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 政党や派閥がないと国会や政治って成立しないのですか?ないほうがいいような気がするのですが。
 例えば小学校の討論会のような、議題ごとに自由に賛成や反対など自分の考えを政党に左右されずに表明できる方が健全な政治を運営できるのではないのでしょうか?
 派閥があると実力がなくても人脈や血脈だけで上の地位を手に入れてしまうこともあるのではないでしょうか?

A 回答 (7件)

 現代の日本では一般の市民が「政党を通じ自らの利益を実現する」という本来的な大衆組織政党の目的はほとんど失われていますから、そのような疑問はごもっともだと思います。


 もともと大衆組織政党とは、それまで議会を支配していた封建的な勢力へ対抗するため「数の有利」を生かして選挙を通じ議席を獲得していこうという、主に労働者階級を中心として組織された政党でした。だから、一人では大きな力を発揮し得ない私たちが普通選挙を通して政治的利益を追求するためのツールが政党だったのです。(以上は政党論の大家モーリス・デュベルジェ『政党論』を参照していただければよろしいかと。かなり読むのに大変な本ですが…)
 しかし現代社会では「労働者階級」といっても細分化されており、一つのカラーを持っていませんよね。(選挙で組織的に動く労働組合と言えば日教組がまず思い浮かびますが。土建業界でも組織的投票は今日ほとんど行われていないようです)私たちの求める利益は多様化し、支持政党のない「中間層」が大半を占めるようになりました。これは欧米の選挙にも共通するトレンドです。
 ですから政党は今日、そういった多様化した市民の求心力となっていると言えるかもしれません。マニュフェストは弊害も多いですが、政治の争点を明確化し、本当なら意見が乱立し収拾がつかなくなるような問題に関し、争点を2ないしは3点程度へ絞り込む事へ大いに役立っていると言えるでしょう。現にアメリカのような多民族多文化社会では、多少の矛盾と妥協を孕みながらも二大政党へ収斂していくことで政治的安定が保たれています。
 日本のような人口の多い国家では、北欧の一部地方自治体で行われているような直接民主的政治運営を行うのは物理的に難しいのでしょうね。しかし、今日政治のトレンドを決定する最も重要な要素は「世論」であるということは忘れてはならないと思います。(そうした意味で日本メディアのあり方は見直されるべき点が多いと思いますが、ここでは別の問題なので。)政治へ失望するのではなく、様々な情報を取り入れて、自分の判断を持つことが実際に政治を動かしているという意識を是非持っていただきたいと願っています。
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 日本の場合、封建制から議会制へ移行した際に、代議制を採りましたので(といっても、当時としてはそれが最善の方法であり、現代でもやむを得ないのですが)、政党政治というものが、当初は健全でした。


 そもそも共和制(狭い意味での民主制)という制度自体が、「独裁者への対抗措置」として発展してきたという経緯は無視できません。

 しかし、「民衆の意見を代弁することによって圧政者へのカウンターとする。」という考え方は、民主制というシステムが枯れることによって、発想として古くなってしまったのも事実です。
 既存の利権や特定の宗教をよりどころとする組織が、政党によって政治を支配することによって、政党そのものが「圧政者」として振る舞うことが多くなることも、その弊害の一例として挙げられます。

 共和制においては、その所期の目的が形骸化すると、二世や三世の政治家が増える等の「理想に依らない政治」が実現してしまうのは、今に始まった害悪ではなく、古くは古代ギリシャにまでさかのぼる話です。
 そのような力学を「正しい政治」と呼ぶならば、いっそ政治などわからない方が、世の中の為にはいくらかマシでしょう。
 既存の概念に疑問をお持ちになることは重要なことです。

 理想的な直接民主制は、(都市国家ならともかく)これまでは技術的に不可能でした。
 (スイスのような例もありますが、日本では規模的に無理があります。)

 然るべき組織によってネットが適正に運営される保証があれば、少なくとも投票(代議員の選挙ではなく、法案の直接決議や裁判への参加等)については、直接民主制に近いことは可能性が高まっているようです・・・が、今後どうなることやら?
 自民党がネット選挙を取り入れようと躍起になって検討するのも、「目の上のこぶ」である公明党の組織票を何とかしたいだけのような気もしますし・・・
 各党の思惑はおいておいても、実際問題として、その「然るべき組織」が「適正」であるかどうかを「誰」が判断するのか?・・・という疑問も残ります。
 ただ、個人的には、技術の進歩に希望を持ちたいものです。
 政治力学という世界に諦観してしまった人間が政治を操ってろくなことになった試しは、歴史上あまりありませんから。

 なお、そのような直接投票が実現した場合であっても、それはあくまで「立法」や「司法」の面でしょう。
 政策を牽引すべき「行政」機能においては、船頭が多ければよいと言うものではありませんので、政党は必要と考えます。
 究極的には「人工知能が行政を行う」という形態もあり得ますが、そのような形態は、現時点ではSFの世界の話です。

 また、「派閥」というのは、「本来は政党となって分裂すべきもの」が、政権を取る為に大同団結した姿ですので、本来の政党政治の意味から見ると邪道です。

 ただ、「「大多数に反対されていても、実は国家百年の計としては良い政策」を実行できないこと」とか、「政治が理想から離れて一人歩きすること(貴殿のおっしゃるような趣旨)」等は、民主制の根本的欠陥ですから、言うだけ野暮でもあります。
 欠陥がわかっていても、それ以上に良い体制を発明できないのが、人類の現状なのではないかと愚考します。
 (「哲人政治」というものは既に発明されていますが、「実際の哲人」が継続的に生まれてこない以上、やはりこれもSFでしょう。) 
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
大変勉強になりました。
私が言ってることは理想論すぎることはわかっているんですけど、弊害を見逃したままにするというのが嫌いなのでこんな質問をしています。

お礼日時:2006/03/02 18:45

回答ではないのですが、No.1の方の回答に誤りがあるので。



>1.
議院内閣制、つまり、内閣総理大臣は、衆議院議員から選ばれ、かつ、国会の多数決で決まる。

衆議院議員から選ばれるのではなく、国会議員の中から国会の議決で選ばれます。
実態はともかく、参議院議員でも内閣総理大臣になれます。
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日本は多数を取った政党が政権を担う仕組みになっているので政党は必要です。


大統領制なら、政府と国会は直接つながっていないので、国会がばらばらでも、大きな問題はありません。
政党に政権を担わせるのは、政権を安定させるためです。

派閥は、特に必要なものではありません。
自民党や民主党は、元々複数の政党ですから、そのあたりから、政策の違いが非常に大きく、派閥ができあがっています。
派閥が存在する最大の理由は、党首になるためです。
党内での投票によって党首を決めますから、党首になりたいひとは、常に支持者を囲い込む必要があるのです。

能力がないのに、派閥のおかげでトップになれた人は、小渕元総理が有名ですね。森喜朗もそうです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
小渕さんが亡くなったときは、内心、家族の方には申し訳ないけど、日本のためにはよかったと思ってしまいましたよ。ろくなやつじゃありませんでしたから。
森さんは問題外ですよね。

お礼日時:2006/03/02 18:42

「政党や派閥が必要」なのではなく、政党や派閥が出来る、というのが本当です。


人の集団において全員の利害が一致する事はまれです。たとえば安全保障一つとっても、「だから軍備が必要」という考えもあれば、「だからこそ軍備撤廃が必要」という考えもあり、相容れません。
さらに自民党議員の場合、もともと業界代表や団体代表、地域のボス的な性格が強く、おのずからその利害によってグループ化します。はっきりいって国民すべての得になる案件なんてのはまずないか、あってもごくわずかでしょうから、ほっておいても利害グループが生じます。そのなかでその差が大きければ党の違いになり、小さければ派閥などになるだけのことです。
国会は多数決ですから1人で勝手な事を言っていても何もできません。数は力なりで、現在自民党は過半数ですから、極論すれば党議拘束すれば何でも通るわけです。ですから、小さくとも集団を作るのはむしろ当然でしょう。
また特に自民党の場合ですが、「派閥があると実力がなくても人脈や血脈だけで上の地位を手に入れてしまう」というよりもそのためにこそ自民党があるといってはちょっといいすぎかもしれませんが、小泉、安倍をはじめ2世議員なんてものそのものがあふれているわけで。しかもトップの辺りに。そういう意味でむしろ派閥はこの2世・3世への受け継ぎを円滑に進めるものとして存在している面もあるのでしょう。
というわけで派閥の解体も本質的には無理、また法律などによる上からの政党の解体はむしろファシズムを生むでしょう。日本史上政党政治が始まってから政党を解散させたのは大政翼賛会(戦時体制)のみです。
あと戦後のレッドパージ、これも朝鮮戦争の戦時体制ですね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
2世議員が多いのは問題ありますよね。金持ちしか選挙では勝てないというのは問題がありますから。
2世議員の全てが悪いわけではないですけど。

お礼日時:2006/03/02 18:38

政治の本質を分かっていませんね。


ローマの直接民主制よろしく、議題ごとに賛成・反対が出来ると思っているのですか?
全ての議題について、調べて、検討して、賛否を決めて、対案を考える、なんてこと1日が1000時間くらいないとできませんよ。
自分の考えを政党に左右されずに表明した結果、
永田のような何の精査も出来ていない情報で国会を混乱させるのです。
今回は民主党の手が悪かっただけであって、政党を否定するものではありません。

No.1さんのおっしゃることは原因と結果が逆です。
まず、政党政治が出来てから、そういった制度が出来ました。
また、アメリカのような2大政党という単色ならば反対も自由でしょう。
だって裏か表しかないから。だから戦争が絶えないんですけどね。

また、もし、小学校と同レベルで国を動かすことにしたとしましょう。
そうなれば、困るのは国民です。
情報を検討する時間が1日24時間しかないから、十分に調べられず、
国会議員全員が、この法案が通った時に何が起こるかわからないまま国会に臨むことになる。
先の見えない近視眼しかいなくなるというわけです。要するに馬鹿ばっかりということ。
そして、十分に検討できた発案者だけが利益を貪ることが出来るわけです。
結果、たった一人の個人が得をする。
小学校でもそうだったでしょ?
少し頭が切れて、もっともらしい発言をする人の意見ばかりが通ってしまう・・・。
永田議員みたいな政治家に支配される国なんて、その国に住む人間は阿呆ばかりですか?

また、実力がなくても、人脈や血脈・・・といいますが、これらも力の一つですよ。
外交にしても、軍事力や資源のある国の意見が通るのは当然のこと。
外務大臣の政治手腕が全てを決めるわけがない。
その環境にある、全ての条件を生かす道を心得ることこそ、真の政治力ではありませんか?
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この回答へのお礼

 政治の本質を理解している方から回答をいただいて大変感謝しています。政治家でさえ理解していなさそうなことなのに、ご理解されているということなので、さぞかし優秀なのでしょうね。

 人脈と血脈を「力」というのは一見正論のようにも聞こえますが、それは違うでしょう。人脈は確かに力にはなりますが、弊害だってある。派閥の人脈が国際問題では役に立たないのだから。自国内でしか使えない。
 森元首相に力があったとでも考えているのですか?

軍事力や資源のある国の意見が通ることに問題があるとは考えないのですか?軍事力を背景に様々な要求をされてもしょうがないとでも思っているのですか?
 軍事力や資源の「力」と人脈や血脈の「力」を同じ土台で考えているところが政治の本質を理解していないと思いますよ。

お礼日時:2006/03/02 18:33

あなたの言うとおり!



例えば、アメリカは共和党と民主党という2大政党がありますが、日本のような強い党議拘束はありません。
同じ党なのに、議案に賛成する人もいれば、反対をする人もいて、ばらばらだそうです。
(「一の3 本会議審議」を参照)
http://dai18ken.at.infoseek.co.jp/seijigaku/seij …


では、なぜ党議拘束が必要か?

1.
議院内閣制、つまり、内閣総理大臣は、衆議院議員から選ばれ、かつ、国会の多数決で決まる。


2.
質問時間は、党派の大きさによって配分される。
一匹狼で立候補して、せっかく当選しても、国会で発言(質問)さえ出来ないケースがあるらしい。


3.
大きい党に所属していたほうが、自分の意志が政策に反映される確率が高まる。そして、党議拘束することによって、それが実現される確率がさらに高まる。


4.
5人以上で政党を作れば政党交付金(通称:政党助成金)がもらえる。
http://www.pref.osaka.jp/senkan/dantai/joseihou. …
政党交付金の総額は、国民一人当たり250円


5.
比例代表制は、たとえ非拘束名簿方式であっても、基本的に政党に投票していることになるので、当選した議員は党の公約を守らないと、有権者の理解を得にくい。




ちなみに、私の自論は

1.
国会議員の選挙は、全て、非拘束名簿方式の比例代表にすべし。

これは、党議拘束を生みやすい面はありますが、
今の小選挙区制度みたいに、頻繁に選挙区の見直しが必要になる制度はおかしい。
また、比例代表のみにすれば、おそらく、衆参両議院の数を100人×2ぐらいに削減できる可能性があると思われます。
それに優秀な人物でなければ、当選できなくなりますよ。


2.
首相を国民投票で選ぶ。
要するに、大統領制になってしまいますが、現在の政党政治の欠点を大いに改善する可能性があると思います。
政党助成金や議員の給料総額も減らせるし。
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この回答へのお礼

詳しいご説明ありがとうございます。
大統領制がいいのかもしれないとは私も考えたことはありますよ。
いろいろ弊害はあるのかもしれないですけど。国民が直接政治に関わる機会にはなりますしね。

お礼日時:2006/03/02 18:03

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