アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

抵当証券が発行されている場合において,登記された債務者の氏名若しくは名称又は住所に変更・更正が生じたときは,その変更・更正の登記は,債務者が単独で申請することができる(64条2項)。

抵当証券は裏書譲渡によって転々譲渡されることが想定されているところ,債務者が,抵当証券の所持人は誰なのか分からない事が多いことから,債務者による単独申請が認められている。よって,抵当証券の提供は不要である。


なぜ、義務者(設定者)の単独申請ではないのですか?

A 回答 (1件)

所有者=債務者とは限らないからです。



債務者は,自分の住所や氏名の変更についてはよく知っています。変更の態様も,その時期についてもです。
それは自分自身のことだから当然で,その変更を証する書面(=登記原因証明情報になる)の取得だって簡単です。

ですが担保提供者=債務者ではない場合,その担保提供者(物上保証人)は債務者ではないので,債務者についてそのような変更があった事実やその時期を知らないことがあります。
債務者の債務不履行があった場合,物上保証人は損害を受けることがあり,その求償の問題もあります。債務者がそのようなことを物上保証人に知らせないのは不誠実ではありますが,債務者と物上保証人との間に保証委託契約があり,そこで通知義務が定められていればまだしも,そうでなければ債務者にそれを(法的に)強いることはできません。物上保証人が債務者の住所などの変更を知らないということはあり得るのです。

そして抵当証券発行済みの抵当権の債務者には,債務者の住所や氏名の変更登記を受けるメリットがあります。
主に抵当証券法28条の問題なのですが,債務者の住所変更の事実を抵当証券の所持人にわかるようにしておかないと,そのせいで抵当権が実行されてしまうリスクが,普通の抵当権以上にあるんです。
だから抵当証券が発行されている場合に限って,債務者の単独申請により,債務者の表示の変更登記ができるようになっているんです。

こういう背景を知れば,なるほどと思うのではないでしょうか。
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!