No.3ベストアンサー
- 回答日時:
これは、天文学の問いというより、哲学の問いなのですが、鍵になっているのは、「偶然」とか「必然」とは、どういうことかということです。
科学で考える場合も、厳密に考えようとすると、科学哲学の問題になります。「法則」とか「必然法則」とは何かとか、「偶然」というのは、何なのかは、考えて行くと、分からなくなります。
中世哲学に、「神の存在証明」というものがあります。神が存在するということを、「論理的に」証明しようという議論です。アンセルムスとか、トマスなどの存在証明が有名です。
アンセルムスは「本体論的証明」、トマスは「宇宙論的証明」と言い、トマスの証明は、アリストテレスの形而上学的議論の延長にあります。
それはよいとして、代表的なものに、「目的論的証明」というものがあります。これは、星の運行を見ても、自然や生命のありようを見ても、ものすごく精緻に精密に出来あがっている。また美しくさえある。
このような「存在世界=宇宙」が、「偶然」にできあがるものだろうか? たとえば、大きな壷に、泥やその他色々な材料を入れて、長い時間混ぜていると、それが猿や犬になるなどということが起こるだろうか? そんなことは起こりそうもないように思える。
むしろ、このような秩序ある宇宙は、誰か「設計者」がいて、「ある目的」を持って、創造されたと考える方が、妥当性がある。設計者としては、これだけのものが作れる存在は、人間をはるかに超えた存在で、それがすなわち「神」である、という証明議論です。
設計者である神がいれば、この宇宙や、わたしたちの存在は、目的や計画の上にあり、「必然」的に、このようにあるのだとも言えます。
アンセルムスやトマスの証明や、この目的論的証明は、インマニュエル・カントによって批判され、証明の不完全さが論じられました。しかし、カントの批判で完全に、こういう証明問題は、解決したかというと、解決していないとも言えるのです。
参照URLに「時間」について書いたわたしの文章のある質問をあげておきました。
宇宙の最初の状態があると、後は、「必然法則」に従って、宇宙の運動の一切は必然的に決まっているというのが、量子力学以前のニュートン物理学での、「必然法則」の考えでした。
これは、法則によって、「必然性」が決まるという考えですし、時間について、過去から未来への「因果性」を法則の形で、決めているのです。
しかし、時間も空間も、こういうものでない可能性の方が高いのです。
神の存在証明議論は、「人間原理」に近い意味があります。特に「目的論的証明」は近いでしょう。進化論において、「目的的進化」ということが、再度見なおされていると思います。偶然の変異と、適者生存の法則だけでは、このような生命・生物世界はできなかったのではないかという考えです。
色々な考えがありますし、時間論や、偶然と必然、自由意志の関係などの話は、議論してきりがないとも言えます。
仏教では、「我々の誕生」を偶然とは考えません。こういう考えは、ボームなどの「全体宇宙」の構想に通じているともいえます。
この世界のあらゆるものは、お互いに関係を持ち、単独であるものは何一つないのです。最近、廉価版で、コンビニなどで、手塚治虫氏の「ブッダ」という漫画が売られていますが、ブッダが悟ったのは、まさに、すべてのものは、互いに関係していて、この世に、無駄なもの、無関係なものは何一つないということです。
地球ができた時、実は、その未来すべては、決まっていたのです。けれども、決定論にはなりません。「永遠」に向かって可能性が開いているのです。
「偶然にいまの私たちができたのだ」という考えを深く吟味して行くと、時間とか、必然とか、偶然とか、法則とは何だろうかという疑問に出会います。
ここにあるすべてのもの、こと、人は、何かの「意味」を必ず持つのです。宗教的な言い方になりますが、ここまで述べたことでも、問題が非常に難しい議論だろいうことがお分かりだと思います。
わたしは「意味」があると考えます。そして「意味」がある、この世界、この私たちの存在の「根拠」は、やはり意味があるのだということになります。つまり、「偶然ではない」ということです。
私たちが生きているということは、たとえば、10億光年彼方の銀河のある星のまわりを回る惑星の上で起こっていることと、何か関係があるかも知れないのです。
いま、そのように考えてみたことで、すでに関係があるとも言えるでしょう。
わたしたち自身と、世界の存在を「認識」し「意識」している私たちの精神があるということは、世界には「意味」があるということに通じるのです。
つまり、決して世界や人間は、偶然に、こうなっているのではないということです。個人の「思惑」や「思考」よりも大きなものがあるのです。
それを「神」と呼んだり、「法(ダルマ)」と呼んだりしたのですが、古代から数知れない賢者が思索し求めて得た答えは、世界は偶然ではないというものです。
反論もありますが、過去の賢人たちは、そう考えること、それが真理であることが、まさに、人生を豊かにするということも語っているのです。
>No.305411 質問:今触れたものは、永遠?失われる…?
>http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=305411
参考URL:http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=305411
ウ~~ん、深~い 深~い深~い内容のお答えでした。
私に分るようにとても難しい問題を平易な言葉で分りやすく書いて頂来ましてありがとうございます。
それでも私には少々難解ですが、何かとても大切な重大な事が書かれている気がします。
何もないところから時間と空間とガスが生まれてそれをかき混ぜると、今、ここに私がいるなんて事どうしても信じられません。
ビッグバンは発芽だったのでしょうか。
ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
この類のご質問は,幾つか言葉の定義をしなければ回答の仕方が異なって来ると
思います.
おたまがカエルに,リンゴの木にリンゴが・・・と,ご質問の2つの命題とは,
一見関連しているようで,まったく種類の異なる論理です.
1.「宇宙が出来れば必ずいつか我々人類のような生物と定義されるものが発生するのか?」
2.「生命が発生すれば必ずいつか我々人類のような生物に進化するのか?」
と言うこととして書きますと...
科学的には,
「サンプル数が1しかないから,分からない」
と言うのが一番だと思います.
人間的,哲学的,倫理的・・・あと,運命論等もあって,回答は下記にもありますように,
複数出すことは可能な命題だと思います.
しかし科学的な答え(信じる信じないに左右されない普遍的な唯一解)を
期待されるのでしたら,今の段階では答えを言った時点でそれは科学的には
「仮説」にとどまり,或いは科学から離れてしまう可能性もあります.
私は科学に魅せられ,いまこの分野に浸っておりますが,
いつか他の惑星(とも限らないですが)に生物が見付かって,
それを調べることが出来れば,2についてもう少し事実に裏付けられた答えが
出るかも知れませんね.
なぜ人類は宇宙を観測・探査するのか?・・・の答えのひとつとして,
2についての探究心が動機であるとも言えます.
1については限界があろうかと思います,だからいま我々が知っている事実を
元に演繹的に理論で推し量ることになると思います.
ぜひとも他の惑星の住人に,この辺の質問をしてみたいですよね.
まったく予想しなかった答えが返ってくるかも?
No.6
- 回答日時:
決まっていたし、未来のことも決まっているけれど、今の人類の頭では
ある程度のことしか分からないだけだと思います。
宇宙の全ての原子や原子の動きや力が全て計算できれば宇宙の誕生から
滅亡まで計算できるのでしょう。そんなことはできませんが。
地球はあと何十億年か未来になくなります。太陽が燃え尽きてなくなる時に
爆発するので地球も巻き込まれてしまうということです。
これは、物理学の計算をもとに予測されています。
過去のことを考えると、どのような物質がどのように影響しあっていつ頃
地球ができたのかも物理学の計算である程度分かっています。
科学が発達すればするほど、分かることも増えてきます。限界はあると思
いますが。
つまり、物質も力も宇宙ができたときからどのように変化してきてこれか
らどのように変化していくかということは、何かの意志の働きではなくて
単なる物理的な現象だと思うのです。人間の喜怒哀楽も脳細胞の電気信号
や電子や原子の動きなどが全て分かれば予測できるでしょう。ただ人間に
はそれを調べる能力がないということですね。
No.5
- 回答日時:
光しかなかった宇宙から物質ができました。
密度の異なる物質(原子)から分子に進化しました。
進化した分子は自己複製というDNAに進化し
DNAは、生命誕生へと進み、人類誕生へと続いてきました。
今人類は、永遠をテーマに、死をも克服しようとしています。
さらに、人類は機械人間を創造しようとしています。
機械人間は、人類を神と崇めるかもしれません。
人類誕生の決定は、DNAの発明にさかのぼることが言えるでしょう。
DNAの誕生は、自然環境(地球)が為し得た偶然かもしれませんし、宇宙のあちこちで頻繁に起きている事象かもしれません。
確率の問題とも言えます。
偶然か必然かは、人の人生観で異なるでしょう。
誰にもわからない。
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