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よく、「宴のあと事件」を引き合いに出されて、
「プライバシーは憲法上の権利だから、プライバシーが私人の事実行為による侵害をうけた場合には、憲法の趣旨を間接適用して、不法行為責任を問える」
などとかかれることがあります。

私にはこれがしっくりこないのです。
三菱樹脂雇用拒否事件で確かに最高裁は、709条の適用に際しても、憲法を間接適用できるとしましたが、不法行為の場合、侵害の対象は個人の私権であり、間接適用する意味がないと思うのです。

たしかに「宴のあと事件」で憲法を間接適用することによってプライバシー権が私権として認められたことに意義があると思いますが、プライバシー権がそれですでに民法上の権利として確立しているなら、もはや現在においてはプライバシー権侵害における不法行為責任の場面で私人間効力を改めて論じる必要はないと思うのです。

なぜ。このような質問をするのかというと、司法試験予備校の問題集にはきまってプライバシー権侵害がきたら私人間効力を論じろと書いてあるのです。
私の理解からすれば、表現の自由とプライバシー権の対立の調整というのは憲法の問題であるとしても(それに伴う裁判所の差止めや違法性阻却の論点はありますが)、プライバシー権の文脈で私人間効力が語られることはないと思うのですが、実際の問題でそのような問題はあるのでしょうか??
また、実際の問題で私人間効力がテーマとなることはあるのでしょうか??

ご教授お願いします。

A 回答 (1件)

私も貴殿と同意見です。

プライバシー権は、その内容に多様さを残しつつも、個人の権利として確立した感があり、もはや憲法の私人間効力を持ち出すまでもなく、不法行為は成立しうると思います。

憲法学説側にも様々な考え方がありうるでしょうが、憲法13条をベースに人権問題を考える立場からは、プライバシーは私人間効力で、財産権はそれ自体の権利性で、不法行為を考える筋もなさそうに思います。

まあ、予備校の問題解説ですから、それをもって学理的に最新の理論(これも1つではないでしょうし)であるとか考える必要性もないでしょう。

例は適切ではないかもしれませんが、連立方程式を使わずに鶴亀算をやることを教えている程度のことかもしれません。とにかくまずは「全部が鶴だと思うのよ」から始まるわけです。
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この回答へのお礼

お礼が遅くなりまして申し訳ございません。

「連立方程式を使わずに鶴亀算をやることを教えている程度のこと」というのはその通りかも知れませんね。
憲法問題とは乖離してしまった感があるにもかかわらず、まだずるずると憲法解釈をくっつけようとするのは、本当になんだかナンセンスだなって思います。
実務に出たとして、「プライバシー権というのは憲法13条を間接適用して~」なんていう言葉がでるとは考えれません。そんなことを言う必要がないのに持ち出すというのは、よほど古い時代の法曹ぐらいでしょう。
これから実務にでる人間が憲法云々の問題をもちだすのは、やはり、蛇足にすぎると思います。

有意義なご意見ありがとうございました。
またご教授お願いします。

お礼日時:2009/02/03 03:41

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