No.4ベストアンサー
- 回答日時:
手元の資料を見たところ
I・モンタネッリ著「ローマの歴史」(1957年出版、1976年翻訳出版)では
「ペスト」となっています。(p334)
中央公論社版「世界の歴史5 ギリシアとローマ」(1997年初版)では
「おそらく天然痘」となっています。(p370)
ただ、どちらも決定的とはいえないようです。
天然痘はサラセン人(イスラム教徒)によってヨーロッパにもたらされたと
されており、時代がやや下るようですし、ペストは中世の大流行は有名です
が、それ以前のものはさだかではありません。こういうものは、その症状に
ついて詳しい描写がなされている史料(*)があれば別ですが、病名の確定
は難しいと思います。
(*)マルクス・アウレリウス帝の同時代の最高の医者ガレウスは
「患者は烈しく咳き、体いっぱいに膿腫ができ、呼吸が悪臭を放った」と
記述しているそうです。(上述「ローマの歴史」より)これだと「ペスト」
の方が近いかなと思いますが・・
大変参考になりました。
一度調べてみますが、やはり黒死病っぽいですね…
敗血症による敗血疹なら、腫瘍も説明できますし、う~ん。
必ずその本を探してみます!
それより…原本読めなきゃきつそうですねぇ…
本当にありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
補足です。
(^_^;)「グラディエーター」は読んでいません。
何しろ世界史は高校の選択科目で2年やっただけですので。
(入試科目だったので勉強はしましたが)
ペストについての文献も授業で聞いただけなのでごめんなさい、わかりません。
(先生がその時代が好きだったらしい?)
それからあまり有能でないといったのはマルクス・アウレリウス・アントニウス帝の実子
コンモドウス帝のことです。この人もストア派ですか?
マルクス・アウレリウス・アントニウス帝がどれほど有能な皇帝であったかということは
著書が今もきちんと残っていて読みつづけられているということからもわかりますよね。
ところでコンモドウス帝は192年にレスラーのナルシッススに浴室で殺されたというのは
ほんとうでしょうか。話がそれてすみません。
いえいえ。とんでもございません。
ところで「グラディエーター」って本でもあるのですか?
私は最近ビデオで見ただけなので知りませんでした。
確かにコンモドゥスは、ダメ皇帝だったようですね。それに関しては、まったく異論ありません。そうも早とちりしてしまいました。ごまんなさい。
それと、浴室で殺されたというのは知らないのですが、「グラディエーター」は、まさにその話ですので、面白いので一度機会があれば御覧になってはいかがでしょうか。
楽しいお話を、どうもありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
その頃、恐れられ流行して多大な擬性を出す病気といえばまずペストですね。
ペストはそもそも森の中のねずみが菌を持っていて、ねずみの生活圏が森の中だけだったので、人間に伝染することはなかったらしいです。
当時のヨーロッパは広大な森林に覆われていたので、ねずみもわざわざ外に出てくる必要がなかたのでしょう。
しかし、森の開墾が進み畑になると、森は狭くなる上、畑はねずみにとって恰好の住みかとなり、おまけにねずみを捕食する動物も畑にはいません。
こうしてペスト菌を持ったねずみが大発生し、森から畑にと一歩近づいたねずみは、さらに人間の住居にもすみつき・・・と都市へ接近して大流行を起こしたそうです。
また、最近、エイズウィルス感染者で長期間生存する「ロングタームサバイバー」と呼ばれる人があちらに多くいることが判っていますが、この人たちの
免疫を司る白血球の構造は、ペストにも抵抗性を持つことがわかってきており、この現象は、古代から何度もペストに襲われた名残ではないかと言われているそうです。
以上、ちょっとまとはずれな回答でした。
参考にさせていただきます。
レトロウイルスでしたっけ?
欧米人がエイズとか逆転写するウイルスへの耐性をもっているという話は聞いた事がありますが、「ロングタイムサバイバー」という言葉はしりまえんでした。ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
ペストではないでしょうか。
五賢帝最後の時代でそれまで平和だったローマにとって彼の治世は外憂の時代となっていましたよね。(確か)
東方で反乱が相次ぎ、パルティアは宣戦布告、ゲルマン民族の侵入、さらに彼ら持込んだペストが
帝国中に蔓延するという有様になったとされていたと思うんですが。
マルクスはみずからの財産を処分して軍資金を調達し、直々に戦線に参加しこれらの防戦にあたった
とされていますよね。
彼の書いた『自省録』はこの出征地で書かれたりもしているそうです。テントの灯りでしたためたとか。
彼はアテネの哲学校に基金を提供したり、貧しい人々の援助に努力したりもしています。
平和を望み続けた願いもむなしくその在任中はほとんど戦乱の対処に追われ、ゲルマンとの対戦後
58才にして伝染病で死んだとされています。
なお、五賢帝で子供がいたのは彼だけですよね。
この五賢帝時代が続いたのは幸か不幸か各々皇帝に子供がおらず、有能な人物を養子にして
ローマを支えてきたからだということに起因するのですが、彼だけは子供がおり、
子供がいれば後継ぎにしたいのは人情でそれがそれまでの人物に較べ、有能ではなかった、
そしてそのこともローマの衰退に手を貸したということではないのでしょうか。
この辺全部推測です。専門に学んだわけではないので・・・すみません。
貴重な御意見ありがとうございます。
「グラディエーター」は御覧になりましたか?
この皇帝の杞憂が良く表れていたと思います。
黒死病という御意見でしたが、それをお知りになった文献などを教えていただければ有り難いです。
教えていただいた上、失礼ながら、私は、彼が有能でなかったとする御意見には、反対です。
御存知のとおり、彼はストア学派に属する哲学者でもあり、治世に関する不備は、彼の無能を証明するものではありません。
ローマにおける拡大政策(世界市民主義がストア学派で唱えられていたことと何か関係はあると思います)は、彼の治世で限界に達したと見る感もあり、むしろ、それら最盛期を過ぎ翳りはじめる時勢が原因だと考えます。
本格的にローマが瓦解しはじめる三世紀の一連の事件に関する萌芽としての2世紀後半(161~180)の彼の治世があったとは思いますが。
なんて、私も生齧りのうる覚えで、自信はありません。
楽しいお話ありがとうございました。
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