電気化学に関していくつか質問させて下さい。
サイクリックボルタンメトリーは溶液によって、波形が違うらしいのですが、この波形の違いというのは定性的、定量的に説明することは出来るのでしょうか?波形は違っても、酸化還元ピークは電位は同じだと考えて良いのでしょうか?
サイクリックボルタンメトリーでは直流電流を使用しますが、交流をかけることで電気化学特性を調べるような測定手法はないのでしょうか?
通常の測定での、3電極系では参照電極には電流が流れると電極の状態が変わってしまうため、電位も変わってしまうため、疑似電極と呼ばれるものを使用しますが、市販の乾電池は2電極が使われています。つまり基準にになる電極にも電流が流れているにも拘わらず、電圧が変わらないのはなぜなのでしょうか?それとも気づかないほどの微少な変化なのでしょうか?
よろしくお願い致します。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
> 私の言っているサイクリックボルタンメトリーは電極あるいは修飾電極のことを指しています。
サイクリックボルタンメトリーというのは,電位を上げ下げしながら電流応答を見る,というだけで,しかも通常の電気化学でまず練習等を含めてやるサイクリックボルタンメトリーは,電極自体の酸化還元ではなく溶存種の酸化還元に伴うものなんですがねえ.そういう特定の場合を指定したいなら,はじめからそう書くべきですね.
> 例えば、白金電極をのサイクリックボルタンメトリーを見たとき、硫酸と過塩素酸では波形が違うとは思いますが、酸化還元ピークの位置だけは同じになるはずですよね?
一般論でいえば,なりませんね.
ピーク電位は反応速度の影響を強く受けます.表面酸化物形成にしても,水素発生にしても,それらは速度過程であり,対イオンの影響が問題にならないときもあればなるときもあるわけです.
白金の CV を過塩素酸と硫酸で比べたときに,「波形が違ってもピーク位置が同じになる」というようなことがおこるとは思えませんが,もしそうなるなら,それは単なる偶然です.
> それとちょっと勉強不足なのですが、溶液に溶かした溶質からもピークが出ることがあるのですか?例えば白金のCVを見ようと思っても、溶液に酸化還元反応を起こす物質が溶けているその分のピークも出てくるということなのでしょうか?
ふつうはそっちを測る方が多いのですけどね.
> これに関してですが、負荷依存性のことではなく、全く同じ負荷を繋いだとしても、電極の状態によって、同じ負荷であっても、電位が変わるのではないのでしょうか?ということなのですが。
もとの質問は,電流が流れることの影響を聞いてたんじゃないんですか?
もとの文章はこうなんですが.
> 基準にになる電極にも電流が流れているにも拘わらず、電圧が変わらないのはなぜなのでしょうか?
負荷の問題は別にして,電極の状態というのは何を指しているのでしょうかね?
電流が流れるということは,反応が起こるということ.程度の差はあれ電極付近での酸化体,還元体の存在比が変化します.これは当然その電位の変化を意味します.乾電池でも電流が流れると起電力が変化するのは,このせいです.内部抵抗というのは,あくまでも等価回路上の表現にすぎなくて,その物理化学的本体のひとつがこれです (もうひとつの重要なものは,電解質内のイオン移動).
> 例えば3電極系で参照電極に金電極とか白金電極とかを繋いだら、作用電極が同じであっても測定ごとに電位が動いてしまいますよね?
それは参照極として使おうとしている金電極なりの近傍の電気化学環境に再現性がないというだけのことです.たとえば標準水素電極は白金電極を過塩素酸に浸して,水素ガスを平衡させればいいわけですが,そういう酸化還元環境がきちんとしているかどうかが問題なわけです.
> そういうことが電池では起こらないのでしょうか?
電池では正極も負極も電気化学環境がきちんと再現的になります.なぜなら,どちらのも高濃度の酸化還元対が入っているから.
No.1
- 回答日時:
> サイクリックボルタンメトリーは溶液によって、波形が違うらしいのですが、この波形の違いというのは定性的、定量的に説明することは出来るのでしょうか?波形は違っても、酸化還元ピークは電位は同じだと考えて良いのでしょうか?
質問が意味不明.
測定対象が違えば電位は変わる.
同じ物質でも電極との電子交換の固有速度定数が違えば波形は変わる.
この速度定数は,溶液環境や電極の材質,表面状態などによっても変わる.
もちろん,副反応等があれば,またまた変わる.
> サイクリックボルタンメトリーでは直流電流を使用しますが、交流をかけることで電気化学特性を調べるような測定手法はないのでしょうか?
インピーダンス測定や,交流ボルタンメトリーは広く使われている.
> 通常の測定での、3電極系では参照電極には電流が流れると電極の状態が変わってしまうため、電位も変わってしまうため、疑似電極と呼ばれるものを使用しますが、市販の乾電池は2電極が使われています。つまり基準にになる電極にも電流が流れているにも拘わらず、電圧が変わらないのはなぜなのでしょうか?それとも気づかないほどの微少な変化なのでしょうか?
市販の電池の出力電圧の負荷依存性を実測してみれば理解できるだろう.
微小どころか,歴然と変化している.
回答ありがとうございます。
私の言っているサイクリックボルタンメトリーは電極あるいは修飾電極のことを指しています。例えば、白金電極をのサイクリックボルタンメトリーを見たとき、硫酸と過塩素酸では波形が違うとは思いますが、酸化還元ピークの位置だけは同じになるはずですよね?
それとちょっと勉強不足なのですが、溶液に溶かした溶質からもピークが出ることがあるのですか?例えば白金のCVを見ようと思っても、溶液に酸化還元反応を起こす物質が溶けているその分のピークも出てくるということなのでしょうか?
>市販の電池の出力電圧の負荷依存性を実測してみれば理解できるだろう.
微小どころか,歴然と変化している.
これに関してですが、負荷依存性のことではなく、全く同じ負荷を繋いだとしても、電極の状態によって、同じ負荷であっても、電位が変わるのではないのでしょうか?ということなのですが。
例えば3電極系で参照電極に金電極とか白金電極とかを繋いだら、作用電極が同じであっても測定ごとに電位が動いてしまいますよね?
そういうことが電池では起こらないのでしょうか?
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