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(1)例えばビール1ダースを12月の24日のクリスマスパーティーに運んでもらうよう注文します。そのビールは配達してもらう予定だったんですが地震で届かなかった場合。
物(ビール)の債務者(酒屋)に帰責事由がないけど特定物ではないので危険負担はおかしいと思います。
酒屋(債務者)に帰責事由がないので債務不履行も解除もおかしいと思われるのですが。
不特定物ですが、クリスマスに間に合わないと意味がないので履行遅滞で催告して完全履行を促しても意味がない場合です。
(2) 請負契約に危険負担はあるのでしょうか?
双務契約なので危険負担がありえるとも思います。しかし物権の設定や移転を目的としていないので危険負担は当てはまらないとも思えます。教えてください。

A 回答 (3件)

説明の便宜上、(2)から説明するよ。



(2)条文どおりじゃないの。条文読もうよ。って言うか、多分「危険負担」の意味を間違ってると思うよ。質問者は「危険負担の債権者主義」だけを「危険負担」だと思ってないか?でもそれは違う。危険負担とはあくまでも双務契約において債務者の落ち度によらず債務が後発的に履行不能となった場合に、反対債務がどうなるかという話であって、そこで反対債務が消滅しなければ債権者主義だし消滅するなら債務者主義というだけのことだよ。「物権の設定や移転を目的としていない」場合でも双務契約なら危険負担の問題はあるんだよ。
そして危険負担の原則的条文は債務者主義を定める536条だよ。物権の設定または移転を目的とする場合は、例外的に債権者主義の534条の適用があるだけ。だから、それ以外の双務契約(もちろん請負契約も含む)には、536条の規定が適用されて、原則どおり危険負担は債務者主義になるだけ。

(1)これは定期行為ってやつだけど、まず要件論を押さえようよ。危険負担は、「後発的不能」の場合の議論だけど、定期行為は特定の日時または一定の期間内に履行しなければ意味がないものだけど、その特定の日時または一定の期間を過ぎたからと言ってそれだけで「直ちに履行不能になるわけじゃない」(我妻先生曰く、「観念上は履行遅滞であって履行不能ではない」。なお、条文上の根拠は後述)。だから、危険負担の問題にはならないの(少なくとも自分は、危険負担だと書いている文献は知らないね)。
んで、債務不履行は債務不履行だよ。だって、実際に債務の本旨に従った履行をしてないじゃん。だけど、それが「不可抗力」だから帰責性がないってだけ。そして通説的には、帰責性がない場合には履行遅滞とならないから、解除もできないとなる。ただ、これには反対説もあって、解除は債務不履行となった債務の反対債務者を自己の負担から開放する制度だから、債務不履行となった債務の債務者の帰責性を要求すべきではない考えると、帰責性がなくても履行遅滞だから解除できることになる。
解除できる場合、定期行為には特則があって、542条により無催告で直ちに解除できる(もし仮に履行不能なら543条の解除となるはずであるが、あえて別に条文を置いたのは定期行為の履行遅滞は履行不能ではないからと解すべきである)。
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この回答へのお礼

有難うございます。おっしゃるとおりです、なるべく初歩的な質問はしないよう心がけます。司法書士試験を思い立ち2ヶ月余り。『オートマチックシステム』というテキストだけで勉強していましたが、お恥ずかしながら本日『登記六法』を購入した次第です。特に(2)はきちんと整理して理解できました。分かりやすいです。講義風で親しみを感じました。これからも、もしお気づきになられましたら時々質問するかと思いますのでお時間があるときで結構ですのでよろしくお願いいたします。

お礼日時:2009/12/11 09:47

大変失礼しました、上記回答者様のおっしゃるとおりです。


1)の場合、履行不能とはなりません。
申し訳ございませんでした。
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危険負担です。


 危険負担は、契約締結後に債務者に帰責性無く履行不能になった場合、目的物の滅失などによる不利益を誰が負担するかの基準を定めるものです。
 種類債務でも履行不能は観念しえます(たしかに代替物の給付は理論上際限なく可能ですが、社会通念に照らして履行できないといえる場合はなお履行不能と解すべきです。)から、危険負担は種類債務を目的とする双務契約にも適用されます。
 種類債務の危険負担は、「特定」401条2項の有無によって534条2項による同1項の債権者主義を適用するか、536条1項の債務者主義を適用するかの違いが生じます。
 
 この事例では、定期行為の期日に代替物を給付することが不可能ないし著しく困難だった場合には、ビールの引渡し債務は履行不能と解されます。
 そして当該債務は持参債務なので、現実の引渡し483条でなければ特定は認められないのが原則です。
 よって536条1項により、債務者は反対給付を受ける権利を失います。(酒屋は代金請求ができない。)
 蛇足ですが、定期行為であることは特定の有無に影響を与えないと解されます。持参債務は債権者の現在の住所で給付すべき(484条)であり、それまでの過程でどのような行為をしても、「必要な行為を完了」したとはいえないからです。


 請負契約は特定物の設定や移転を目的とする場合もありますが、仕事の完成が主たる目的なので、双務契約における当事者の公平の観点から債務者主義536条を原則と解し、これによるべきです。
製作物供給契約で制作が完了した場合で、売買契約と同様の債務と同視出来る場合は534条の適用もありえますが、制限的に介すべきと思われます。
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この回答へのお礼

早くて分かりやすい回答をありがとうございました。特に二番目の質問の解説は分かりやすかったです。通常の双務契約は536条で売買契約と同様の債務と見なせるときは、534条ですね。

お礼日時:2009/12/11 09:35

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