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最近の事故の話です。、セガの遊具で、内部マニュアルに従って、ベルトを付けさせずに遊具に乗せた現場担当者は、
(1)この場合、過失致死に問われるのでしょうか?
(2)また、この上司が過失致死の教唆犯もしくは間接正犯ということになるのでしょうか?

A 回答 (7件)

No.5の方のご説明で尽きると思われますが、蛇足ながら私の観点からも説明させていただきます。

なお、今回の事故において、問題となっている施設がどのような管理体制をとっていたのか、わからないので、多少抽象化してお話をさせていただきます。

>つまり上司が、業務上過失致死の間接正犯で、現場係員は、責任なしの無罪という考え方でしょうか。

まず、いわゆる過失犯では、「注意義務」に違反したかどうか、ということが問題となります。この「注意義務」(その中身をどのように理解するのか、実は理論的には争いがあるのですが、ややこしくなるため、ここでは要するに「問題となっている事故をおこさない義務」くらいに理解しておきたいと思います)は、責任を問われうる人の立場によって、異なりえます。
一番端的なのは現場の係員です。現場の係員は、事故がおきないように、客に安全装置の適切な装着ないし使用をさせる義務がある。もし、客が装着等できなければ、断る義務がある、などという形で、比較的明解に義務を設定し、吟味することが可能でしょう(なお、No.5の方が指摘されるように、アルバイトの係員の責任を追及することは、難しいと思います。通常は、社員の言うことに従うのみでしょうから。もっとも、「難しい」というだけで、もし、アルバイトの係員にも注意義務があったと認められ、かつ義務違反があったと認められれば、罪に問われ得ます。あくまで理論上は可能性がある、ということですが)。
次に、現場を統括する責任者、たとえて言えば営業所長といった立場の人は、現場の係員のこれらの義務が適切に果たされているかどうかを監督する義務を担っていると考えることが可能でしょう。さらに、上層部(本社など)でマニュアル等が作成されていたなどしていた場合、こうしたマニュアルをきちんと実践していたかどうか、も問題となりえるでしょう(監督過失、といわれるものがこの問題にあたる、と考えられます)。
それから、こうした現場責任者よりも上の人、たとえて言えば本社の責任者などといった立場の人は、そもそも施設等を安全に設計したといえるのかどうか、あるいは現場が安全を確保できるように適切な運営を行っていたかどうか、といったことが問題となると考えられます(管理過失、などといわれるのが、この問題に相当すると考えられます)。

注意していただきたいのは、これらの義務は、それぞれの立場について検討される、ということです。換言すれば、それぞれの立場にあった者が、それぞれの立場において果たすべき注意義務を本当に果たしたのか否か(あるいは、その立場にあった者に、当該事故を防ぐ義務がそもそもあったといえるのか否か)といったことが検討されるわけです。その意味で、それぞれの立場の者が、過失犯の「正犯」となりうるわけです。間接正犯というわけではないと思われます。付言すると、間接正犯というのは、No.5の方のご指摘なさるところですが、故意犯で問題になる概念です。あるいは過失犯にも応用可能なのかもしれませんが、仮にそうであったとしても、既に答えさせていただいたように、過失犯では個別の注意義務の存否の問題に回収されるはずですから、議論の実益はあまりないように思われます。

従って、以上に述べましたように、本件の場合、検討すべきは、それぞれの立場がそれぞれの立場で事故を防ぐべく注意を怠らなかったのかどうか、という点にあると思われます。
ですから、マニュアルがあり、かつ、営業所長も適切に監督を行っていたという場合に、たまたま現場の係員が独断的に判断して安全装置等の装着などを怠った、という場合には、現場の係員のみ、責任を問われうる、という事態が想定されます(つまり、現場の係員のみ業務上過失致死罪に問われ、他は罪に問われない)。
ただ、報道されているような、現場における運用マニュアルが存在していたとすれば、現場の係員のみが責任を問われる、という事態が、少し考えにくいと思われます。

少し長くなりすぎましたので、最初のご質問に即してまとめますと、
(1)現場の係員は、業務上過失致死罪に問われる可能性があります。
(2)問題の施設の直接の責任者や本社等でそれを統括していた部門の責任者などが、それぞれ業務上過失致死罪の正犯に問われる可能性があります。
ということになります。
参考にしていただければ幸いです。
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この回答へのお礼

とても詳しく説明していただき、どうもありがとうございます。

お礼日時:2005/04/25 23:52

また、失礼します!


n-netです。
補足を見ました。

「そもそも過失致死の教唆犯とか過失致死の間接正犯というのは、成立するものなのでしょうか?」

との質問ですが、私の説明不足でした。
あなたのいうとおり、教唆犯や間接正犯は、過失犯には、成立しないと思います。

しかし、上手く説明できませんが、例えば上司が部下に対し、相手を殺すようにしむけるとかした場合は、単なる過失致死では、なく!
殺人罪等の別罪を構成します。

ようするに、上司は、殺人罪の教唆犯や間接正犯になるということです。

しかし、こうなってくると、今度は、上司と部下の共謀関係等の問題にもなってしまうので、この辺で、勘弁して下さい!
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過失犯には、教唆や幇助という概念はありません。



教唆も幇助もそれぞれ故意(結果発生の認識)が必要ですが、過失(結果発生の認識がない)の場合には、うまく適用できません。

上司が、上司としての、結果回避義務を果たしていないなら、上司自身が、業務上過失致死の正犯です。

本件の場合、遊具の係員と責任者のうち、直接対応していた係員(アルバイトでしょうが)は責任者の指示にしたがっていただけで、その指示に反してまで行動することが期待できないので、結果回避義務があるとは言えないでしょうね。

ベルトをつけずに運転してもよいと判断した責任者は、やはり、危険性を認識して結果を回避する義務があるでしょうから、過失ありだと思います。

それ以上の上司については、No.3 さんのように、それぞれに注意義務や結果回避義務違反がなかったかどうかが問題になります。

この回答への補足

>>上司が、上司としての、結果回避義務を果たしていないなら、上司自身が、業務上過失致死の正犯です。遊具の係員と責任者のうち、直接対応していた係員は責任者の指示にしたがっていただけで、その指示に反してまで行動することが期待できないので、結果回避義務があるとは言えないでしょうね。


つまり上司が、業務上過失致死の間接正犯で、現場係員は、責任なしの無罪という考え方でしょうか。

補足日時:2005/04/24 01:50
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(1)この場合、過失致死に問われるのでしょうか?



この場合は、業務上過失致死に問われる可能性が高いと思います。
危険を伴う乗り物は、現場担当者がシートベルト等の安全をチェックする義務があるのでは、ないでしょうか?
ちなみに、交通事故を起こして相手に怪我をさせた場合も、業務上過失致(死)傷に問われます。

(2)また、この上司が過失致死の教唆犯もしくは間接正犯ということになるのでしょうか?

教唆犯や間接正犯という言葉が出てくるのですから、ご承知のとおり、上司が、その行為を命令したり、教唆したりすれば、問われると思いますが、それらのことを証明できなければ、ダメでしょう?

しかし、内部的な処分は、上司に与えられる可能性は、充分あるのでは?

この回答への補足

そもそも過失致死の教唆犯とか過失致死の間接正犯というのは、成立するものなのでしょうか?

補足日時:2005/04/22 00:36
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報道内容を前提にして考えた場合、


(1)現場の担当者は、業務上過失致死罪に問われる可能性があります。
(2)「上司」の範囲によりますが、たとえば問題となった施設の長や、さらに上層の、管理を担当する責任者などが、業務上過失致死罪に問われる可能性があると考えられます。いわゆる監督過失ないし管理過失、という考え方です。すなわち、直接結果を発生させる過失をした者を監督すべき立場にあった者について、その過失を防止すべきだったことを理由に、責任を問う、という場合があり得ます。
過失犯そのものの教唆行為や間接正犯、つまり過失犯を教唆したり過失犯の間接正犯となったりする、ということは、少し考えにくいでしょう。仮に、落ち度を教唆する、というのあれば、先に述べた監督過失に吸収されるでしょうし、行為者の落ち度を利用した、というのであれば、その上司は端的に故意犯の間接正犯になるのではないかと考えます。

参考にしていただければ幸いです。
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現実問題として 死人がでた以上誰かが責任をとる


必要があるでしょう。
私も太っているので あまり言えませんが
絶叫系の乗り物で ウエスト何センチ以上の人は
乗れません というような但し書きは見たことないですよね?
年齢や心臓病、身長などで制限してるのはよく見かけますが。
仮にウエストで制限をかけたら遊びに来ていて「人間として否定」
された感じを受け たいへん落ち込む結果になるでしょう
太ってる人にとっては。

今回の人は聞くところによると足が不自由だったそうで
今までベルトが締められなかった人でも 足で踏ん張れば
肩からの装置だけでも通常大丈夫であったという実績が
あったための運行で 予見は厳しかったであろうと
思います。
でも 安全装置としてあるものを使わず運行したのは
事実ですから マニュアルに不備があったものとして
現場の責任者より 会社としての管理責任の方が
大きい事案だと思われます。
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1、はい



2、はい
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