以前質問したのですが、十分な回答が寄せられなかったため、再度質問させて頂くことにしました。どうかQ1・Q2に沿ってお答え下さい。
Aは数年前、あるクレジットカードに入会しました。入会金・年会費が無料というのが、重要な選択動機だったようです。カードの有効期限は、約5年間です。
ところが今年になって、カード会社(上場企業)が、(数ヵ月後の)B月から年会費C円を徴収すると通告してきました(利用代金と一緒に自動的に銀行口座から引落される)。カードの有効期限が残っているのに一方的な契約内容の変更を通告され、Aは困るとともに憤っています。Aが慌てて規約を調べると、こんな条項が入っていました。
第D条 (年会費)
会員は、Eの利用に関する年会費の負担はないものとします。ただし、当社が特に必要と認め、事前に会員に通知のうえ、会員が当社所定のE年会費を負担する場合があります。
この条項は、年会費を原則として無料としつつ、有料化を可能にした条項だと思われます。そこで質問致します。
Q1
この条項、特に但書の部分の意味は、「カード会社の自由な意思表示によって有料化を可能にしたもの」(解釈甲)か、「有料化をある程度合理化する一定の事由が生じた場合にのみカード会社が有料化することを可能にしたもの」(解釈乙)か、どちらでしょうか?
Q2
Q1において解釈甲だとした場合、この条項(但書)は消費者契約法10条によって無効になりますか?解釈乙だとした場合はどうでしょうか?
※参照条文:消費者契約法
(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する 消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して 消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
Q1
「有料化をある程度合理化する一定の事由が生じた場合にのみカード会社が有料化することを可能にしたもの」(解釈乙)
が正しい解釈です。無料契約した時点と有料に切り替えた時点との間
に契約内容を変更すべき合理的な理由がなければなりません。もし
そういう事情がなければ、当初契約は「釣り契約」ということになり
ます。
Q2
条文自体が無効とは言えないと思います。条文を根拠に年会費を有料に
したことが違法に問われるかどうかということでしょう。
たぶん裁判すれば違法になると思いますが。
No.4
- 回答日時:
賃貸借の場合には、期間は契約における主要な条件ですが、カードの有効期間は合意条件ではありませんよ。
カードの管理のための便宜的な区切りです。
カード会社の意思に反して契約条件を存続させろと強制(拘束する)することはできない、というのも、その特約の意図するところでしょう。
その特約の存在を条件としてクレジット契約を結んだもので、その特約は公序良俗に反するものでも、一方的に不利な状態を押し付けるような条件ではないので、効力は否定できない、ということなのです。
どうしても納得できない、というのなら、訴えを提起するのは自由です。
誰も止めません。
No.3
- 回答日時:
Q1とQ2は相関関係があります。
ですから、その全体像をもって可否を判断する必要があるのです。
まず、カードの有効期限はカード会社の便宜的なものにすぎず、利用者が「有効期限を何年何月何日まで」などと指定することは出来ません。
ですから、期限そのものは「諾成契約」の本旨ではありません。
期限の途中でも、いつでも解約できますしね。
「カード会社の有料化に合理性が無いと考えても解約ができずに料金を徴収される」というのなら、公序良俗に反する、一方的不利益条項に該当しますが、「納得いかなければ、任意に特段の負担無く解約できる」のであれば、合意性を損なわないので、契約意思の合致は担保されている、ということになります。
カード会社が、有料化を必要とする理由として妥当性があると考える範囲と、利用者が有料化をやむを得ないと考える範囲は違うものです。
それが一致するのなら、「解釈乙」も成り立つかもしれませんが、違うことを前提にする以上、「解釈甲」ではあるが意思の合致が担保されているので有効、と解釈することが妥当だろうと考えます。
この回答への補足
>>カードの有効期限はカード会社の便宜的なものにすぎず、利用者が「有効期限を何年何月何日まで」などと指定することは出来ません。
利用者が指定することはできません。つまり期限はもっぱら、事業者が決めているのです。ということは、事業者がその期間内に契約内容を、特に消費者に不利な方に変更することを認める必要はないのではありませんか?なぜなら、事業者は長い間その条件を維持することが難しいと考えれば、有効期限を短めにすればよいからです。
>>期限の途中でも、いつでも解約できますしね。
期間の定めのある賃貸借契約でも、一般に賃借人側に解約権が留保されます。ですから、一方に解約権が留保されていることは、期間の定めがないことの根拠にはならないのではないでしょうか?
No.2
- 回答日時:
Q1 解釈甲でしょう。
Q2 無効にはならないと思います。
以上の理由を述べます。
まず、そもそもこのような内容を約款に入れるときに、限定的に「やむを得ない場合にのみ有料化する」という解釈になると、「やむを得ない場合」であることを説明して同意を得ないと有料化できない、というロジックになります。
それではこのような条項を置いた意味が無いのです。
この定めの意図は「当社が特に必要と認め」という部分が核をなすもので、会社の裁量権の行使を留保した条項だと解釈されます。
また、「事前に会員に通知のうえ」とあるように、一方的意図で有無を言わさず強要するのではなく、通知して退会の機会(即ち、有料化するときには契約を継続しないという選択権の行使の機会)を確保して行うことを示しているので、「消費者の利益を一方的に害する」ことにはならないからです。
この回答への補足
>>会社の裁量権の行使を留保した条項だと解釈されます。
私も、会社にある程度の裁量権があると思います。しかし解釈甲は、カード会社が有料化の意思表示をすれば、有料化自体が無効になることはないという趣旨の、純粋な自由意思ということです。解釈乙は、会社に裁量権はあるが、少なくとも有料化を合理化するある程度の事由が必要という趣旨で、会社が裁量権を逸脱・濫用すれば有料化自体が無効になるということです。
>>通知して退会の機会(即ち、有料化するときには契約を継続しないという選択権の行使の機会)を確保して行うことを示しているので、「消費者の利益を一方的に害する」ことにはならないからです。
「消費者の利益を一方的に害する」というのは、消費者にとって利益がなく事業者ばかりが得をする、ということではないでしょうか?
期間の定めがない契約ならいざ知らず、有効期限を切ったカードですので、「期間中、当初の約束どおり無料でこのカードを利用できる」ということも法的保護に値する利益であって、その利益を一方的に消費者が害されるのではありませんか?
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