No.12ベストアンサー
- 回答日時:
私もぜひ,「No.2の方のリンクの中の3番目のリンク(文部省の次の次)」を熟読されることをお薦めします。
改めてURLを書いておきますと,こちらです。
http://hp1.cyberstation.ne.jp/negi/DEMO/topic/t0 …
No.3のリンク(校長先生が書かれたページ)は,「円周率が3になるというのはデマである」という点については全く正しいのですが,「それならば進級の指導要領で何が変わったのか」という点については,一応書いてはあるけれど突っ込み不足というか分かりにくいというか。
また,私も以前,別のサイトにこの問題について書いたことがありますので,一応リンクを張っておきます。
http://homepage1.nifty.com/tadahiko/GIMON/QA/QA3 …
(一番最後の「うにうに」というのが私です)
要点だけ書いておきますと,
「円周率としては3.14を用いるが、目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮する」
という点では,新旧の指導要領で変わりはない。
つまり,どちらの指導要領でも,「円周率の値」としては「3.14」となっている。
(教科書ではたいてい,もっと長く無限に続くということも書いてあります。出版社によっては数百桁載せているところも。)
変わったのは「目的に応じて」の目的が何であるか,という点。
旧指導要領では,丸太の直径から周を求めるなど,概算の場合に3を使っていた。
新指導要領では,小数第2位まである数のかけ算ができなくなったので,筆算で求める場合は3(か3.1)を使い,どうしても3.14を使いたいときは電卓を使う,ということになった。
なお,ここでいう「旧指導要領」とは,1992年度から実施されたもの(小学校の場合。以下も同じ)。
「新指導要領」とは,2002年度から実施。
また,新指導要領は2003年12月に一部改正され,学校の判断で,必要に応じて指導要領の範囲を超えて教えて良いことになりました。
(それ以前でも,独自の判断で教えている学校はあったと思います。)
なお,この「円周率が3になる」説が流れた正確な日付は把握していませんが(個人的にはちゃんと調べたいと思っているんだけれど),新指導要領が告示されたのが1999年12月(答申はその少し前)なので,たぶんそのころではないかと思います。
No.2で
>2002年頃のことですね。
>円周率を3として教えるというデマがワイドショーで
流れたのは。
と書かれていますが,これは違うと思います。
2002年というのは指導要領が実施されて,新しい教科書とカリキュラムで授業が始まった年度であり,すでに円周率騒動は沈静化していました。
(といっても,あまり話題に出なくなっただけで,実際には今でも「円周率は3になった」と思いこんでいる人は結構いるようです。)
実際にはその3年ちょっと前に指導要領が告示されていますので,話題になるのなら告示されて間もない頃でしょう。
ご回答、ありがとうございます。
円周率=3というよりは、「小数の乗法及び除法の計算については、1/10の位までの小数の計算を取り扱うものとする。」のほうに問題があることが良く分かりました。
他にもいろいろ問題があるようで、中学・高校で皺寄せがきそうですね。
一つ目の参考URLのリンク「教育課程審議会」に飛べなくなっているのが残念です。
No.14
- 回答日時:
教科書関係の仕事をしております。
NO12さんが詳しく書かれているので,ほとんどそれでカバーされていると思うのですが,
>この「円周率が3になる」説が流れた正確な日付は把握していませんが(個人的にはちゃんと調べたいと…
とのこと。
私の記憶では,多分,電車の中吊りの学習塾の広告がこの円周率が3騒動の発端だったと思います。下記リンク先をご参照ください。
http://www.letre.co.jp/~iwaki/essay/div/?011
ページタイトルの「円周率は3.14ではない」のタイトルは,円周率はもちろん3でもなく,3.14でもないという意味です。
ところで指導要領の「目的に応じて3を用いて処理できるよう」というのは,実はとても高度なことを言っていて,単に例えば木の周などの問題で,「円周率を3として求めましょう」というレベルでは,子どもは目的に応じて3にしているのではなく,問題文の指示に従って3を用いているに過ぎません。本当に「目的に応じて」子どもが判断して,3や3.14を使い分ける力がついてこそ本当の生きる力なのではないでしょうか。
残念ながら,教科書でも多くの教室でもそこまでは達成していないのが現実かと思います。
概算場面以外でも,計算の過程でパイが消去されてしまうような場面で
小学校レベルであれば,円周率を3でいくとおりか計算して検証するような問題もありかと思います。
ご回答ありがとうございます。
学習塾の広告が発端ですか。ありがちかもしれませんねー。
BLUELIMEさんのおっしゃるとおり概数計算を使い分けるという利点はありますよね。私も暗算しなければいけないときは概数で計算します。大まかなことが分かればいい時に早くて便利ですよね。こういった生活上便利な計算方法を確か概数という項目か何かで特別に習った気がします。
今回の問題は「小数2位数の乗除算は扱わないことになった」というところが大きいことが皆さんのご指摘で分かりました。
細かい計算もできてこそ概数の便利さが分かるものだとも思いますし、ANo.10のAma430さんのご指摘の計算力低下の問題は否めないでしょうね。
No.13
- 回答日時:
現行の指導要領の導入の経過にはいくつかの要因がからんでいると思いますが、ここでは、週休2日との関係を指摘したいと思います。
今でも日本は先進国では突出した長時間労働を強いられていますが、20世紀終盤はもっと長時間でした。(現在は不安定雇用に置き換わった部分があります)
欧米は、日本の労働単価が安すぎて、不当に安い製品が日本から売り込まれ、国内産業にダメージを受ける事態となっていました。
特にアメリカの圧力で、週休2日制を普及させることが至上命題となりました。公務員から率先して、ということで、学校の先生も週休2日にしましょう、となります。
しかし、休んだ分のスタッフをカバーする予算を組みたくないので、授業も週休2日にしてしまえ、という発想が今回の改訂の基本にあると思われてなりません。
急ごしらえとしか言いようのない、首尾一貫しない削減方針は、算数・数学では顕著です。移行期間には、小学生が、ちがう学年で同じ単元を2回勉強する事態も生じています。
子どもにとって週休2日が無意味とは思いませんが、土曜も働かなければやっていけない中小企業や自営業の方は、決して少数派ではないと思います。そういう家庭では、子どもだけが家にいても、有効な時間の過ごし方にならないケースが多いようです。
中学校では、土曜は部活登校日であったりして、授業が削減された以外に、あまりありがたみのない改革のように思うことがあります。
労働政策のツケを学力にまわすようなやり方には大きな問題を感じるのです。
再度のご回答ありがとうございます。
おっしゃるとおりだと思います。
その割には最近のニート問題で「ゆとり教育の見直し」ということが声高に叫ばれていますね。今後はまた見直しがあると思います(あってほしいです)が、この時期に小学校高学年を通過する子供たちは大変な気がします。
大きな改革はすべて外(アメリカ)からの圧力で行われるのは情けないですね。
いろいろと勉強になりました。ありがとうございました。
No.11
- 回答日時:
#5で発言した者です。
ボランティアについての質問の回答なので、必要の無い方は読み飛ばしてください。補習のボランティアをしている友達もいますが、私がボランティアしたのは、学校の授業の補佐のようなものです。
「個に応じる指導」というのが重要視されているため、各学校では習熟度別指導やティームティーチングなどで対応していますが、小規模校では先生が足りません。そこで教育の勉強をしている学生がお手伝いすることがあります。私の知っている学校では学生ではなくPTAの方がそういったことをやってますよ。
お返事ありがとうございます。
個に応じる指導、習熟度別指導、ティームティーチング。
すばらしいですね。そういえば私の小学校で、私が(たまたま)知った範囲ではクラスの子が一人、先生に算数の特別レッスンだかを受けていました。多分、一定の生徒の成績が他の生徒に知られないような考慮で、補佐授業をあまり公にしていなかったのかもしれません。大人数のクラスに担任一人が複数の教科を教えるのは全く無理がありますよね。
すべての学校でkosawagaiさんの地域のようなサポートをしているといいな、と思いました。
No.10
- 回答日時:
No.2の方のリンクの中の3番目のリンク(文部省の次の次)が最も実態を言い当てていると思います。
現行の指導要領は、歴史的な大改訂であったため、2001年夏の、関係者を集めての事前説明会でもこの件は話題になりました。
つまり、「3.14と教えても、小数第1位までしか計算できないのでは意味がない」ということです。
私が出席した会の担当官は、現場の自由裁量が大きくなったかのようなことを言い、「必要なら円の計算を題材にして小数2位以上の計算を拡張してもよし」みたいな口ぶりでした。
小学校の現場では、やむなくそれに近い指導をしているように思うのですが、これについては自信ありません。
中学1年でπを習う直前に「円周率は?」と聞くと、生徒は、にこやかに、元気良く「3.14!」と答えてくれます。
ただ、小数も分数も、計算力がきわめて落ちていることは疑う余地がないと思います。
ご回答、ありがとうございます。
>現行の指導要領は、歴史的な大改訂であったため
そうだったのですか。
>「3.14と教えても、小数第1位までしか計算できないのでは意味がない」
なるほどそうですよね。
>計算力がきわめて落ちていることは疑う余地がない
おっしゃるとおりだと思います。
この円周率3問題はデマとは言い切れない問題ですね。
そろばん文化だった日本人は計算力に優れていたと思うのですが、それももう終わりですね。
かく言う私もそろばんは足し算ぐらいしかできないかも。引き算もできるかな・・・・?
No.8
- 回答日時:
私の息子は現在中学1年生ですが、昨年まで市立の小学校に通っていて、円周率は3で習っていました。
一応3.14との数字も教えていたようですが、計算上は全て3でOKだったようです。
今は私立の中学に入って完全に改められています。
ご回答、ありがとうございます。やはりあったのですね。
現在中学1年、ということは最近ですね。
>一応3.14との数字も教えていたようですが、計算上は全て3でOKだったようです。
そういえば、私が小学生のときに学校以外の練習帳をやっていて「円周率は3として計算すること」という問題もありました! 3.14は小数点計算の練習をするものと思っていたので、簡単にする意味を考え込んでしまった記憶があります。
>今は私立の中学に入って完全に改められています。
中学ではすでにπと置き換えて数字は使わなかったような・・・。
ご子息の中学では円周率=πではなく円周率=3.14で教えているのでしょうか。それとも私の記憶違いかな。
No.6
- 回答日時:
他の方たちの回答を読むとデマと言うより、円周率”3”は採用されなかったようですね。
円周率3なんて全く実用性がないですよ。例:CDを設計するとき、直径12cmですから。
(1)円周率”3”:6*2*3 = 36cm
(2)3.14 :6*2*3.14 = 37.68cm
さらに細かい
(3)3.141592 :6*2*3.141592 = 37.699…cm
(2)と(3)では誤差は約0.1mmなのに対し、(1)と(2)では約1.6cm(160mm)!!も違います。円周率”3”で作ると円周が1.6cm欠けたCDになってしまいます。
小さいCDでもこんなに誤差が出ます。タイヤや電車の車輪を作ったら何十cmも違う物が出来てしまいます。およその長さを計るにしても、せめて3.14で計算しないと意味が無いと個人的にはすごく思うのですが・・・。
No.5
- 回答日時:
教育学を専攻する学生です。
円周率を3で教える・・・確かにありました。というより、現行の指導要領(学校での学習の目標と内容を示したもの)がそのようになっています。
円周率に関する注意点として、算数の指導要領解説には『円周率としては3.14を用いるが、円周や面積の見積りをするなど目的によっては3として処理していくことを取り扱うことにも配慮する必要がある』と記述があります。これは平成11年5月に改訂され、今も使用されているものです。
しかし、ご存知の通り、ゆとり教育はみごとに批判を浴び、学力低下論争を引き起こしました。そして、15年度には異例の一部改正が行われ、それまで「学習の上限」としてきた要領を「学習の最低基準」としました。
ですから、現在はほとんどの学校で3.14と教えていますし、11年~15年も現場の先生の裁量によって3.14で計算させることもあったと思います。
うちの妹や弟もそうでしたし、ボランティア先でも3.14で教えていました。
小数点以下の計算をするいい機会だと思うので、3.14はそのままであってほしいですよね。
他にも現行の指導要領では台形の面積がなかったり、不等号や以上・以下の概念をやらなかったり(これらは中学校へ移行)といろいろ省かれています。
でも、以前読んだ新聞記事によると、今度行われる全面改訂(学習指導要領の改訂は10年に1度が定例)では、どうやら文科省はゆとり教育を撤回して「基礎学力」を重視したものを思案しているようでした。
ご回答、ありがとうございます。
>現在はほとんどの学校で3.14と教えていますし、11年~15年も現場の先生の裁量によって3.14で計算させることもあったと思います。
そのように私の読んでいる本にも書いてありました。
先生の裁量、私立か公立かでも変わってくるのは子供の知性の機会の格差を生みそうで不安ですね。
ボランティア?
kosawagai様が特別な状況でボランティアで教えてらっしゃるのでしょうか?小学生のボランティア補習は最近は普通のことでしょうか。
いろいろと勉強になりました。ありがとうございました。
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