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大学の授業で、プラスミドにはスーパーコイル、開環状コイル、直鎖状コイルがあると習いました。プラスミドの形態と性質について質問があります。
(1)菌内では、本来はスーパーコイルの状態ということでした。しかし、菌体内の図は、どれを見てもプラスミドは一重の円で表示されています。これにより、本来は開環状だと思っていました。よく本に載っているこのプラスミド図示の仕方は、ただ単純に書いたために円なのでしょうか?もう少し誤解を産まない程度のスーパーコイルの表示をしないのでしょうか?

(2)プラスミドは開環状は直鎖状よりコンパクトなので、早く泳動される、と書いてある本もあれば、直鎖状の方が早く泳動されると書いてある本もありどっちが早いのか分からなくなりました。前者の理由は、直鎖の方がゲルに絡まりやすく遅くなるということでした。後者は、開環状の方が、面積が大きいからゲルに引っかかりやすく直鎖より遅くなるということでした。どちらの理由も説得力がありますます分からなくなりました。プラスミドは、開環状と直鎖状はどちらが早く泳動されるのでしょうか?また、直鎖状と開環状で流れる速度が逆になる境となるDNAの長さがあるのでしょうか?

頭がこんがらがりました。どなたかよろしくお願いします。

A 回答 (1件)

>スーパーコイル、開環状コイル、直鎖状コイル


開環状コイル、直鎖状コイルという言葉はないと思いますが(直鎖状「コイル」なんて説明している人がいるとしたら、阿呆です)。

正確には、英語ではそれぞれcovalently closed circular (ccc、またはsuper coiled)、open circular(OC)、linearといいます。環状二重鎖DNA自体がよじれて、高次構造としてコイルを作っているからあえてスーパーコイルという表現がつかわれているので、そういう高次構造をつくらない開環状や直鎖状に「コイル」をつけて使うのはナンセンスです。

>これにより、本来は開環状だと思っていました。よく本に載っているこのプラスミド図示の仕方は、ただ単純に書いたために円なのでしょうか?もう少し誤解を産まない程度のスーパーコイルの表示をしないのでしょうか?

ちょっと勉強すれば、それが単純化したschemeだということは了解しているので実際上全く問題ないとおもいますが。それより、実用上、実際上はプラスミドの一次構造(乗っている遺伝子の構造や向き)を示すために作図するので、トポロジーを保ったままである開環状で示すのは理にかなっています。

>プラスミドは開環状は直鎖状よりコンパクトなので、早く泳動される、と書いてある本もあれば、直鎖状の方が早く泳動されると書いてある本もありどっちが早いのか分からなくなりました。前者の理由は、直鎖の方がゲルに絡まりやすく遅くなるということでした。後者は、開環状の方が、面積が大きいからゲルに引っかかりやすく直鎖より遅くなるということでした。

もし、そんなことを言い切っている本があるなら(特に前者)、それはろくなものではありません。もうちょっといい教科書を読みましょうよ。どちらかというと後者の記述が正しいです。面積というかファンデルワールス体積ですかね。ゲルのメッシュの中を直鎖状は蛇のようにDNA分子の長軸に方向に潜り抜ける(そのため長いほどくぐりぬけるのが遅くなる)のにたいして開環状だとどの方向からでもメッシュに入りにくいので。

一般的にはcccがずば抜けて移動度が小さいというのは良いとしても(これもEtBr濃度などで変わる)、OCとlinearは微妙でかなり近いことが多いです。泳動の条件(エチジウムブロマイドの有無やその濃度、ゲル濃度)などによって逆転することもあるとされています。スタンダードな条件ではOCはlinearよりやや遅く、私が経験してきた中ではこれが逆転したことはありません。
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この回答へのお礼

お礼が大変遅くなり申し訳ありませんでした。大変参考になりました。
ご丁寧にありがとうございました。

お礼日時:2009/06/27 18:14

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