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微生物(細菌)の分類法について質問です★


それぞれの分類階級は何に基づいて分類されているのでしょう?


構造や塩基配列、生化学的性質によって分類されているとは聞きますが、
実際に『綱』は○○に基づいていて、『科』は○○に基づいているというふうに具体的に知りたいです。

特に『綱』について知りたいのですが、知っている方いらっしゃいましたら教えてください(><)!

または、それが検索できるサイトや書籍の紹介をお願いします!

A 回答 (5件)

細菌としたほうが検索に当たりやすいかと思います。

以下は下記URLを参照にしてください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E8%8F%8C

基本的に属が細菌においてもっとも重要であり、それ以上大きな科、目、綱、門、界、ドメインについてはなお議論の余地があるところです。古くなったとはいえ依然グラム染色で染まるか染まらないか、嫌気性か好気性か、球菌か桿菌か、が大切であります。

また#2の方のような「すべての生物は境界なくつながっていて、かつ、すべてが別の生物でということを忘れないでください」という意見は学問的に意味があるとは思えません。実際に微生物学に分類学というものが存在しますので(これ専門の国際雑誌もあります)、この学問自体を否定することは#2さんに可能でしょうか?

==============
微生物の分類のパラメータとしては、以下のようなものがあげられる。

* グラム染色(陰性か陽性か)
* 構造的あるいは解剖学的性質(直接観察)
* 生化学的性質(脂質の構造など)
* 生理学的性質(最終電子受容体など代謝系)
* 生態学的性質(生育環境、他微生物や宿主との相互作用など)

特に、微生物は動植物においては最も重要な構造的解剖学的性質の決定が困難なために(個性を見出すことが困難なために)3つの機能的属性に依存して分類が行われる。

グラム染色法はその細胞外マトリクスへの取り込み機構は明らかになっていないが、明らかにグラム染色以下の形質を繁栄(juns777注:反映の間違いと思われる)するために現在でも有用なツールのひとつである。

また近年の分子生物学的発展に伴い、適用の難しかった数値分類学的な(いわゆる客観的な)分類法が重要になってきている。特に16S rRNA系統解析やDNA - DNA分子交雑法といったメソッドは新種認定のための必須事項である。塩基配列決定が困難であった時代はGC含量によって大まかな分類が可能と考えられてきたが、現在でも重要なデータであることは確かだが、含量によって分類以外の特徴を示すことができない。

栄養的分類
(略)

<命名と分類単位>

命名は基本的にリンネの二名式命名法に従って行っている。微生物においては特に属名および種名が基本の呼称とされる。分類には属以上の単位として科、目、綱、門、界、ドメインなどが与えられているが、属の割り当てが微生物の中では最も重要である。属以上の分類単位はあくまで他の微生物の相対的地位であり、生物そのものの表現型を示すものではない(微生物はそれほどまでに多様でいまなお分類は混乱している)。

したがって、属以上の分類単位を個々の微生物に適用する試みは困難かつ失敗を招いてきた歴史があり、現在では細菌を『群』(group)に分け、そこから属レベル(中には目、科レベルでの分類も必要だが必ずしもそうではない)の分類を行う方法が主流である。群による分類法も絶対的なものではなく亜群 (sub group)を当てはめるなど改変を迫られている。
上記の分類法に基づく主な分類群は以下のとおりである。

* B.1:グラム陽性高GC含量細菌
o
+ 放線菌目(Streptomyces griseus:ストレプトマイシン生産菌)、ミコール酸含有放線菌群(Corynebacterium diphteriae:ジフテリア菌)、放線細菌(Bifidobacterium:ビフィズス菌)、その他の放線菌
* B.2:グラム陽性低GC含量細菌
o
+ 無胞子球菌(Staphylococcus aureus:黄色ブドウ球菌)、無胞子桿菌(Lactobacillus:乳酸桿菌)、内生胞子形成桿菌および球菌(Bacillus subtilis:枯草菌、納豆菌、B. anthracis:炭疽菌、Closridium:破傷風菌)
o グラム陽性低GC含量光合成細菌
o マイコプラズマ類
* B.3:プロテオバクテリア綱
o αプロテオバクテリア亜綱
+ 好気性グラム陰性桿菌および球菌(Rhizobium:根粒菌、Agrobacterium:根頭癌腫病菌-植物への形質転換に用いられる)、通性嫌気性グラム陰性桿菌、出芽細菌、光合成細菌、リケッチア目(Orientia tsutsugamushi:ツツガムシ病リケッチア)
o βプロテオバクテリア亜綱
+ グラム陰性好気性桿菌または球菌、有鞘細菌、アンモニア酸化細菌、紅色非硫黄細菌II
o γプロテオバクテリア亜綱
+ 好気性桿菌または球菌(Azotobacter:窒素固定菌)、その他(Pseudomonas aerginosa:緑膿菌、Thiobacillus ferroxidans:鉄酸化細菌)通性嫌気性桿菌(Escherichia coli:大腸菌、Salmonella typhi:チフス菌、Shigella dysenteriae:志賀赤痢菌、Vibrio cholerae:コレラ菌、V. parahaemolyticus:腸炎ビブリオ)、紅色硫黄細菌、滑走細菌
o δプロテオバクテリア亜綱
+ 粘液細菌、硫酸還元菌
o εプロテオバクテリア亜綱
+ Campylobacter、Wolinellaなど
* B.4:バクテロイデス-フラボバクテリウム類
* B.5:ダイノコッカス-サーマス類(Deinococcus radiodurans:耐放射性細菌、Thermus aquaticus:PCR用のTaqポリメラーゼ資源)
* B.6:プランクトマイセス、クラミジアおよび関連細菌
o
+ 出芽細菌、クラミジア目(Chlamydia trachomatis:トラコーマクラミジア)
* B.7:スピロヘータ類
o スピロヘータ目(Treponema pallidum:梅毒トレポネマ)
* B.8:緑色硫黄細菌
* B.9:緑色非硫黄細菌
* B.10:シアノバクテリア(藍藻)
o
+ クロオコッカス目(Microcystis:アオコ)、プレウロカプサ目、ユレモ目、ネンジュモ目(Nostoc:ネンジュモ、Anabaena:アナベナ藻)、スティゴネマ目、プロクロロン目
* B.11:分子系統樹において深い分岐をしている細菌
o
+
# Aquifex、Thermotoga、Hydrogenobacterなど(超)好熱性水素細菌
* B.12:その他/分類位置不確定細菌

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以上のようになっております。とくに命名と分類単位のところをご理解いただけますと、お分かりいただけるかもしれません。生物の分類について下記URLもご参照ください。とくに真正細菌の位置やドメインとの関連にご注意ください。

微生物学の分類学は専門ではありませんが、感染免疫が専門の一分野であり一応専門家とさせてもらいます。ご参考になりましたら幸いです。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E7%89%A9% …
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#3です。


haru84さん、大変興味深いお話ありがとうございます。

分類学について、私見を少々。生物の分類は博物学的な形態と遺伝子の多様性との間にあるのだと思います。確かに多くの遺伝子が種を超えて保存されております。微生物、細菌の分類に関してはとくに問題が大きいものと思われます。

ご質問者の意図した答えとは違うかもしれませんが、細菌はきれいに分類し切れていないため非常に覚えずらい分類になっていると思われます。どちらかというと大きなほうから分類できているわけではなく、一つ一つ属を覚える、という形になってしまいます。

以前、ヒトの遺伝子多型SNPの研究をやったことがあります。ヒトがヒトとしていられるのはチンパンジーと比べても、ほんの少しの遺伝子の違いです。種としての独立性については、生命倫理も含めて(ヒトに遺伝子操作は可能か、その場合ヒトという種の独立性が保てるか、など)今後も問題となるでしょう。

色とりどりの木々、多くの動物、顕微鏡下で見える細菌、これらを「みなひとつの生命だ」と考えることも美しいでしょう。一方、「一つ一つには名前があり、違いがある」ということも生命の深遠さを垣間見たような気はしないでしょうか。私は、ニュートンが言ったように、真理の海原の前できれいな貝をひろっては喜んでいる子供のようなものです。科学者としてはただ真実の大きさに圧倒されるのみです。

ご参考になりましたら幸いです。
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juns777様、No.2です。

参考になる回答ありがとうございました。

私の個人的な心象が多分に含まれていたこと、申し訳ありませんでした。

以前、16S rRNAによる系統解析に関わっておりましたせいで、個人的な考えを述べてしまったかもしれません、改めて謝罪いたします。

16S rRNAをコードする領域の属間での類似性はおおよそ97%前後と思います。機能的制約から、その違いはRNAのループ部分に集中するのではないかと考えています。ステムやRNA全体の構造は大きくは変わらないと思います(確証はありません)。しかし、細胞の生理が、rRNAでの分類と良く相関することは知られており、16S rRNAはPCRによって検出しうる、簡便で強力なツールとなりました。

そのような中で、ふと思いましたのは、数々の指標によって生物の多様性を論じることに、どのような意味があるのか?ということです。類似度は様々だけれども、多くは相同であって、同じ遺伝子を共有し、使いまわしているという事実は、微生物のみならず、生物の本質であるようにおもいますし、近年の分子生物学の成果であるように思ったからです。さらに、水平伝播もありますし、いっそうボーダーレスな世界であるように感じます。

反論ではございませんが、かつての思いを書いてみました。改めて御礼申し上げます
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分類は、昔からのおおざっぱなものを、現代風な遺伝子での分類に直す作業が行なわれており、今も進行中なので、一部混乱を招くところがあるようです。



科までは基本的に遺伝子が似ているかどうかで決まると思います。遺伝子といっても色々あるのですが、分類に適した遺伝子があって、普通はそれを比べます。
属レベルになると、もっと具体的な性質や特徴的な性質で分けているようです。例えば病原性や共生や特殊能力など。微生物での門は例えばFirmicutes門はグラム陽性の分類です。その中の綱は、門と目をつなぐ分類というしかなさそうですね。遺伝子での類似性と、ある程度の性質に基づいていれば、発見者の意見と審査官の意見で勝手に?決まってしまうものです。

微生物ではちょっと馴染みがないので、ヒトの例をあげると、Metazoa界、Chordata門、Craniata亜門Gnathostomata超綱、Mammalia綱、Euarchontoglires超目、Primates目、Hominidae科、homo属、sapiens種となります。。まあ、その間にもさらにいくつも分類がありますので、かなり難解です。これを微生物で考えるのは、‥‥相当困難だと分かりますよね?

しかしです、よく考えて見てください。生物の進化には、時間的な区切りがないのに、都合をよくするために強引に区切りをつけているだけなのです。ですから、進化という無分類を分類するということは実はナンセンスなことです。すべての生物は境界なくつながっていて、かつ、すべてが別の生物でということを忘れないでください。
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たまたま最近読んだ分類学の本(『動物分類学の論理』馬渡俊輔著 東京大学出版会)


にあったのですが、
タクサ(複数の種のまとまり)に階級名をつけるときには、
「上下関係」と「隣のタクサ」との「バランス」が考慮されることと、
「科より上に属を持ってきてはいけない」という上下関係が考慮されるだけで、

「タクサの認識も階級の決定も本質的には任意である」(同書61p)

と、ミもフタもないことが書いてありました。

具体的な細菌分類については詳しい人が説明してくれるでしょうが、
分類学としてはそういうことらしいです。
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この回答へのお礼

すぐに回答くださってありがとうございます♪(>▽<)
色々と文献やネットなど覗いてみたんですが、どうも上手く調べられなくて・・・

また自分でもがんばってみますね★

ありがとうございました♪(・▽・)

お礼日時:2005/06/15 16:38

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