アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

イギリス紳士について下記のような短文を見つけました。
A man asked to define the essential characteristics of a gentleman---using the term in its widest sense---would perhaps reply:The will to put himself in the place of others ; the power to do what seems to him right without fear of what others may say or think.
昔(40年前)、ロンドンに数ヶ月滞在した時の経験ですが、道を尋ねると、どの紳士もさっと立ち止まり、微笑みながら丁寧に教えてくれ、最後に必ず「All right?」と聞き返し、うなずくと、にこっと笑って立ち去って行きました。実に気持ちのいい経験でしたが、彼らには何かそうする精神的なバックボーンがあるのでしょうか?上記の英文の内容は今も健在ですか?もしそうなら、彼らがそうする背景は何ですか?宗教的な信条でもあるのですか?
イギリスに長く滞在しておられる方、あるいはどなたでも、ヒントになることがあれば教えていただけませんか?
最低限、山高帽に雨傘姿の彼らが今でもロンドンの街を歩いているかどうかを知りたいです。宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

もう、いまから20年ほども前のことになりますが、はじめてロンドンを観光で訪れた時のことでした。

地図を片手にベーカーストリートに向かったのは、もちろんあのシャーロック・ホームズ氏のオフィスを表敬訪問?する目的があったからでした。

ところがベーカーストリートは思ったよりも広く長い通りですし、ただ見渡しただけでは目的の場所が見つかりません。と、前方から近寄ってくるひとりの紳士、まさに黒い三つ揃えのスーツに山高帽に、細く巻いた雨傘の、絵に描いたようなイギリス紳士でした。

あのぉ、失礼ですが、お尋ねしてもよろしいでしょうか、私立探偵のシャーロック・ホームズ氏のオフィスはどちらでしょうか・・・と、私としては一番丁寧な英語で問いかけました。

その方、にっこりと微笑むと言いました。
ふむふむ、日本からのお方だとお見受けしたが、マーム、大変残念なことにな、ホームズ氏はすでに移転なさって、ただ今はその先に見える白いホテルになっておりましてな。いや、なんとも無粋なホテルだが、ただ、あのホテルには彼のオフィスを模した展示室があるというが、今はそれだけですな、宜しゅうございますかな・・・ですって。

当時若かったこの私にマームと言ってくださったあの紳士、あの方のおかげでしょうか、ベーカーストリートが、あのシャーロック・ホームズの時代に、ベーカーストリート・イレギュラーズの子供たちが走り回っていた、ガス灯が点る石畳の狭い通りとして今でも頭の中に残っています。

後年、仕事でロンドンを訪れるようになったある日、現地の方に聞いたことがありました。典型的なロンドンの紳士は、なぜあれほどまでに真の紳士然とした振舞いをするのかと。

答えてくださったのは会社の代表経営者でロンドンの中流階級に属する方でした。
彼らが真に紳士らしく振舞うのは、ひとつに、真に紳士であろうと心がけるからです。彼らは、それぞれ何かしらの立場で、このイギリスを背負う心意気といったものを自覚しています。

イギリスという国にはいまだに階層というものが厳然とあります。上に立つものは下に属するものに、必要なら手を差し伸べ、事あれば彼らを守り、また彼らの生き様の手本にならなければなりません。だからこそ、まず自分を律し常に高めておかなくてはならないのです。そしてそこには、同時に誇りと矜持の気持ちも生まれます。その象徴があの帽子です。

私は自分なりに、あのロンドンの紳士たちの矜持とは、日本の武士たちにみるそれと同じ種類のものだと結論付けました。
今でも、たとえばキャノンボール・ストリートあたりを歩いていますと、山高帽の紳士を見かけますが、あの、ベーカーストリートで案内をして下さったほどの立派な方にはめったにお目にかかることが出来ません。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

貴重な体験ありがとうございました。
貴方の尋ねられた紳士が、丸で日本語でしゃべっているような見事な翻訳ですね(^_^)

日本には武士道のかけらも残っていませんが、英国民は頑固な国民性ですから、まだまだ上流階級のモラルというのは残っているんですね。
山高帽の紳士もまだ健在なんですね。

お礼日時:2009/11/28 09:43

所謂noblesse oblige (高貴の代償)を貴族階級は意識しています。


何代も階級社会を継続していく中で、特権を所持する側はその対価として国家の為に献身する事は義務と考え、王子達も軍隊に入って戦場に赴く事は常識になっています。
貴族階級の男子は、成長期には学問だけでなくスポーツで体力を鍛え、労働者階級の体力を凌駕するだけの精進をする事を求められます。
冨を得た人は高貴になろうと欲し、馬鹿げた浪費をせずに社会貢献を考え、王室から叙勲と「サー」の称号を受ける事を目指します。
数年前のロンドンでも、ビジネス街は黒いスーツ姿が目立ちましたが、昼間の宮殿周りの公園には英国紳士然とした格好が良く見受けられましたし、宮殿に入って行く人の体型はスリムかつ剽悍で、見物客に多く見られる無駄に太った体型と対比を際立たせていました。
ある見方からは「鼻持ちならない」とも言えますが、現在の日本よりは遥かに国際的尊敬を受けられる姿と思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
会田雄二という西洋史家(京大教授)が、先の大戦時の日本と英国の軍隊を比べ、日本では大学の教授や知識人が軍隊で一番下に配属されるが、イギリスの軍隊は社会の上流階層が軍隊の上層部を占め、上官たちは下位の兵隊たちに比べ、皆、圧倒的に体格がいいと書いていたことを思い出しました。
貴重な情報ありがとうございました。

お礼日時:2009/11/28 09:54

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!