることによります。

 その他ウイルス脳炎の原因となるウイルスとしては日本では、単純ヘルペスウイルス、日本脳炎ウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルスなどが挙げられますが、原因不明なものが約8割にも及ぶとのことです(太田富雄 脳神経外科改訂第9版 金芳堂より)。

ウイルス性脳症→痙攣を起こしてさらに脳へのダメージが加わる→脳腫脹→遷延性意識障害・・・といった流れが考えられるのではないでしょうか。

>大腸菌が血液培養から

 血液培養という検査は、血液採取時に皮膚などの菌が混入しやすい検査です。1回の培養結果のみではなんとも言えないことも多いです。2回、3回と血液培養を繰り返しても同じ菌が検出されればその菌が本当に血液内にあると言えるでしょう。また細菌による敗血症であれば、通常は最初は白血球が増加すると思います。

>咽頭からMRSAの菌が検出

 MRSAは多剤耐性ではありますが、基本的には普通に皮膚に常在するブドウ球菌です。勿論医療者側はMRSAが蔓延しないようにあらゆる努力をする義務はありますが、実際には入院が長期にわたったり、抗生剤を使った治療を以前に行っていたりして体に耐性菌が生き残れば、MRSAやそのほかの耐性菌の検出率は高くなります。

 また、血液培養でMRSAが検出されていなければ、今回の臓器障害や脳症にMRSAは関与している可能性は低いと思います。

>IVHのカテは発症1ヶ月後まで、経口ができず、抗生剤を投与して抜去しないでいました。

 カテーテル刺入部に膿や発赤が疑われたり、細菌感染を疑わせる徴候(普通は白血球↑、CRP↑)などが無かったのでしょう。カテーテル感染の原因で最も多いのはカテーテル刺入時の操作中の細菌の混入です。つまり、新たにカテーテルを入れたり、あるいは入れ替えたりすることが最も感染のリスクとなるのです。また、お子さんの場合入れ替えは色々と大変ですから、現在入れているカテーテルに確実な感染徴候が認められない限りは入れ替えを行うメリットは少なかったと思われます。「試しに抜いてみる」という方法も無いわけではないですが、根拠のあるやり方ではありません。

>肺炎などの所見はなく(胸のレントゲンをとらなくてもわかるのですか?)

 肺炎があれば呼吸機能の悪化や、痰の増加、聴診所見、発熱などが認められます。レントゲンも重要な検査ですが、先にあげた所見があってはじめて行うべき検査だと思います。盲目的に画像検査に頼るという姿勢は逆に戒めなければいけないと私は考えています。

>各種のウイルス検査でも抗体検査からも原因菌はみつからず

 先にも述べましたが、インフルエンザ脳症の8割で原因ウイルスは同定されないとのことです。

>ただ白血球が3,8という値で(低い)のです。最高でも11,4です。

 基本的には細菌感染症であれば白血球数は増えると思います。「11,4」(おそらく白血球数11,400)のときは何らかの細菌感染も合併していたと思います。

 腰椎穿刺による髄液検査は行っていますか?それによって脳症が細菌性感染か、ウイルス性感染かの判断ができます。(しかし脳圧亢進時は腰椎穿刺は禁忌ですから、脳腫脹がみられたという今回は行っていない可能性もあります。)

この回答への補足

お忙しい中誠意ある回答ありがとうございます。
すべてがからんだ合併症というのは私の考えすぎでしょうか・・・単純な原因不明のウイルス性脳症なので仕方のないことなのでしょうか・・
11,4は発症3日目の採血データです。髄液検査では異常はなかったので脳炎ではなく脳症です・・と。
実は先日カルテを見ながら経過を再度説明してもらったのですが、間に外科医から神経内科に転科したので
内科医からの説明でしたが、急変する半日前(深夜1時頃)のカルテに「カテーテル抜去」って書いてあるけど抜いたの?って聞かれてびっくりしました。
夜中に抜去って?その時熱が41度に上がったとの記載もありカテ感染を考えて抜去したのか?それともやっぱり様子を見ようとやめたのを消し忘れたのか・・・(漏れなし?らしき追記もあり)でもどちらにしても、急変してから私が面会した時にはIVHのカテはいつものところに挿入されていてそこから再度(離脱テスト中でへパロックの状態でしたが)輸液が再開されていて、特に、抜いただの抜こうとしたとの説明はいっさいありませんでした。でも記載があることから明らかに何かの動きがあったのでは・・・と不信がつのるのですが・・・。咽頭培養でMRSAが見つかり、その部分に喉の炎症があって同じ部位ですが、それをどう上気道炎と診断するのでしょうか。特に咳や鼻水などの風邪症状がなかったので・・・風邪じゃなくてMRSAの発症所見として咽頭の炎症があったのではと素人的に思ってしまったのですが・・・IL-6がとても高いのも、MRSAの毒素性ショックでなるともネットで拝見して、不安や疑問がつのるばかりです。

補足日時:2005/01/23 14:24
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一般的には中心静脈ラインの合併症として以下のものがあります。



1.穿刺時(挿入時)
 ・動脈穿刺
 ・神経損傷
 ・空気塞栓
 ・不整脈(心筋刺激による、深すぎる挿入)
 ・胸管損傷(左鎖骨下静脈や稀に内頸静脈からの刺入でも)
 ・気胸(左右鎖骨下静脈からの穿刺、ごくまれに内頸静脈からでも)
 ・カテーテルのねじれや切断による血管内異物など

2.留置中のもの
 ・血栓形成
 ・右心房穿破
 ・感染

 感染の経路としては、

1.カテーテル挿入時の操作で菌が混入。
2.輸液回路の接合部や三方活栓から菌が混入。
3.カテーテル刺入部から菌が進入(この証拠は確定されていないらしいですが・・)。
4.重症患者では、血液の中をもともと流れていた細菌がカテーテルに引っかかりそこでコロニーを形成する。
 などがあります。

>カテーテル感染から、いろいろなものが複合して(院内菌、一般の風邪など)急激に重篤な合併症がおこりえますか?

 中心静脈カテーテルが入っているということは、何らかの重篤な病気がもともとあって経口摂取ができない状態です。したがってもともと患者さんの体の免疫力はかなり低下していると考えられ、その状態でカテーテルに菌が付着すれば、菌は増殖しやすく急激に全身感染症へと発展することはしばしばあります。

>カテーテル感染による感染時の特徴、敗血症の特徴

 カテーテル関連敗血症は普通、血管カテーテルを48時間以上留置した患者に原因不明の発熱が起こることによって明らかになります。カテーテル刺入部に発赤(これだけでは確定できない)や膿があればカテーテル感染が疑われるでしょう。確実に診断するにはカテーテル先端部を細菌培養して菌が検出されることが必要です。また、体の他の部分の感染の存在を否定する必要もあるでしょう。カテーテルを抜去して感染兆候が速やかに改善するようであればカテーテル感染の可能性が高いといえるでしょう。

>カテ感染によるショックの特徴

 敗血症性ショックとなります。肺炎などのもともとの感染症が原因であっても、カテーテル感染が原因であっても同じ病状を呈します。菌が循環血液中を巡ることに対して、白血球(特に好中球)が活性化されて顆粒を放出することにより、血管の内皮細胞が損傷されて、血管の透過性が亢進します。それにより循環血液量が減少して血圧が下がったり、炎症物質が血管外に流れ込んで体中の臓器障害を起こしたりします。また、菌によっては菌自体がエンドトキシンという毒性物質をもっており、それによっても病態を悪化させます。
 敗血症性ショックでは輸液に反応しにくいショックとなります。また通常のショックと異なり手足が暖かくwarm shockなどと呼ばれたりもします。

この回答への補足

回答ありがとうございます。丁寧でとてもわかりやすかったです。続けてもう少しお聞きしたいのですがお願いできますか?娘の場合、発症初日のばいようから大腸菌が血液培養から、咽頭からMRSAの菌が検出されました。初日は咳、鼻水などの風邪症状はなく、喉のみが炎症、発熱で「風邪」と診断されていました。半日後には意識障害が出現、原因不明の急性脳症と診断されました。でもIVHのカテは発症1ヶ月後まで、経口ができず、抗生剤を投与して抜去しないでいました。
肺炎などの所見はなく(胸のレントゲンをとらなくてもわかるのですか?)各種のウイルス検査でも抗体検査からも原因菌はみつからず、残ったのはやはり、
大腸菌とMRSAなのですが、これとの因果関係があるのかないのかとても気になったままです。何故医師は
41度の熱でCRPが9の状態で、8ヶ月留置している
乳児のカテを抜去しなかったのでしょうか・・・。
痙攣や意識障害が出ていても、IL-6という値が13900ととても高く出ていました。ただ白血球が3,8という値で(低い)のです。最高でも11,4です。
これは敗血症やショックのときに当てはまらない、敗血症、ショック状態ではないと医師から言われました。私には、娘は短小腸でしたが、経口摂取は行っていました。補助的に行っていたIVHを離脱して1ヶ月後に元気に退院の予定でした。離脱テスト3日目というのと院内で風邪が流行っていたのでそれの感染、MRSAや大腸菌がからみあって脳症という極めて重篤な合併症につながったのでは??と考えてしまうのですが、一般論からしてこういう経緯はありえますか?病院では原因はわからないし、追求はやめました。と言われ、両親としては何とか原因を追究したいのです。検査データのコピーもいただきました。(培養以外の)肝機能もGOTが6050という値にまで上がりました。予想できる範囲でいいので娘におこった状態を推測でもいいので教えていただけたらと思います。毎日頭の中をこれらの疑問がグルグルと回ってとても悶々として重度後遺症が残った娘を見ていると涙がでてきます。お手すきのときでいいのでよろしくお願いします。

補足日時:2005/01/23 10:01
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