1970年前後の新宿は文化の発信基地のような役割を担っていたというのは本当でしょうか。
実家で親が買っていたらしい、当時の雑誌などが出てきていろいろと見ていたのですが、
70年前夜から初頭、いろいろな意味でパワーが溢れていた時代だなと思えて、とても興味が湧きました。
60年代も初頭になると、いかにもノスタルジックな感じのものが多く感じられ、いまいちピンとこなかったのですが、
これくらいの時代(それ以降、なのかもしれませんが…)のものは今見ても古さを感じさせず、前衛的なものも沢山あると思います。
ちなみに新宿から出た人物?としては赤塚不二夫、横尾忠則、唐十郎、横尾つながりで寺山修司…詳しくないので引用ですが。
実家の雑誌をみて疑問に思った事。
当時の「フーテン族」「ゲバルト族」は今なにをしているんでしょう。
フーテン族の説明がありましたので引用。「アメリカで当時頂点に達していたヒッピー・ムーブメント、サイケデリック・アートの衝撃が日本にも波及し、それに触発されて新宿にフーテン族がうまれる。…主に精神の解放とヒッピームーブメントのドロップアウト、コンミューンの思想や行動と密接に結びついて社会体制そのものと密接に結びついて大きくきしみあうものにまで発展していった。…」
本格派?のフーテン達はドラッグとして睡眠薬を愛用していたらしい。70年代に入ると「ツーテン」(=通勤フーテン)が増え、「ただのファッションと化していった」らしいですが。
フーテン、を今の若い人にあてはめると何なのでしょう。
あてはめるのは無理にしても、例えばフーテン、「ヤンキー」の様に足をあらったりするものなんでしょうか?
当時俺はフーテンだった!という方はおられますか?
70年前夜に、その時代のムーブメントにどっぷり漬かっていた!という方のお話も伺ってみたいです。暇でしたら解答お願いします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
60年代前半は東京オリンピックの準備を控え街中工事で活気付き、首都高速などの完成と共に景観もすっかり変わった時代です。
フーテン族でいう「フーテン」の正確な意味はよく判りませんが、当時その活気とは関係もなく日々鬱々として疎外感にさいなまれ
自分のみの置き場を探していた人間ではないかと思います。
「風月堂」は1955年頃、菊竹清訓氏によって設計された斬新的なデザインの新宿の名曲喫茶店で、建築やデザインの学生が
集まるオアシスでしたが、60年前半からフーテン系や全学連っぽいのが出入りし始めマイナス感も出てオーナーが閉店しました。
ただし「赤塚不二夫、横尾忠則、唐十郎、横尾つながりで寺山修司」・・・この方々が風月堂に来られたかどうかはしりません。
寺山さんはその頃、渋谷の並木橋場外馬券場の近くにご自分の小屋をもたれていて明治通に面したファサード(前面外観)が
原色のネプタの絵とも違うオドロオドロシイ泥絵で覆われていて街の人を驚かせていましたが火事で焼失してしまいました。。。
また唐十郎さんも、寺山さんの小屋から150m位離れた金王八幡隣りの、豊栄稲荷神社境内の片隅に【赤いテント】の小屋掛けを
し始め(67~8年?)、記憶は定かでないのですが一年前後で新宿花園神社へと移っていったのです。
赤塚さんがどう係わったのかは知りませんが『横尾忠則、唐十郎、横尾つながりで寺山修司』は、この頃のことになります。
一方65年頃から早稲田大学第二学生会館占拠、安田講堂事件等が続きましたが、彼らの世代は桝添要一、栗本慎一郎、加藤紘一
西部すすむ、猪瀬直樹、糸井重里、坂本龍一へとつながります。
その全共闘世代が今の日本でも第一線にいるわけですが、その頃風月堂に近づかない人々がいて、その中に五木寛之氏がいます。
五木さんが現われるのは、靖国通り歌舞伎町入り口近くのモダンジャズ喫茶「木馬」で、午後見かけて深夜もいたくらいですから
何時間もじっとジャズを聞くともなくダンモの世界に浸っていた姿が、全共闘人種とは間を置いたと人という意味で印象的でした。
尤もその頃は、彼が誰であるかは知らなかったのですが・・・その背中はいつか何事かを成す人の雰囲気を漂わせていました。
・・・ポツリぽつりと想い出しながら書きましたが、当時の感じが少しでも伝われば幸いです。。。
60年代後半というのは、時代としての転換期でもあったのでしょうね。
その時代の空気を体現していたような場所にいらした皆さんが、何かとても貴重な一瞬を過ごされていたように感じます。
だいたい、ジャズ喫茶、名店喫茶なんてものも今はないわけですし…カフェブームはまだ続いてますが。「喫茶店」というものの意味合いも、この30数年で随分変わったのですね。
>60年前半からフーテン系や全学連っぽいのが出入りし始めマイナス感も出てオーナーが閉店
オーナーが望んで集まってきていたわけではなかったのですね。少し意外。
喫茶店によって集まる人の種類も違ったなんて、当時の喫茶店には一体どんな魅力があったのだろう…
貴重なお話ありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
やや、質問の意図から外れるかもしれませんが、新宿(新宿御苑)に「模索舎」という本屋さんがあります。
ミニコミ誌、社会問題関係の中心の書店さんなのですが、いまだに左翼系の機関紙や各セクトが出版した本や冊子なども置いてあります。行かれるとなんとなく70年代的なものを感ることができるかと思います。
参考URL:http://www.mosakusha.com/
情報ありがとうございます。>いまだに左翼系、左翼思想って微妙に過去のものではないけど、やっぱりなんとなくふるいニュアンスはありますね。
70年代はそういった思想とも密接な関わりがあったのですね。
No.2
- 回答日時:
ゲバルト族、というのはあまり聴いた事が無いですね。
おそらく学生活動家を総じてそういっていたのかもしれませんし、60年後半にはノンポリでも格好付けに活動家風を装っていたのもいるようですから、そういった連中のことかもしれません。60年から70年への学生運動の軌跡は宮島義男監督のドキュメンタリー「怒りをうたえ」にまとめられています。全共闘世代個々に関しては「新左翼20年史」などいくつかの本があると思いますが、フーテン族同様、現在作家、映画監督などのなかには全共闘世代の人間もいます。
押井守監督は高校生活動家でしたし、高橋源一郎などは中核派でした。そのほか、立松和平、北方謙三などなど。70年後半のエロ劇画編集者のなかにはそんな元活動家がずいぶんいたそうで、誌上でかつての機関紙なみの抗争を繰り広げたそうです。(「官能劇画大全集」 道出出版のに対談として詳しい経緯あり)
参考URL:http://www.asahi-net.or.jp/~gr4t-yhr/zenkyoto.htm
>押井守監督は高校生活動家でしたし
そうだったのですか!知らなかったです。
現在、全共闘世代は世代的に、丁度エライどころにいますよね、当たり前ですけど。
現在の社会の一部分は全共闘世代が作ったということも言える、かな?学生がそんなパワーをもちえたのですね。時代の流れというものの大きさを感じます。怒れる若者って最近いるんでしょうか。学生ながらわかりません。
>70年後半のエロ劇画編集者のなかにはそんな元活動家がずいぶんいた
エロ劇画というか70年代後半は自販機本(エロ本)がとても流行っていて、その中には到底エロとはいえないようなデザイン、カルチャー臭あふれたものがあったらしいです。
ひょっとしたらその辺りも関係しているのかもしれませんね…
その辺りの話は興味があるので、調べて見ようと思います。
興味深いお話、ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
フーテンの友人がいたので「新宿風月堂」に時折出入りしてました。
ドラッグで酔ってる奴は日常的にいたけど、薬漬けはそんなに見てません。
本格派のフーテンさん達はファッション化進行の過程でどこかへ消えてしまいました。
足を洗ったワケでは無いと思うのですが、芸術系だった彼らにとっての薬はあくまでトリップのためが本義だったからでしょう。
トリップ状態の感覚を小説にしている作品が村上龍の「限りなく透明に近いブルー」です。
本格派のフーテンさん達の日常については永島慎二のコミック「フーテン」に詳しいです。
当時の時代感覚がよく分かるのは庄司薫の「赤頭巾ちゃん」シリーズ4部作でしょう。
上記3作品機会があったら読んでみて下さい。
少しは時代の雰囲気が感じられるかもしれません。
ご参考までに。
>「新宿風月堂」
電脳・風月堂というサイトを覗いてみたのですが、
「60年代の終わり(1967年)頃から、新左翼の活動家や学生が出入りするようになり、それにともなって公安警察や私服刑事も情報集めに来ていた(中略)当時のフーゲツはバックパッカーやドロップアウトの世界では、知られていたということである。」とのこと…
うーん、今そんな場所ないですよね。文化的?な面と合わせて、こういう側面も持っていたのですね。
普通の人も気軽に行けるような場所だったのでしょうか?感覚として、店内の広さなどはどんなものだったのでしょう。
村上龍は確か学生運動をしていて逮捕されたことがあった、ような記憶があります。
永島慎二「フーテン」はちらっとしか読んだ事がないので、探して読んでみようと思います。
庄司薫の「赤頭巾ちゃん」、これは初めて聞きました。
この時代の漫画では私はつげ義春なんかが好きです。「ねじ式」初めて読んだ時は、初出の年号をみて吃驚しました。この時代に、こんな漫画があったのか!と。
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