BはAから甲土地を買い取り、10年以上にわたってその土地上で、花の栽培と庭木用の樹木の植栽をしている。ところがその後、EからBに対して「自分は甲土地をAに売却して移転登記を経由したが、その売買契約は要素の錯誤による契約である」という主張がされ、訴訟が提起されている。Bはその争いがされていることを知らないでいたが、後に当該裁判によって甲土地はEの所有であることがわかり、結局Aには所有権がなかったことがわかった。このような場合にBの立場はどうなるのか。土地あるいはBが植えた花の球根と庭木用の樹木の運命はどうなるのか。Eが勝手に処分できるのか。Bにその除去を請求できるのか。
Bに時効が成立すると思うのですが、問題の流れ的にEが勝つようにしなければならないと思うのですが、Eが勝つためにはどのようにすればいいでしょうか?
A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
この場合は,最判昭和38年12月13日の事案と異なり,土地の時効取得について認めることができると思われます.
昭和38年事案は,土地の管理者が,樹木を植えることを黙認していただけで,他主占有であると認定されたので,土地の時効取得が認められなかったものです.
本件では,Bは甲土地を買い取っているのですから,土地の利用が,植栽であることは,自主占有による土地の時効取得を認めるための障害にはならないでしょう.
設問としては,Bの立場がどうなるのか,が問われているので,まずは時効の成立は認める.
ただ,Bが時効を援用せず,その利益を放棄すれば,Eの所有権が認められる.その場合に花と樹木はどうなるのか,という流れになるのかと思います.
余談ですが,花が収穫期にある場合どうなのかなども問題になるでしょうね
No.4
- 回答日時:
「取得時効完成前の甲土地の所有者がEだとしても、Bが占有の継続により時効取得(民法162条2項)して、時効取得の効力はその起算日にさかのぼります(144条)から、Eに勝ち目はない」と私も思いましたが、よく考えると、花の栽培等が「占有」といえるかが、論点かもしれません。
最高裁昭和38年12月13日判決は、「他人の所有地に無権原で自己所有の樹木を植え付けた者が植付けの時から所有の意思をもって平穏かつ公然とその立木を20年間占有したときは、その立木の所有権を時効により取得する。」としており、これは、立木の植付けが土地の占有を意味しないことを前提にしていると思います。
仮に、植付けは占有ではないとすると、土地はEの所有となりますから、あとは、花と立木の運命を検討することになります。
花は土地に附合(242条)してしまうと思いますが、立木は上記の判例からも附合するとはいえず、Bによる立木の時効取得が問題となるでしょう。
No.3
- 回答日時:
「取得時効完成前の甲土地の所有者がEだとしても、Bが占有の継続により時効取得(民法162条2項)して、時効取得の効力はその起算日にさかのぼります(144条)から、Eに勝ち目はない」と私も思いましたが、よく考えると、花の栽培等が「占有」といえるかが、論点かもしれません。
最高裁昭和38年12月13日判決は、「他人の所有地に無権原で自己所有の樹木を植え付けた者が植付けの時から所有の意思をもって平穏かつ公然とその立木を20年間占有したときは、その立木の所有権を時効により取得する。」としており、これは、立木の植付けが土地の占有を意味しないことを前提にしていると思います。
仮に、植付けは占有ではないとすると、土地はEの所有となりますから、あとは、花と立木の運命を検討することになります。
花は土地に附合(242条)してしまうと思いますが、立木は上記の判例からも附合するとはいえず、Bによる立木の時効取得が問題となるでしょう。
No.2
- 回答日時:
追伸
解り難いようですのでもう一度・・
要するに、契約は一定期間内であれば錯誤により無効とできる(実際には裁判を伴うことになると思いますが)。
しかし、一定期間を過ぎた時は錯誤よりも取得時効を優先する。(実際には裁判を伴うことになると思います)。
この一定期間(時効取得経過年数)はわたしが勉強した時には10年だったということです。
ただし、わたしの書いたこの文章は自己責任にてお使いください。
詳しくは再度、弁護士さんなどにお聞きいただくのが宜しいかと思います。
No.1
- 回答日時:
BはAから土地を購入し実際にその土地を占有し始めてから時効取得年数が経過すれば所有権はBにあるはずです。
(わたしが勉強した時はその土地の占有開始時に善意無過失なら占有をはじめてから10年を経過した時)
しかし、この年数内(10年内)で錯誤により所有権が無効となった場合は、善意の第三者(この場合B)に対してもEは所有権の対抗力があるはずですから・・所有権はEに戻されるのが普通です。(裁判等で)
だからと言ってこの場合、花の球根と植木などの処分はEが勝手にはできないはずです。この辺は裁判などで一定の期間内に処分するよう指示があると思われます。実際にはその場合、その手間代などもAに損害賠償請求することになると思います。
この上記に書いた時効の年数は法律の改正などで変更されているかもしれませんので再度ご自分でお調べください。
ところで貴方は立場的にBの方ではないのですか?
Eが勝つようにようにするとBの所有権はなくなりますが・・
この文章を読んだ上では、Bがこの土地の占有開始時に善意無過失であったのならば所有権はBが取得時効を迎えているはずですが・・
いずれにせよわたしが書いた文章はあくまで参考として、解釈は自己責任にてお願い致します。
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