No.7ベストアンサー
- 回答日時:
有機に限らず、物質名などは、生物の学名に当たるような基準となる言語
はありません。部分的にはギリシャ語やラテン語から造語するものもあり
ますが。IUPAC をあげておられる方がいますが、質問にあるような糖類は
古くから発見・命名され、多くがその慣用名を追認されたものです。
( xylitol は、IUPAC 名では 1,2,3,4,5-pentanepentol のようになります。)
ところで、質問は、糖類、特にキシリトールが何語かということですが、
何語で最初に使われたかでしょうか、それとも日本語名の直接元になった
言語でしょうか。
glucose は1838年にフランスで造語され1840年に英語でも使われてます。
fructose は、1864年に英語で造語されてます。
(Ribose は1891年ドイツ語、1892年英語)
その後、1880年代にはドイツのエミール・フィッシャー Emil Fischer により
単糖類の分析と構造を詳細に研究し糖化学とよばれるようになりました。
xylitol もこの頃、フランスとドイツでほぼ同時に発見されてます。
ただ、xylitol の元の xylose は、手元に資料がなくわかりません。
また、glucose → gulose , xylose → lyxose のように構造が逆で綴りを逆に
して安易に名づけられたものもあります。
これらの専門用語は、長く文化を蓄積した一般の外国語単語を輸入したものと
違ってヨーロッパでは、数年で広まってますから、ヨーロッパのどの言語かは
重要でないかもしれません。
日本語名ですが、Natrium ナトリウム, Kalium カリウム, Katalase カタラーゼ
のように、ドイツ語綴り・発音をベースにしたものもありますが、糖類を含め
英語・フランス語の綴りに独自のローマ字読みを当てたものも多くあります。
糖類の -ose はフランス語[オーズ]、ドイツ語[オーゼ]と発音し、どちらとも
違いますが、しいていうなら、フランス語・ラテン語に近いカナ転写でしょう。
xylitol →キシリトール ですが、綴りごとのカナ転写規則は決まってませんが
xylene キシレン・ xenon キセノン などの古くからのものと合わせたのでしょう。
カナ転写規則が決まってない例として、古くから知られる cumene クメン に対し、
1964年に合成の cubane キュバン(英語音は[キュベイン]が近い)の cu のように
少し変化したのもあります。また、dioxane ジオキサン、dioxine ジオキシンですが
polychlorodibenzodoxine ポリ塩化ジベンゾジオキシン→ダイオキシン(一般俗称)。
なお、キシリトールは、フィンランド語では koivusokeri または ksylitoli です。
また、ドイツ語では、Xylitol より Xylit [ク(キ)シリット] が一般的です。
参考URL:http://cicsj.chemistry.or.jp/14_5/hata.html
この回答への補足
回答ありがとうございます。
国際ルールではなく、それができる前に発見され、発見者などがつけた名前を(正式名として)あとから認めたということですか。なるほど。
おおもとの"xyl"はそうだとしても、-ose → -itol というようなルールはあるわけですよね。
maltose … maltitol
mannose … mannitol
xylose … xylitol
これは国際的なルールがあるといっていいのでしょうか。
また、日本語名について知りたいのは、つまるところ例えば「キシリトール」というつづりは誰がどうやってつけたの?ということです。
日本においては「キシリトール」が正式名です。それはだれが正式と決めたの?ということです。
前の方の「日本語による化合物命名の原則」によって、xylitol→キシリトールという表記ルールみたいなものが決まっていて、この問題は解決されたかと思ったのですが。。そうでもないようです?
No.8
- 回答日時:
前回も書きましたが、何度聞かれても、糖アルコールは、元の糖から、
-ose → -itol になるのが 19世紀当時慣例で 国際ルールにはなってません。
(20世紀になって発足した IUPAC でも、命名規則にはなってません。)
命名者(通常:発見者)が、先例にならってわかりやすくする場合が多いですが。
分子の構造や関連は Fischer がやっと解明し始めた頃です。関連がわかる前の
ものもあるでしょう。arabinose → arabinitol ( arabitol ともいう) のように
絶対ではない。実際、物を知らないと、名前だけでは関係がわかりません。
glucitol と sorbitol は、同じ物質になり通常後者が使われます。
fructose を還元すると sorbitol と mannitol の2種ができます。( ×fructitol )
ドイツ語では、Xylit , Sorbit と -ol がつきませんし、アルコールでもないのに
キシレン Xylol , ベンゼン Benzol とまぎらわしい -ol がつきます。
すべての物質の命名者がわかっているわけではありません。まして、日本語名
のカナ表記程度の命名者などは、ほとんどわからないでしょう。特に 19世紀以前
で発見当時注目されていないものは、不明なものが多いでしょう。ブドウ糖・
果糖などは、おそらく明治のころでしょう。木糖(Xylose)もたぶん。
物質名のカナ転写は、明治の頃の慣例が強いと思います。一般外来語の
カナ転写と矛盾してはいけないし、国語審議会を差し置いてカナ転写規則
を勧告することもしないでしょう。
Xylitol のドイツ側の発見者はやはり Emil Fischer でした。
No.6
- 回答日時:
日本化学会,日本薬学会では,用語集を発行しています.
また,学術用語審査基準(1969年),日本語による化合物命名の原則(日本化学会)があります.
カタカナで書いた場合,上記に従う記述法ではそれらは「日本語」になります.
ローマ字で書いた場合,各国間でスペルが同じ場合も違う場合もあります.そこでは,
その国の言語,ということになります.
例:エタノール:日本語
etanoru: 日本語
ethanol:英語
Aethanol:ドイツ語
化学物質の命名には,IUPAC名という基準があります.
また,ケミカル・アブストラクツという本に掲載された名前があります.
現代では,その物質の発見者,合成者がどこの言葉を使用していても
上記の2つの基準に従います.
したがって,その物質名は,その国によって,<その国で使用されている言葉>になります.
註: 1)その国で学術用語を定めていない場合には,もとのテキストの言語,(英語,独語,仏語,日本語)といってよいでしょう
2)語源として考えるならば,貴兄/姉の言うようにラテン語,ギリシャ語が
相当するものと思われます.
ただし,これは日本語の化学名(酒精,阿片等)が
中国語による命名である,ということに近い意味になります.
この回答への補足
回答ありがとうございます。
xyloseからつくられた糖アルコールは自動的にxylitolになるということですね。
それで、xylitolを日本語にするときは「日本語による化合物命名の原則」によって自動的に「キシリトール」という名前になるわけですね。
その「原則」には、 xy=キシ、li=リ、tol=トール のように定められているのでしょうか?
No.5
- 回答日時:
No.4の方の回答にあるように
>日本は日本で「化学物質命名法」のようなものが存>在しているはずです。
>キシリトールは何語をもとにしたか解りませんが>>「日本人が発音しやすい」表記が選ばれたのでしょ>う。
何語とも言えない、あえて言えば日本語名とでも言うべきものでしょう。下記参考URLをご覧になると、表の左端が英語読みに近いようですが、正式のものとはされていません。
化学物質名は言ってしまえば部品の組み合わせで、構造式が決まればそれによって、名前が決まります。比較的古くからある物質は、規則によらない慣用名が用いられます(エチレン、アセチレンは慣用名で、命名法によればエテン、エチンです)。
結局、命名方は全体としてはドイツ語風であるものの、英語風でもある(ceをツェではなくセと読むところなど)日本語式と言えるでしょう。語源を今さら日本語訳しても却って奇妙に見えますから。(フルクトースが果糖なのはいいのですが、キシリトールは木糖アルコール?)
参考URL:http://homepage1.nifty.com/nomenclator/text/japa …
ありがとうございます。
「化合物名日本語表記の原則」というので決まっているわけですね。
すなわち、○○語という特定は、もとからできなかったということですね。
だからクシュリトールでもクシリトールでもなく「キシリトール」になるわけですね。
No.4
- 回答日時:
日本は日本で「化学物質命名法」のようなものが存在しているはずです。
キシリトールは何語をもとにしたか解りませんが「日本人が発音しやすい」表記が選ばれたのでしょう。
xylitolは、辞書にはドイツ語源となっていますが大本はギリシア語源だとおもいます。
xy・li・tol
■n.
。生化学「キシリトール C5H12O5:天然に存在する五炭糖アルコール(pentose sugar alcohol); 糖尿病患者用の,砂糖に代わる甘味料として用いる.
[<ドイツ語 Xylit(1891)]
xy・lo-
【1】木,木の(wood), 木部(xylem):xylophilous.
【2】キシレン(xylene), キシレンの.
(また xyl-)
[<ギリシャ語 x*lon 木材]
ランダムハウス英語辞典
■キシリトール
xylitol
五炭糖であるキシリットが還元された、ショ糖に近い甘味を有する糖アルコールで、甘味料として用いられる。木材(広葉樹)から麦わら、トウモロコシの穂軸にいたるまで広く分布しているキシランを加水分解後、還元して製造される。シラカバやカシの樹脂からとれる天然成分を原料におもにフィンランドで生産されており、その安全性についてはWHO(世界保健機関)でも認められている。砂糖と比べて、カロリーは25%も低く糖度は変わらない。
むし歯はその原因となるう蝕原性の細菌(ミュータンス菌mutans)によって不溶性グルカンを合成し(プラークつまり歯垢(しこう)形成)、このとき産出される酸が歯のエナメル質を溶かすことで発生する。キシリトールはう蝕原因菌によって発酵しないため、むし歯のもとになる酸がほとんど発生しない。
日本でも1997年(平成9)に厚生省(現厚生労働省)により食品添加物に指定され、ガム、キャンディーなどの菓子類、歯みがき剤、洗口剤などにも使われるようになった。
唾液(だえき)分泌を増加させ口腔(こうくう)内の防御機構を高め、う蝕原因菌の増殖を抑制し、歯の健康を守る。小腸から吸収されるが、非吸収部分は腸内細菌により短鎖脂肪酸に分解され、吸収される。肝臓でグリコーゲンやグルコースに変えられ代謝される。動物体内での代謝はインスリンの作用を介さず、血糖に影響を与えないため、糖尿病用の食事、術後の輸液にも使われている。→甘味料 →食品添加物 →人工甘味料
〈菅野道廣〉
(C)小学館スーパーニッポニカ百科事典
ありがとうございます。
日本には日本の化学物質命名法があることがわかって、ヒントになりました。
また、キシリトールの詳しい説明もありがとうございます!
No.3
- 回答日時:
裏取りはしていませんが、おそらくIUPAC
International Union of Pure and Applied Chemistry 国際純正応用化学連合:1919年設立.の命名法を準拠し、各言語間で大きな違いがないように命名しているのだと思います。ですから何語とは言いにくいですが、欧米語?
xylitolもfructoseも英仏語では同じスペルですね。
ロシア等使用するアルファベットが異なる国ではそう表記しているのか解りませんが音は近いと想像します。
http://en.wikipedia.org/wiki/Chemistry
http://homepage1.nifty.com/nomenclator/iupaccas. …
参考URL:http://www006.upp.so-net.ne.jp/h-fukui/01Article …
回答ありがとうございます。なるほど、国際共通語ですか。大変参考になります。確かに欧米の言語では同じつづりになっているようです。
それでは、例えばxylitol…ドイツ語では「クシュリトール」、英語では「ザイリトール」、フランス語では「クシリトール」のような発音をするようですが、日本語で「キシリトール」としたのは、何語が元になっているのでしょうか?少なくとも英語ではないようですが。
No.2
- 回答日時:
ピントの外れた解答になっていましたね。
チュウインガムで有名になったキシリトール(xisilitol)はフィンランド語だと理解していますが
添付URLでは発見者はドイツ人科学者となっています。フィンランド語説はこの成分をガムに応用したフィンランドの会社のブランド名(?)から出たのかもしれません。
参考URL:http://www.caloriecontrol.org/xylitol.html、http://www.xylitol.net/
ありがとうございます。
確かにフィンランドのガムはほとんどがキシリトール入りだとか。子供の虫歯も少ないそうですね。
ただ、キシリトール以外の単語もフィンランド語になるのでしょうか。
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