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受験勉強の機会に源氏物語を読んだのですが、とても興味深く思いました。
そこで気になったのですが、源氏物語は世界ではどのような評価を受けているのでしょうか?
その作者、紫式部はユネスコ(?)から「世界の偉人」として認定されたとか聞いていますが、(確かではありませんが)その作品もやはり海外では人気が高いものなのでしょうか?

A 回答 (3件)

この国際交流基金図書館は、外国語で書かれた日本研究関係の図書・雑誌・マイクロフィッシュ等の資料を所蔵しているところです。




◆国際交流基金図書館
http://lib-opac.jpf.go.jp/limedio/index-sj.html
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◎国際交流基金図書館蔵書検索(OPAC)
http://lib-opac.jpf.go.jp/cgi-bin/limedio/limeww …

↑こちらの検索画面でタイトルに「genji」といれて検索すると、76件ヒットします。
これらのほとんどは、源氏物語の翻訳書・研究書です。

また、件名に「murasaki shikibu」といれると図書が56件ヒットします。
これは、紫式部(源氏物語)に関する(研究している)、翻訳も含む外国書籍が56冊はあるということです。
ざっと見ただけで、英語はもちろん、ドイツ語・フランス語・ロシア語の書籍もあります。

ちなみに、ノーベル文学賞受賞の「kawabata yasunari」を件名検索した結果は12件、「mishima yukio」は21件です。
数字だけの客観的情報ですが、いかがでしょう。


#ちなみに、わたしは高校時代、「源氏物語」が大嫌いでした。
光源氏がキライで、六条御息所がおかわいそうで。
できればパスしたかった授業だったのですが、必須科目なので必死に我慢しました。
後年。諸外国から来日される日本文化研究者の方々と接する経験を持ち、源氏物語の捉え方が多少変化しました。
どうやら日本文学を研究する方々の多くは、源氏物語を読破している・・・という感じなのです。
そして、改めて高校時代の自分を思い、1000年もの時間的隔たりを持ちながら、読む者の心に作用してしまう紫式部の筆力は凄いのかもしれない、とも思うようになりました。
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この回答へのお礼

六条御息所は私にとって源氏の中でも異様な存在です。
ストーリーの中でもキーパーソン的活躍をし、可哀想、というのも感じますが、気味の悪さ、どこかじめじめとしていて、けどさらりとした美しさ。どどこか「雨月物語」につながるようなところがあるように思います。

お礼日時:2003/03/02 23:12

こんにちは。



私、職業上、西洋のいわゆるインテリと話をする機会が多い者です。

一般的に言って、日本通で文学や歴史に詳しい方たちは一様に「源氏物語」は知っており、しかもかなりの驚きと憧れを持って(日本人の)私にお話をされることが多いです。

これは「物語文学」と歴史的背景を理解していないと難しいところがあります。

まず、物語文学(小説と言い換えてもいいですが)は、現実とは異なる世界を作者の感性のままに創作するものですよね。しかし物語文学を作るためには充分な時間と才能、そして読者が必要となります。
これは現代では想像もつかないかも知れませんが、実は非常に贅沢なことだったのです。

高校で教わる世界史をみてもわかるとおり、つい数百年前まで世界のほとんどの地域では、庶民は日々の食料を得られれば充分で、支配者階級は隣国との戦争や権力闘争にエネルギーを費やしておりました。
小説家のような、日々、生産もせず、自分勝手な文章を書いて明け暮れる、などという人間の存在を許せる社会は世界を見渡してもほとんどなかったのです。ましてや作品を読むにしても、文字を読むことが出来る人などごく限られていました。

例えば、源氏物語が作られたのは11世紀初期と言われていますが、西洋においては暗黒時代がようやく明けるころの時代でした。
このころの西洋では十字軍、などという聞こえのいい略奪軍がそのころ豊かだったイスラム諸国を襲っていた時代です。これは本当に略奪と殺戮の野蛮な集団だった、とういのが本当のところだそうです(西洋の文献でも十字軍は人肉食は日常茶飯事だった、とあるくらいの野蛮な集団でした)。彼らにはもちろん、物語文学など作る余裕はなく、せいぜい吟遊詩人の作る「民謡」程度の文学しかなかった(詠って聞かせるだけですね)。西洋で「物語文学」といえる作品が登場したのはそれからなんと約400年後、ようやくルネッサンス時代においてです。

一方、日本では平安初期から中期は物語文学の興隆期でした。そのなかでも最高峰が「源氏物語」だ、と言われています。しかも女性がそれを書いている。つまり、少なくとも一部の女性は日々の家事などをしなくても良いくらいの非常に豊かな富に溢れる平和な時代で、しかも幼少から非常に難解な文学をも学べるような環境だった、ということです。
11世紀以前にこれに匹敵するような社会は、中国の数時代かイスラム文化の繚乱期、あるいはインド文明の一時期位しかない、と言われています。

なので西洋で言う中世の暗黒時代に日本では女性が長編小説を書いていた、ということだけで西洋人には驚異の出来事になるわけですね(西洋では女流作家が認められたのはようやく19世紀のフランスにおいてです)。

さて、その内容ですが、これは実際読まれたらわかると思いますが、近現代の西洋の重厚な小説に勝るとも劣らない(「大河ドラマ」といったらわかりやすいくらいの)重厚長大なプロットからなっています。

簡単に言いますと、光源氏という人物の一代記という形ですが、膨大すぎるために普通大きく3部構成として考えるのが普通です。

第一部は出生からサクセスストーリーというのでしょうか、青年期の女性遍歴もちりばめられた成功物語とも言えますね(ここが誤解を生む原因と思います)。
第二部は晩年の複雑な人間関係に悩む源氏を描いています。そして第三部は源氏の子を巡る男女の暗い運命を描いています。人間の営みには性愛はつきもので、その描写があることは確かですが、けっしてそれがテーマの作品ではありません。本居宣長は「もののあはれ」が主題であると看破しています。

個人的に物語文学(小説)としての一般論的見地から素晴らしい点を述べますと、全編を通して言える事は、story telling の上手さもさることながら、登場人物の感情の起伏を情感細やかに描写していることが極めて特徴的だと思います。これは西洋の騎士の武勇伝の詩や中国の荒唐無稽な小説とは明らかに異なる美点です。

内容については、とにかく、hirokibp さんが自分で実際に読まれて評価されたら良いと思いますが・・・(^_^)。少なくとも私は、ぽ@のと言われる筋合いはないと思いますよ(だったら公然と教科書に載ったり、受験問題に出ますか?もし外@省がそういうクレームをつけたら逆に国辱ものです)。

以上、ご参考になりましたら嬉しいです。

なお、私見ですが、(私は国粋主義者などではありませんが)、日本のことを逆によく知っていらっしゃる西洋の方たちとお話をする度に、なぜ日本政府が、例えば西洋文学と比較しても、歴史的に明らかに優れた文学・文化(数学などは特に!)を有することを中高生のうちに教えてくれなかたのかと、いつも悔しく思っています(国文学と仏文学専攻の友達と話をしていてようやく最近悟ったところなんですが)。

日本という国と歴史は決して捨てたものではないと思います。
大学に進まれたらいろいろ勉強なさってくださいね。

長くなりましてすみませんでした。

それでは!
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この回答へのお礼

1000年前のヨーロッパの物語といえば・・・
アテネ、ローマ時代の奴隷時代(ローマの平和時も含む)でぷっつり途絶えていますね。うちの先生が美術大好きな人で、ゲルマンの絵画の下手さ(アテネ、ローマに比べ)に、文化の衰退を重ねていました。それからルネサンスまでのヨーロッパは文化的にはぼろぼろでしたね。
神話学者ジョセフ・キャンベルという人をご存知でしょうか。
彼は世界中で語り継がれる伝説のプロットとして次のようなことをあげています。
1 実の家族に育てられることはあまりない
2 旅立ち
3 試練
4 帰還
5 悲劇
源氏は1、3,4,そして5を備えていると思います。
その点でも源氏物語は基本的には素晴らしいと思います。
そして日本独特のもののあはれ、そして無常観、源氏は日本を代表する物語だと思います。
私も、日本の歴史は決してすてたものだとは思っていません。
ただ、残念なのは、国文学といってる人が古典ばっかりほめて現代の文章を軽視していることでしょうか。
というわけで、とても長くなってすみません。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2003/02/28 23:29

ちょっと話が飛んでしまいますが、2千円札は絵柄が源氏物語でしたよね。

多く流通されていない理由の一つに2千円札を発行した直後、外務省が大蔵省に流通を控えるように要請したそうです。外国では源氏物語は源氏の君が多数の女性と関係を結ぶ古典ポルノのイメージなんだそうですよ。それを日本の札にしたので外務省は外国から馬鹿にされたそうです。お気の毒様…
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この回答へのお礼

確かに光源氏の恋は危険っちゃあ危険ですけど・・・
けっこう源氏物語って海外でも好評価だと思っていたのですが、「馬鹿にされる」とは・・・
源氏は歴史的に有名な本としか考えていなかったのですが、そういう背景を知らない人にはおもいっきりポルノですね。
ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2003/02/27 22:13

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