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 1971年にニクソンが訪中したことにより、米中関係が改善され、中華人民共和国が正式な中国代表となりました。また通称アルバニア決議により常任理事国のイスも手に入れました。
 疑問なのは、それまで中国代表として常任理事国だった中華民国(台湾)がなぜ追放されたかということです。
 常任理事国なら、仮にアメリカが裏切っても、拒否権を発動すればよかったはずです。また国連を脱退する必要もないはずです。
 自分でも調べてみましたが、この事件が詳しく述べられている文献が見つかりませんでした。
 台湾が、拒否権を持つ常任理事国であるにもかかわらず、アメリカの政治判断だけでその地位を追われた理由を教えてください。

A 回答 (5件)

>常任理事国なら、仮にアメリカが裏切っても、拒否権を発動すればよかったはずです。



 台湾政府は、拒否権を行使することが出来ないプロセスで、国連から追放されたました。

 不必要な混乱を避けるため、中華人民共和国を北京政府、中華民国を台湾政府と記します。

 まず、拒否権は安保理でのみ使用可能です(国連憲章第27条3項)。総会等他では使えません。
 
 この問題を、北京政府の新規加盟(4条)や、台湾政府の除名(6条)という問題にしてしまえば、安保理の勧告が必要です。そのため、常任理事国である台湾政府やアメリカは、拒否権行使が可能です。
 しかしそれを考慮してか、北京政府を支持する国々は、この問題を、安保理の勧告が必要な加盟や除名の問題とはしませんでした。中国代表権の移行という問題にしたのです。こうすることにより、安保理を迂回させることが出来ました。
 北京政府を支持する国々が用いたのが、総会の決定という手段です。
総会の決定は、国連内部に対しては拘束力を持つため、台湾政府は従わざるをえません。
 
 1971年10月25日総会において、「北京政府の権利を回復すること、北京政府を唯一合法な政府であることを承認すること、蒋介石の代表を追い出すこと、を決定する」(A/RES/2758)という決議が採択されました。これにより、台湾政府は、拒否権を行使することが出来ないプロセスで、国連から追放されたのです。

>アメリカの政治判断だけでその地位を追われた理由を教えてください。

明石康「国際連合」岩波新書、1985年(黄版127-132ページ)をみると、国連会議場でアメリカ、日本が最後まで台湾政府追放に反対したが、その他多くの国によって可決されてしまった様子が描かれています。
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この回答へのお礼

「中国代表権の移行」ですか。やっとわかりました。だから安保理を通過させる必要がなかったんですね。ありがとうございました。

お礼日時:2008/05/15 20:15

中国という国自体は国連の原加盟国で、人民中国と台湾が争っていたのは、どっちが正当な中国政府かということです。

大陸を支配している人民中国の方がどうみても正当な中国政府なのですが、それを認めないアメリカによって長らく国連での中国の代表は台湾でした。ところが、ベトナム戦争を終結させるのに北ベトナムを支援する人民中国の協力が必要となった事で、アメリカは台湾を切り捨てたのです。すでに、蒋介石の自信過剰な外交政策で国際的に孤立していた台湾に味方するのは日本ぐらいでした。アメリカは台湾の国連追放までは考えていませんでしたが、面子を潰されたと感じた蒋介石は国連からの脱退を表明したのです。
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この回答へのお礼

ベトナム戦争の失敗がアメリカを動かしたのですね。ありがとうございました。

お礼日時:2008/05/15 20:11

>日本の常任理事国入り問題で、中国の拒否権の行使の有無が話題ですが、これはどういうことでしょうか?



常任理事国入りと、国連加盟は別問題です。
安全保障理事国は、常任理事国と非常任理事国で構成されます。
ところが、この安全保障理事会は「理事国の拒否権」があります。
安保理での常任理事国は「特権」ですから、一国が拒否権を行使すれば非常任理事国になる事も出来ません。
チベットに対して国連が機能しないのも、中国の拒否権があるからです。

安保理の常任理事国は、国連敵国条項に指定している日本・ドイツなどに対して無条件で武力先制攻撃が出来る権利を保証しています。
ですから、日本が「敵国条項を撤廃しろ」と何度も要望していますが、中国は毎回拒否権を行使しています。
この国連に対して、日本はアメリカに次いで第二位の分担金(費用)を毎年支出しています。
「口は出さないが、金は出す」のが日本の姿です。
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この回答へのお礼

なるほど、ありがとうございました。

お礼日時:2008/05/15 20:10

すみません。

断行ではなくて断交でした。訂正させてもらいます。
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台湾の蒋介石総統は中国と国交を樹立する国に「そんなことしたら断行する」と脅したそうですが、台湾とその周辺しか支配していない彼の脅迫はまったく無視されかえって台湾の国際的地位を低下させてしまいました。

それが中国の国連加盟につながる一因となりました。ちなみに国連総会での決議なので拒否権は関係ありません。また、台湾は追放されたのではなくて決議に抗議して自分から脱退したのです。
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この回答へのお礼

 やはり国力は重要なんですね。
中国はそれまで国連加盟国ではなかったんですか!初めて知りました。
なるほど、決議は国連総会でしたか。話はずれますが、それなら現在問題になっている、日本の常任理事国入り問題で、中国の拒否権の行使の有無が話題ですが、これはどういうことでしょうか?
回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/05/13 14:02

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