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ナポレオン戦争に一般の人々がどのように関わっていたのかを調べています。
絵等では民衆らしき人が血を流している姿などもあるようですが、実際には民衆が犠牲になるようなことはあったのでしょうか?

ご教授よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

もちろんです。

戦争とは常に民衆に犠牲を強います。
戦闘行為による直接の被害や、間接的な家屋の焼失や畑の荒廃、
兵隊による家財の略奪や住民の殺害、強姦、
死体や衛生状態の悪化などからくる疫病の蔓延・・などなど。
軍隊が通ったところは、だいたいそれが自国軍であれ外国軍であれ
このような損害を地域の民衆は受けることになります。
この時代の戦闘はかなり一過性で、2週間もすれば戦場が移る
イナゴの群れの害のような性格がありましたから、
可能ならその期間、家財を持って逃げたり隠れたりすることもできましたが
特定の戦役では、戦場が長居して、住民に大きな損失をもたらした例があります。
代表的なのは1813年のドイツ。
日本では「ライプチヒ戦場哀話」(信山社)という
いい本がでてるので参照してもらいたいのですが、
この時期、敵味方合計100万余におよぶ兵隊が
ライプチヒとドレスデン、ベルリンを中心とする円内に
一年近く居座り、地域の物資を全部食いつくし、かつ大規模な破壊をもたらしました。
その模様がこの本にすこし書いてあるので参考になるでしょう。
もう一つの例が、半島戦争です。これは長期化した内戦で
特にサラゴサの包囲といわれる戦闘は、
疫病の蔓延で戦闘ではなく病気によって包囲された町の住民の8割近くが
死亡しています。
このほかスペイン・ポルトガルでは、非常に残忍なゲリラ戦争が
行われた結果、多くの民衆が犠牲となっています。
日本語ので書籍があるかどうかしりませんが、半島戦争に関する本も参考になるでしょう。
第三の例は、ロシア戦役によるロシア軍のおこなった焦土戦術でしょう。
これは組織的破壊を行った典型的な例で、
敵に渡さないためとはいえ、失われた資産はすべて民衆のものですから
これは自分の国を破壊して敵に勝とうという究極的な犠牲といえます。

ナポレオン戦争期間中ではないですが、ヴァンデの反乱の鎮圧も
まさに住民を巻き込んだ内戦ですから、犠牲そのものでしょう。
派遣議員が反革命勢力の鎮圧や虐殺を行った例はたくさんありますが
ナントやリヨンの大量殺戮などは非常に有名です。
このほか、ナポレオンがイタリア戦役中に行った農民反乱へ武力鎮圧などもかなり有名です。
総裁政府が課した高額の臨時税に反対して蜂起した農村に
部隊を送って虐殺させたという事例です。
ナポレオン戦争ではこのようなことは一般的に行われました。
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この回答へのお礼

大変詳しい説明をありがとうございました。

お礼日時:2006/10/24 12:21

ナポレオンはいまだにヨーロッパ各国で人気が高いです。

フランス嫌いなドイツ人でさえもナポレオンは別格とか…。
ナポレオンが権力を握ったとき、国民は共産制のような社会になるのではないか、と危惧したそうです。
しかし、ナポレオンは私有財産制度を守ったので、中産階級はナポレオンを支持し、徴兵制度にも応じたと考えます。
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ナポレオン時代には、戦争の形式が、大幅に変化しました。


それまでの傭兵中心の戦争から、徴兵された国民兵中心の戦争へと。
従来の傭兵中心の戦争の場合、君主などの資金により兵を集め、軍を維持するのにも君主の資金を利用したため、あまり多くの兵を動員できませんでず(2~3万多くて5万程度)、また長期間の戦闘もできませんでした。
フランス革命以後のフランスでは、徴兵によって兵を集める事が行われ、資金をほとんど必要とせずに兵を集める事ができるようになりました。
また、地域に根ざした兵のため、物資や給金の不足でも、簡単に逃亡などができなくなってしまい、その結果一挙に動員兵力の増加といった現象が現れます。
動員兵力の増加、戦闘期間の増加は、戦場での住民被害を一挙に増加させる結果となります。
一方ナポレオンは、攻撃の際機動力を重視するため、物資の輸送・集積を無視して、食料などは現地調達を積極的に行いましたので、戦場における住民被害は、格段に高くなります。
特に何回も戦場となったドイツ(プロシアなど)は、ナポレオンの徹底した徴発から、フランスへの敵対心をさらに向上させる結果となります。
フランス国内でも、絶え間無い戦争のため、徴兵が厳しくなり、それにともない死傷者の増加で、産業の停滞や国民の士気の低下が起こります。
そのため、徴兵逃れや逃亡が多くなり、フランス軍の士気も兵力も急速に低下し、ナポレオンが敗北する結果となります。
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この回答へのお礼

詳しい説明をありがとうございました。前後の変化というのも大変参考になりました。

お礼日時:2006/10/24 12:22

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