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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E7%A3%81% …

ここのページなどにも書かれているのですが、
1以上の核スピン量子数を持つ原子核は電気四極子モーメントを持つ。電気四極子モーメントを持つ核が電場勾配のある環境に置かれている場合、核の向きによってエネルギーが変わるため、エネルギーの分裂が起こる。
この意味がよく分かりません。

・1以上の核スピン量子数を持つ原子核とは例えばどういうものが挙げられるのでしょうか?
・電気四極子モーメントとは双極子モーメントが平行に2つ並んだものであると思うのですが、1以上の核スピン量子数を持つ原子核は電気四極子モーメントを持つ、というのが直感的に理解出来ません。これはどうやって理解すれば良いのでしょうか?

よろしくお願い致します。

A 回答 (1件)

> 1以上の核スピン量子数を持つ原子核とは例えばどういうものが挙げられるのでしょうか?



第3周期までの元素(H~Ar)の安定同位体を、核スピン量子数で分類すると以下のようになります。

核スピン 0:4He, 12C, 16O, 18O, 20Ne, 22Ne, 24Mg, 26Mg, 28Si, 30Si, 32S, 34S, 36S, 36Ar, 38Ar, 40Ar

核スピン 1/2:1H, 3He, 13C, 15N, 19F, 29Si, 31P

核スピン 1:2H, 6Li, 14N
核スピン 3/2:7Li, 9Be, 11B, 21Ne, 23Na, 33S, 35Cl, 37Cl
核スピン 5/2:17O, 25Mg, 27Al
核スピン 3:10B

38種の原子核のうち、核スピンを持たない原子核は16種類、1/2の核スピン量子数を持つ原子核は7種類、1/2より大きい核スピン量子数を持つ原子核は15種類あります。これから分かるように、1/2より大きい核スピン量子数を持つ原子核は、珍しいものではないです。

> 電気四極子モーメントとは双極子モーメントが平行に2つ並んだものであると思うのですが、1以上の核スピン量子数を持つ原子核は電気四極子モーメントを持つ、というのが直感的に理解出来ません。これはどうやって理解すれば良いのでしょうか?

電気四極子モーメントとは双極子モーメントが平行に2つ並んだものである、という考え方にこだわるならば、まず、原子核を正電荷が一様に分布した球であると考えます。そして、その球の直径に沿って、正電荷と負電荷が
 +--+
または
 -++-
のように1列に並んでいると考えます。+--+の並び方は2Hや14Nなどの電気四極子モーメントが正の値の原子核に、-++-の並び方は17Oや35Clなどの電気四極子モーメントが負の値の原子核に、それぞれ対応します。私自身は、この考え方は少し分かりづらいと思うので、あまり好きじゃないです。

それよりも、原子核を、正電荷が一様に分布した回転楕円体である、と考えた方が理解しやすいと思います。回転楕円体には、偏長楕円体(レモンやキウイフルーツのような形)と扁平楕円体(ミカンや地球のような形)のふたつがありますけど、電気四極子モーメントが正の値の原子核(2Hや14Nなど)が偏長楕円体に、電気四極子モーメントが負の値の原子核(17Oや35Clなど)が扁平楕円体に、それぞれ対応します。直感的には、これらの回転楕円体の回転軸が原子核の自転軸になっている(回転楕円体の回転軸が核スピンの向きに一致している)と考えればいいです。

> 電気四極子モーメントを持つ核が電場勾配のある環境に置かれている場合、核の向きによってエネルギーが変わるため、エネルギーの分裂が起こる。

原子核を回転楕円体であると考えれば、原子核と化学結合との間の相対的な向きによってエネルギーが変わることが、簡単に説明できます。例えば、重クロロホルムCDCl3において、重水素核の回転楕円体の回転軸がCDCl3分子のC-D結合軸に平行な時と直角になっている時とでエネルギーが違うというのは、(どちらのほうがエネルギー的に安定になるのかは分かりませんが)直感的には明らかではないでしょうか。
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