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オイラーの公式は,私にはとてもむずかしいのですが,右辺が複素数の形をしているのはどのようないきさつがあるのでしょうか。それは左辺の方との関係なのでしょうか。

A 回答 (6件)

もともとべき乗というのは自然数に対して定義されたものでした.


(1)  a×a×a×a = a^4
というわけです.
では,a^(1/2) はどういうふうに考えたか?
そんなもの意味がないとするのも一つの考え方ですが,
なるべく合理的に拡張しようとするのが数学の常套的方針のようです.
で,指数法則
(2)  a^(m+n) = (a^m)×(a^n)
が(本来 m,n は自然数のはずでしたが)分数に対しても成り立つようにと
考えました.
(3)  m = n = 1/2
として話が合うためには
(4)  a^(1/2) = √a
と思えばよいわけです.
このようなプロセスで,正の a と有理数 x に対して a^x が拡張され,
さらに連続性から x は実数にまで拡張されました.

では,指数が虚数になった e^(ix) はどう拡張すればよいか.
いくつか考え方はありますが,kansai_daisuki さんが触れておられるマクローリン展開が
一つの手段です.
t を実数として
(5)  e^t = 1 + t + (1/2!)t^2 + (1/3!)t^3 + (1/4!)t^4 + (1/5!)t^5 + ・・・
(6)  sin t = t - (1/3!)t^3 + (1/5!)t^5 - ・・・
(7)  cos t = 1 - (1/2!)t^2 + (1/4!)t^4 - ・・・
ですから
(5)の t に形式的に ix を代入し実数部と虚数部に分けてみると
(8)  e^(ix) = cos x + i sin x
になっていることがわかります.

kansai_daisuki さんの
> xが整数であると限定すると
は何かの誤解と思います.

他には,加法定理を見る手もあります.
指数法則を尊重するなら
(9)  e^(ix + iy) = e^(ix) × e^(iy)
となるようにしないといけないわけですが,(8)のように選ぶと(9)の左辺は
(10)  e^(ix + iy) = cos(x+y) + i sin(x+y)
です.
一方(9)の右辺は
(11)  e^(ix) × e^(iy) = {cos x + i sin x}×{cos y + i sin y}
    = {(cos x)(cos y) - (sin x)(sin y)} + i {(sin x)(cos y) + (cos x)(sin y)}
となって,三角関数の加法定理を思い出せば,(10)の右辺と(11)の右辺は見事に一致します.
つまり,(8)の選び方は合理的である!

指数法則に重点を置くなら,後者の方がわかりやすいかもしれません.
マクローリン展開の知識も前提とはなりませんし.
実際,複素関数論のテキストでも,マクローリン展開で e^(ix) を定義しているものと,
(9)で定義しているものと,両方あります.

今まで e^x しか知らなかったとして,
新たに e^(ix) を考えるときにはどう定義したってよいわけですが,
指数関数には
(12)  e^(x+y) = (e^x)×(e^y)
という特筆すべき性質があるのですから,それを保つように拡張した,
というわけです.
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この回答へのお礼

ご丁寧に解説をいただきまして有難うございます。勉強させていただきます。

お礼日時:2005/03/08 14:15

e^(θ) = cos(-iθ)+i sin(-iθ) = cos(iθ)-i sin(iθ)


e^(-θ) = cos(-θ/i)+i sin(-θ/i)= cos(iθ)+i sin(iθ)

>e^(θ) - e^(-θ) = -2sin(iθ)
>⇔sin(iθ) = (e^(θ) - e^(-θ))/2

e^(θ) - e^(-θ) = -2isin(iθ)
⇔sin(iθ) = i(e^(θ) - e^(-θ))/2

よって、
cos(iθ) = coshθ ハイパボリック・コサイン
sin(iθ) =isinhθ ハイパボリック・サイン

でした。
と、ここまで書き終わった後に、回答を見ていたら、既に指摘していた方がいましたね。

siegmundさん:

 ご指摘、ありがとうございます。
最近、誤変換や等号のミスなど、書き損じが多くなりつつあり、気をつけたいと思っているところです。
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この回答へのお礼

講義録のノートを書き換えて勉強させていただきます。

お礼日時:2005/03/09 09:10

siegmund です.



No.4 の kansai_daisuki さん:
> e^(θ) - e^(-θ) = -2sin(iθ)
> ⇔sin(iθ) = (e^(θ) - e^(-θ))/2
>
> よって、
> cos(iθ) = coshθ ハイパボリック・コサイン
> sin(iθ) = sinhθ ハイパボリック・サイン
のところは

e^(θ) - e^(-θ) = -2i sin(iθ)
⇔sin(iθ) = i (e^(θ) - e^(-θ))/2

よって、
cos(iθ) = coshθ ハイパボリック・コサイン
sin(iθ) = i sinhθ ハイパボリック・サイン

ですね.
書き損なわれたのだと思いますが,
批評がましくて失礼しました.

> 何故ならば、指数関数のほうが一般的に計算が楽らしいのです
三角関数より指数関数の方が単純ですからね.
e^(x+y) = (e^x)×(e^y)
ですが,三角関数の加法定理はもう少し複雑です.
例えば,
(1)  sin x + sin 2x + sin 3x + ・・・ + sin nx
のようなものを考えるとき,
そのままやりますとちょっと工夫を必要としますが,
(2)  e^(ix) + e^(2ix) + e^(3ix) + ・・・ + e^(nix)
なら等比級数の和の公式ですぐに求まります.
こうしておいてから,両辺の虚数部をとれば,
特別な工夫を必要とせずに(1)を求めることができます.
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この回答へのお礼

このレクチュアも聴講させていただきます。

お礼日時:2005/03/09 09:08

余談ですが。



e^(iθ) = cosθ+i sinθ
より、
e^(θ) = cos(-iθ)+i sin(-iθ)
= cos(iθ)-i sin(iθ)
e^(-θ) = cos(-θ/i)+i sin(-θ/i)
= cos(iθ)+i sin(iθ)
ここから、
e^(θ) + e^(-θ) = 2cos(iθ)
⇔cos(iθ) = (e^(θ) + e^(-θ))/2

e^(θ) - e^(-θ) = -2sin(iθ)
⇔sin(iθ) = (e^(θ) - e^(-θ))/2

よって、
cos(iθ) = coshθ ハイパボリック・コサイン
sin(iθ) = sinhθ ハイパボリック・サイン
という表現を定義したりという展開もあります。

 このように三角関数表記を指数表記に変換できるというだけで、かなりの自由度が利きます。
 何故ならば、指数関数のほうが一般的に計算が楽らしいのです。(「なぜ?」とは、私には聞かないでください。先人の方々の経験なので、私には分かりません。。。経験則かな?他の方なら知ってるかも。)
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この回答へのお礼

私にはバーチャルユニバーシティのレクチュアです。

お礼日時:2005/03/09 09:06

e^(ix)=cosx+isinx



 オイラーという人が証明した等式であり、xが整数であると限定するとマクローリン展開という手法でカンタンに展開できるのですが、実数であると難解です。

 また、オイラーの公式は、導いたというようなものではなく、上記の左右の式における展開式が(偶然か必然かは知りませんが)同一であったということから等式が成り立ったというものです。

 右辺が成り立っているのは、単位円上の座標を考えます。cosxが横軸、sinxが縦軸です。このような座標の考え方とその有効性については、複素関数という数学分野を知ればよく分かるでしょう。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A4% …
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この回答へのお礼

ご教示有難うございます。展開式が一致している理由というのが,確かにあるということだけで満足できるのですが(理解できなくても・・・)

お礼日時:2005/03/08 10:56

「オイラーの公式」, 「右辺」, 「左辺」とは, それぞれ何を意味するのですか?

この回答への補足

左辺はe^(ix),右辺はcosx+isinxのつもりでいました。これでよろしいでしょうか?

補足日時:2005/03/08 10:01
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