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2つの希ガス原子間の相互作用の話で、ファンデルワールス相互作用を計算で導出するにはどうすればよいでしょうか?原子核間距離の-6乗に比例する引力と書かれているのですが、途中計算が省略されすぎていて全くつかめません。よろしくおねがいします。また、レナードジョーンズポテンシャルの導出もあれば、お願いします。すみません。

A 回答 (9件)

>二次の摂動は-ΣΣ(<00|J|ρσ><ρσ|J|00>)/(E00-Eρσ) と表す


>ことができますが、二次の摂動を求めるにあたり、波動関数の展開
>級数についてcn(1)=-<n|J|0>/En-E0としていることが理解できない
>のですが、二次の摂動とのつながりは何なのでしょうか?

ご質問のことは多分摂動論そのものの話と思います。全部書くのは長くなるし、私の説明を読むよりもむしろ普通の量子力学の教科書の摂動論の部分をお読みになればご理解が易しいと思います。
大雑把に書きます。H=H0+λH'(すみませんJと書かずにH'とします。)でH0についてはH0ψn0=E0ψn0があらゆるnに対して成立しているとします。(nは各固有関数に対応)λH'が摂動です。
(H0+λH')ψn=Enψn...(1)
が摂動系のSchroedinger方程式になりψn、Enが摂動系の波動関数と固有値です。
ψn=ψn0+λψn1+λ^2ψn2+...(2)
En=En0+λEn1+λ^2En2+...(3)
のようにおいて、これを(1)に代入します。そしてλの次数ごとに整理して等値しますと、
H0ψn0=En0ψn0...(4)
(H0-En0)ψn1=En1ψn0-H'ψn0...(5)
(H0-En0)ψn2=En2ψn0+En1ψn1-H'ψn1...(6)
などとなります。
ここで(4)はすでに判っているもの、(5)でψn1とEn1がとけますが、これが一次の摂動、(6)でψn2とEn2が解けますがこれが二次の摂動ということになります。二次の摂動を解くにはψn0とψn1が必要です。ψn0は判っています。ψn1が一次の摂動で解けていなければなりません。それを求めるとき
ψn1=ΣCiψi0...(7)
を使います。つまり無摂動の固有関数の一次結合を使うのです。iの中にはnも含まれます。(7)の展開形を(5)の左辺に入れると
(H0-En0)ΣCiψi0=En1ψn0-H'ψn0...(8)
で、これに(4)を適用すれば話は簡単になって
Σ(Ei0-En0)Ciψi0=En1ψn0 - H'ψn0...(9)
となります。これの両辺にψn0*(ψn0の複素共役)をかけて積分すれば、左辺はゼロになりEn1が出てきます。これが一次の摂動エネルギーです。
(9)の両辺にψm0*(m≠n,複素共役)をかけて積分すれば
Cm(Em0-En0)=-∫ψm0*H'ψn0dτ...(10)
となり、これからCmがでます。(Cnは規格化条件から出します。Cn=0)これが(おそらくは)質問者さんのお聞きになっている係数で、Cmを(7)に代入したものがψn1(一次の摂動の関数)になります。ψn0とψn1を知って(6)で二次の摂動の計算にかかります。
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>(3/8)ε^2の項の中で、いろいろ複雑な展開が必要ですが、


> その中でもR^2の項だけが近似計算の(1/2)εの項に含められ、

neglectするのはxi^2/R^2より小さいと看做される項です。それを数え落とさないようにすることが大事です。例えばr12で考えます。(他も同様です。)
r12={(x1-x2)^2 + (y1-y2)^2 +(z1-z2)^2 -(z1-z2-R)}^(1/2)...(1)
で簡単のため、x1-x2=X, y1-y2=Y, z1-z2=Zとします。
r12=(X^2 + Y^2 + Z^2 -2RZ +R^2)^(1/2)=R{1+(X^2 + Y^2 + Z^2 -2RZ)/R^2}...(2)
これの逆数を取れば
1/r12=(1/R)/{1+ (X^2+Y^2+Z^2-2RZ)/R^2}^(1/2)
≒(1/R){1-(1/2)(X^2+Y^2+Z^2-2RZ)/R^2 + (3/8)(X^2+Y^2+Z^2-2RZ)^2/R^4...}...(3)
ここで(3/8)のかかった項をα=(...)^2/R^4を見ます。
α=(X^4+Y^4+Z^4+4R^2Z^2+2X^2Y^2+2X^2Z^2-4X^2RZ+2Y^2Z^2-4Y^2RZ-4Z^2RZ)/R^4
=(4R^2Z^2-4X^2RZ-4Y^2RZ-4Z^2RZ+...)/R^4
=(4Z^2-4X^2Z/R-4Y^2Z/R-4Z^3/R+...)/R^2...(4)
となります。(4)を(3)と比べ、(3)の(1/2)(X^2+Y^2+Z^2-2RZ)/R^2の項の値に比べて無視できないのは、(4)の先頭の項です。あとは1/Rがかかったいますし、...以下は1/R^2がかかっていますので無視できます。
したがってこれを取り入れれば、(3)は
(3)=(1/R){1-(1/2)(X^2+Y^2+Z^2-2RZ)/R^2+(3/8)(4Z^2)/R^2...}
≒(1/R)[1-(1/2)(X^2+Y^2-2Z^2-2RZ)/R^2]
=(1/R)[1-{(x1-x2)^2+(y1-y2)^2-2(z1-z2)^2-2R(z1-z2)}/(2R^2)}]
となります。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。この点は解決いたしました。

お礼日時:2008/10/06 18:11

>E'=∫ψa(1)*ψb(2)*H'ψa(1)ψb(2)dτ1dτ2...(3)


>で、なぜ、偶関数と奇関数では積分値が0になるのかいまいち想
>像がつけません。このふたつの関数の関係について詳しく知りた
>いのですが、大丈夫でしょうか?たびたび不明点がありすみません。

y=f(x)についてy軸対称(f(-x)=f(x))を偶関数、原点対称(f(-x)=-f(x))を奇関数といいます。
たとえばy=x^2とかy=cosxとかは偶関数であり、y=x, y=x^3, y=sinxなどは奇関数です。そして奇関数と奇関数の積、偶関数と偶関数の積は偶関数になり、一方偶関数と奇関数をかけたら奇関数になりることが知られています。
今度の例では1s軌道という偶関数(座標の正負を入れ替えても関数は変わらない)に座標(正負を入れ替えれば当然関数の正負が入れ替わる)という奇関数をかけたものになるので全体で奇関数になる、とお書きしたのです。

奇関数は定義から変数の全範囲にわたって積分できる場合はゼロになります。因みに偶関数は勿論消えることはありません。有限の値か∞になります。よくしられた収束する偶関数は正規分布の確率密度関数でexp(-x^2/2σ^2)の形をしています。これを-∞から+∞に積分して、積分値が1になるように係数を1/√(2π)σに決めています。

奇関数の積分は(積分が収束する場合は)
I=∫[-∞→+∞]f(x)dx=∫[-∞→0]f(x)dx + ∫[0→+∞]f(x)dx≡I_1 +I_2...(1)
(1)で右辺第一項(I_1)の積分の変数を-xにします。この時積分範囲は0→+∞になります。
I=∫[0→+∞]f(-x)d(x) + I_2 = ∫[0→+∞](-f(x))dx + I_2 =-I_2+I_2=0
となります。

今度の例の場合の奇関数は(専門家には叱られそうですが)大雑把に
f(x)=x*exp(-|x|)
のイメージです。これはx→-xにすると正負が変わる奇関数であることは明らかです。これを-∞から+∞まで積分してみます。
∫[-∞→+∞]x*exp(-|x|)=∫[-∞→0]x*exp(x) +∫[0→+∞]x*exp(-x)
=[xe^x](-∞→0)-∫[-∞→0]e^x dx +[-xe^(-x)](0→+∞)+∫[0→+∞]e^(-x) dx
=0-[e^x](-∞→0) + 0 + [-e(-x)](0→+∞)=0
となります。

この回答への補足

たびたび疑問がでてきてすみません。
一次の摂動がE'=∫ψa(1)*ψb(2)*H'ψa(1)ψb(2)dτ1dτ2であり,二次の摂動は-ΣΣ(<00|J|ρσ><ρσ|J|00>)/(E00-Eρσ)と表すことができますが、二次の摂動を求めるにあたり、波動関数の展開級数についてcn(1)=-<n|J|0>/En-E0としていることが理解できないのですが、二次の摂動とのつながりは何なのでしょうか?

補足日時:2008/10/06 18:27
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>A=(x1-x2)^2+(y1-y2)^2-2(z1-z2)^2-2R(z1-z2)


>とありますが、どうやって計算しても-2(z1-z2)^2ではなくて
>+(z1-z2)^2となってしまいます。Bでは-2z2^2 ではなくて+z2^2、
>Cは -2z1^2 ではなくて+z1^2となります。どうしてでしょう
>か??(2),(3),(4)式を展開しても-2という係数は不思議な気も
>するのですが…。しかしそうなると(5)式にあわなくなってしま
>います。

書き方がいい加減ですみませんでした。質問者さんの疑念は当然です。何の考えも無く
1/√(1+ε)≒1-ε/2
とかきましたが、もう一つ下の近似まで必要です。
1/√(1+ε)=1-ε/2+(3/8)ε^2...
とでも書いておくべきでした。
Rで割ったあとで1に対して近似にいれるのは、R^2を分母としてxi^2, yi^2, zi^2のレベル以上のつもりでしたね。(当然Rziは入りますね。)(3/8)ε^2の項を計算されるとわかりますが、Rziが原因で分母がR^4になっても分子にR^2がついてzi^2/R^2のレベルの大きさになり、近似計算に入れなければならない項が出てきます。それが原因なのです。
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この回答へのお礼

非常にご丁寧にありがとうございます。(3/8)ε^2の項の中で、いろいろ複雑な展開が必要ですが、その中でもR^2の項だけが近似計算の(1/2)εの項に含められ、それ以外は含めなくてよい、ということでよろしいのでしょうか?

お礼日時:2008/10/06 12:32

> '=e2/R3[r1・r2-3(R・r1)(R・r2)/R2]


> =(e^2/R^3)(x1x2+y1y2-2z1z2)

お答えとは別にまず、もとの私が持ってきた式の意味をはっきりさせるため計算を書きます。この計算を正直にやるのはそれほど難しくはありません。座標は、2つの原子核a, bを結ぶ線はz軸方向で、距離はRです。電子1(aに属す)、2(bに属す)について、(x1,y1,z1)はaの原子核を中心とする座標、(x2,y2,z2)はbの原子核を中心とする座標です。
ε<<1の時
1/√(1+ε)≒1-ε/2
という公式を使います。
e^2(1/R+1/r_12-1/r_a2-1/r_b1)...(1)

r_12=√{(x1-x2)^2 + (y1-y2)^2 +(z1-z2-R)^2}...(2)
1/r_12=(1/R)[1-A/2R^2]...(2)'
但しA=(x1-x2)^2+(y1-y2)^2-2(z1-z2)^2-2R(z1-z2)

r_a2=√{x2^2 +y2^2 +(R+z2)^2}...(3)
1/r_a2=(1/R)[1-B/2R^2]...(3)'
但しB=x2^2 + y2^2 -2z2^2 +2Rz2

r_b1=√{x1^2 +y1^2 +(z1-R)^2}...(4)
1/r_b1=(1/R)[1-C/2R^2]...(4)'
但しC=x1^2 +y1^2 -2z1^2 -2Rz1

そして(1)へ(2)', (3)', (4)'を代入して整理するのは簡単で容易に
H'=(e^2/R^3){x1x2+y1y2-2z1z2}...(5)
となります。

さて質問者さんの式ですが、
e2/R3[r1・r2-3(R・r1)(R・r2)/R2]
これはベクトルで書いたものと推察します。r1がaから電子1へ向かうベクトル、r2がbから電子2へ向かうベクトル、Rがaからbへ向かうz成分のみを持ち、長さがRのベクトルと看做すと、r1r2の内積はx1x2+y1y2+z1z2となり、R・r1の内積はRz1、R・r2の内積はRz2となって最終的に(5)とそっくり同じになります。

この回答への補足

たびたびすいません。
A=(x1-x2)^2+(y1-y2)^2-2(z1-z2)^2-2R(z1-z2)
とありますが、どうやって計算しても-2(z1-z2)^2ではなくて+(z1-z2)^2となってしまいます。Bでは-2z2^2 ではなくて+z2^2、Cは -2z1^2 ではなくて+z1^2となります。どうしてでしょうか??(2),(3),(4)式を展開しても-2という係数は不思議な気もするのですが…。しかしそうなると(5)式にあわなくなってしまいます。かなりすっきりしないので、よろしくお願いします。

補足日時:2008/10/06 00:10
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この回答へのお礼

なるほど!すごくわかりやすく、丁寧にありがとうございました。
本当に助かりました。
お手数おかけいたしました。

お礼日時:2008/10/04 18:59

>なぜ一次の摂動が0になり、二次の摂動が解答を与えるのかわかり


>ません。

教科書的には、互いに離れた水素原子同士で計算していますね。摂動ハミルトニアンは、水素原子の核をa, bとし、aに属する電子の位置座標を核を中心に(x1, y1, z1)とし、bに属する電子の位置座標を核を中心に(x2, y2, z2)とし、核間距離をr_ab=R、電子1と電子2の電子間距離をr_12、電子1とbとの距離をr_b1、電子2とaとの距離をr_a2として、
H'=-e^2(1/r_a2 + 1/r_b2 - 1/r_ab - 1/r_12)...(1)
と書き、Rについての逆冪で展開し、最終的に双極子相互作用の部分だけを残して、
H'=(e^2/R^3)(x1x2+y1y2-2z1z2)...(2)
としています。
また波動関数は、核間距離が遠いことを想定してHeitler-Londonの様にψ=ψa(1)ψb(2)+ψa(2)ψb(1)とはせずψ=ψa(1)ψb(2)とそれぞれの核に所属する軌道を考えています。
一次の摂動のエネルギーは
E'=∫ψa(1)*ψb(2)*H'ψa(1)ψb(2)dτ1dτ2...(3)
となります。ここでψa(1), ψb(2)は1s軌道で偶関数です。一方、(2)であらわすH'は座標を掛け算をする作用素で、1について、あるいは2について奇関数です。よって(3)を空間全体で積分すると消える、というStoryです。

この回答への補足

E'=∫ψa(1)*ψb(2)*H'ψa(1)ψb(2)dτ1dτ2...(3)
で、なぜ、偶関数と奇関数では積分値が0になるのかいまいち想像がつけません。このふたつの関数の関係について詳しく知りたいのですが、大丈夫でしょうか?たびたび不明点がありすみません。

補足日時:2008/10/06 00:52
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この回答へのお礼

なるほど、勉強になりました。ありがとうございます!
あと、一つだけお願いいたします。
(2)式の前に、以下のような式から導かれている本があったのですが、どういる意味なのでしょうか??
H'=e2/R3[r1・r2-3(R・r1)(R・r2)/R2] …(文字の次の数字はすべて二乗、三乗です)
=(e^2/R^3)(x1x2+y1y2-2z1z2)...(2)

上の式から下を導くにはどうしているのでしょうか??

お礼日時:2008/10/03 18:29

No2さんのコメントをみて確かに絶版かも知れないので調べてみました。


アマゾンで見るとPaulingのはペーパーバックが入手できます。Eyringは一応中古では手に入ります。木原先生の「分子間力」では在庫切れ(絶版?)のようです。どの本も図書館では見られるのではないでしょうか。
木原先生の本は第4章が”分散力のポテンシャル”となっています。(個人的理解力の所為か何となくこれの記述が判りにくい気がいたしまして...)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。本は入手できました。
ただ、なぜ一次の摂動が0になり、二次の摂動が解答を与えるのかわかりません。0になる理由とかわかりましたらぜひお聞きしたいのですが

お礼日時:2008/09/30 14:53

#1でお示しの本は2つとも今は手に入らないのではないでしょうか。


岩波全書に「分子間力」という本があります。
著者は木原太郎、1976年刊です。
絶版ではないと思いますが。
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まずvan der Waals力の計算ですが、たとえば古典教科書ですがPaulingとWilsonのIntroduction to Quantum Mechanicsの後ろの方とか、もっと詳しくはEyring, Walter, KimballのQuantum ChemistryのSpecial Topicsとかにのっています。


本件に詳しい方もいらっしゃるでしょうが、簡単に水素原子でやるにしてもハミルトニアンと摂動論とかの説明をしなければならないし、ここで簡単に書くことができないのです。まずご紹介したような本(他のでもお探しになればあると思います。)をご覧になり、どこがよくわからないかをお聞きになってはいかがでしょうか?
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この回答へのお礼

ありがとうございます。調べてみます。

お礼日時:2008/09/29 23:49

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