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生物学で用いられている「モザイク解析」(クローン解析?)とはいったい何なんでしょうか。
ショウジョウバエなどに用いられているようですが、いまいちよくわかりません。

この方法はどのような原理で、これによって何がわかり、どのような点で優れている方法なのか、など教えて頂きたいです。よろしくお願いします

A 回答 (1件)

一個体の中に遺伝子型の異なる細胞のクローン(遺伝子型の異なる細胞が分裂して出来た子孫細胞のパッチ)を作って解析をすることです。

遺伝子型の異なる細胞のパッチが入れ子になるのでモザイクと呼びます。

やり方はいくつか方法があります。
・体細胞組換え。成長途中のヘテロ接合体の体細胞にランダムな体細胞組換えを誘発します。体細胞組換えを起こしたヘテロ接合細胞の子孫細胞は、それぞれのアレルのホモ接合(野生型ホモ接合と突然変異アレルのホモ接合)が隣接してクローンを作ります(twin spotといいます)。誘発する方法には、X線・カンマ線を照射する方法と、染色体椀椀の動原体付近に特異的な組換え配列を導入した染色体を用いて、その配列で特異的な相同組換えを起こす酵素の導入遺伝子を一時的に発現させてやる方法があります。

・雌雄モザイク。XXの遺伝的雌で、一方のX染色体を初期の受精卵で失われやすい特殊なものにしておくと、X0(雄型に分化する)のパッチを作ることが出来ます。例えば性特異的な行動が雌雄のパッチの分布の違いでどう変わるかを調べて、関係する座位を推定したり出来ます。また、XXがヘテロ接合、X0がヘミ接合ですから、X0のXに調べたい突然変異を乗せておけば、野生型のパッチと突然変異型のパッチを作ることができます。

・導入遺伝子の部域特異的な発現。部域特異的な遺伝子発現調節機構を利用して、導入遺伝子が発現されるパッチを作ることができます。これの応用で発現するパッチをランダムに生じさせることも出来ます。導入遺伝子をRNAiを起こす逆向き反復配列RNAにてやると、逆に部域特異的に内在性の遺伝子をknock-downできます。性決定関連の遺伝子に適用すると、これで雌雄モザイクを作ることも出来ます。

なにが分かるか
・胚致死になる突然変異遺伝子でも、あとの成長段階での機能が分かる。劣性致死の突然変異でもヘテロ接合にして、mutantのパッチを作る分には生存を脅かさないことがほとんど。mutantのパッチで何が起こっているかを調べれば、細胞レベルでどんな機能をしているのかがわかる。

・遺伝子機能の座がわかる。たとえば、性特異的行動や概日リズムなど、どの部分がどの性、あるいはどの部分がmutantになると影響があるかで機能の座がわかる。

・遺伝子機能が細胞自立的か否か。mutantのパッチと突然変異形質が現れるパッチが一致するなら、その遺伝子は発現した細胞自体の機能を司る。mutantのパッチは正常で、それに隣り合った野生型のパッチに異常があるなら、その遺伝子は細胞間のシグナル伝達に関係があると予想できる。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!
こんなに詳しく回答してくださってかなり理解が深まりました。

ただ、

>体細胞組換えを起こしたヘテロ接合細胞の子孫細胞は、それぞれのアレルのホモ接合(野生型ホモ接合と突然変異アレルのホモ接合)が隣接してクローンを作ります(twin spotといいます)。

の部分がよく分かりません・・・体細胞組み換えが起きることと、それぞれのアレルのホモ接合ができる過程がつながりません・・・不勉強で申し訳ありません・・・

もしよろしかったら再回答よろしく御願いします。

お礼日時:2008/08/24 23:50

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