当方大学生です。卒論を執筆中です。
卒論の一部で、「他国の政党の代わりを自民党の派閥が行っていたこと」を指摘しようとしています。
そこで、ウェブで調べてみたのですが、wikipediaに、
>研究者によっては、自由民主党を「一つの政党」ではなく「派閥と呼ばれる政党が複数集まった、長期政党連合」との見方を採る場合もある
と書かれているので、先行研究が存在していることは間違いないようです。しかし、どの研究者がどの文献でそれを指摘しているのか皆目検討がつきません。
どなたか、適切な文献をお教え願えないでしょうか?
No.1
- 回答日時:
僕は政治はしろうとですが、一般的によく言われ、かつ妥当な指摘だと思います。
自民党が派閥という政党の連合である、という命題は、あえて研究した結果導き出されるという深遠なものでもないし、またオリジナルな見方でもなく、新聞、TV、時事問題の書物など、至るところで見られる指摘です。あえてそのことを研究対象にした書物があるのかどうか。実際のところは知りませんが、たぶんないように思います。
山本七平「派閥の研究」という本を読んだことがあり、明治時代から日本の政治には派閥があり、云々ということが書かれていましたが、ご質問の趣旨に真正面から答える本ではないです。
No.2
- 回答日時:
自民党だけで無く
民主党を始め、全ての日本の政党がそうなっています。
日本の政党政治は「自分達の主義主張を達成する為に、集まる」のでは無く
私利私欲の為に、【呉越同舟】しているにすぎませんから。
No.3
- 回答日時:
自民党のドラマツルギー - 総裁選出と派閥. 田中善一郎
とか。
35年ほど前の三角大福のころ、すでに当たり前のようにいわれていました。自民党は派閥の交代が政権交代を代替していると。
グーグルスカラーとかで検索してみてください。
今日図書館で借りて「自民党のドラマツルギー」読みました。
しかし、政権交代の代替云々という記述はなかったですね。
そういう前提で書かれているのでしょうが、できればどんぴしゃのものがありがたいですね。もしご存知だったらお願いします。
回答ありがとうござました。
No.4
- 回答日時:
冨森 叡児『戦後保守党史』〔岩波現代文庫〕第4章「政治主義の挫折」の
第5節「派閥連合の基盤」が参考になるかと思います。また、時間があれば、
全体を通読してみてください。しっかりとした論文が書けるといいですね。
http://www.amazon.co.jp/%E6%88%A6%E5%BE%8C%E4%BF …
「党内党」という欲しい言葉に非常に近い単語がありました。
また、保守本流の政策についても知りたかったので、五章はかなり参考になりました。
おかげでまともな論文が書けそうです。ありがとうございます。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
伊藤(2006)には、「自民党は派閥の連合体であり」(p15)との一節があります。
しかし、ここには脚注がついてなくて、#1のおっしゃるように前提条件として扱われています。ドンピシャリといかなかったので、手元にあった教科書から抜き書きします。
■#3のおっしゃる“擬似政権交代”は、“自民党が包括政党で党内派閥の政策選好の幅が広かったので世論に柔軟に対応できた”とする捉え方。伊藤他(2000)によれば出所は富森(1993)。#4と同じ人です。
■しかし、しだいに派閥間の政策的差異が希薄になり、「政策決定については政務調査会」「人事については派閥」の棲み分けが生じた。
■保革伯仲以前の自民党については、総裁選に党内派閥の最小勝利連合をポスト配分に関するゲーム理論で分析している先行研究があるとのこと。最小勝利連合は、通常、連立政権の形成の分析で用いられるモデルなので、これも自民党を“派閥連合”と見做した研究だと思います。伊藤他(2000)によれば出所はLeiserson(1968)。
■保革伯仲と五大派閥への整理によって自民党自体が国会内での最小勝利連合になると、主流派優遇人事から派閥均衡人事&年功序列人事へと移行した。伊藤(2006)によれば佐藤他(1986)、川人(1996)。選挙制度改革と執政府改革を経た小泉政権の人事については伊藤(2006)。
■ちなみに、党内派閥に関するオススメ文献として、伊藤他(2000)は西川他(1996)を挙げています。
参考になったら参考にしてください。
伊藤光利「官邸主導型政策決定と自民党」『レヴァイアサン』38号、木鐸社、2006年
伊藤光利、田中愛治、真渕勝『政治過程論』有斐閣、2000年
富森叡児『日本型民主主義の構図』朝日新聞社、1993年
Michael Leiserson, 1968, "Factions and Coalitions in One-Party Japan: An Interpretation Based on the Theory of Games." American Political Science Review 66: 770-787.
佐藤誠三郎、松崎哲久『自民党政権』中央公論社、1986年
川人貞史「シニオリティ・ルールと派閥」『レヴァイアサン』臨時増刊1996冬、木鐸社、1996年
西川知一、河田潤一編『政党派閥』ミネルヴァ書房、1996年
ありがとうございます。さっそく図書館と本屋を往復して入手してまいりました。
伊藤他(2000)を読みました。疑似政権交代というアイデアがしっかり叙述されていますね。
西川他(1996)も分厚かったですが、前半部分を拾い読みをいたしました。イタリアのDC・アメリカの南部の民主党はpredominant party systemの国では派閥が政党のような役割を行うことはかなり刺激になりました。日本だけではなかったのですね。
今すべての文献を読むことは時間制約上難しいですが、卒論の提出後にはゆっくり読みたいと思います。非常に助かりました。ありがとうございます。
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