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ギターのメイプルとマカボニーの違いを教えてください。
高いギター(Gibson Customとかfender Custom)とかはどっちを使っているんですか?
教えて下さい。

A 回答 (1件)

 ギブソン、フェンダと言ってもどのタイプのギターを指しているのか判りませんが・・・マホガニはともかくメイプルはアコースティックギターにはあまり使われないので、とりあえずソリッドエレクトリックギターの木材、として話を進めます。



 と前置きをしておいて、さて・・・

 メイプルは日本語で言うとカエデ。日本では楽器以外では食用(メープルシロップ)ぐらいしか馴染みが無い木材です。
 楽器用メイプルは、機械強度で分類すると概ねハードロックメイプル(サトウカエデ)とソフトメイプル(ホワイトシカモア=カジカエデ)の2種類に分かれますが、材はどちらも導管がハッキリせず比較的密な組織となっており、その分比重が大きく(故に重く)、強度も高いです。
 外観は乳白色で独特の杢(もく)が出ているモノもあり、見た目がハデなので透明(木地が透けて見える)塗装とマッチします。弦楽器の場合、見える部分(ボディのトップなど)に使うケースが多いです。
 トーンキャラクタは、倍音が(木材の中では)少なく、弦振動の減衰の少ない輪郭のハッキリした音が出ます。
 市場価格ですが・・・メイプルでは、トラ目やバーズアイと呼ばれる杢が出ているモノが密度が高くその分高価ですが、カナダが国策?で植林したメイプル(これが非常に高品質です)が出荷可能となった20年前ほど前からは、楽器用メイプルの価格も大分下がりました。
 いわゆる『ショップ製』と呼ばれるギブソンやフェンダの手作りシリーズで使われるメイプルは、例外無く何らかの杢が出ているモノを使っている様です。

 対するマホガニは、日本語ではセンダン(仏像の木材)で、導管がハッキリしていて荒い繊維構成となっており、(楽器用木材としては)比重が中庸、強度的には柔らかめです。
 外観は暗いブラウン、若しくはやや赤みがかったブラウンで、家具や木像に使う場合は重圧な感じがしますが、楽器用としてはいまいちショボいです。その為、木地色に対し何らかの着色を行うことが多いです。また導管がハッキリ出てしまうので、塗装の下処理には目止めがマストです。
 トーンキャラクタは高域が減衰した音になりますが、比較的長波形の振動(つまり低音)はよく響きます。
 市場価格は、メイプルより複雑です。楽器に適しているマホガニは大きく分けて3種類ありますが、現在ではこれら全てワシントン条約に基き売買が制限されています。
 ギブソン社はそのラインナップで最も多くのマホガニを使っているメーカだと思われますが、今後益々良質のマホガニは入手難となりそうです。

 っというワケで、ギブソン社、フェンダ社それぞれのギターの材質ですが、

※フェンダではネックにハードロックメイプルを使いますが、ボディにはあまり使いません。(あまり・・・というのは、機種によっては少数ながら例外もある、ということです。)
 フェンダのボディは、ホワイトアッシュ(いわゆるトリネコの仲間。昔のテニスラケットや自動車のハンドルの木材です)やアルダ(日本語で言うとハンノキ?薪炭や建築、家具などに使われます)が多いです。マホガニボディも無くはないですが、フェンダ社の製品に於いては少数派です。

※対するギブソンの場合は、ネックはマホガニで作るのが一般的です。(‘70年代には盛んにネックをメイプルで作りましたが、それ以前や現在は、概ねマホガニネックとなっています。)
 ギブソンはボディもマホガニとする事が多く、レスポールのスタンダード系のみトップにメイプルを貼っています。これはトーンバランスもさることながら、見た目の美しさを追求した結果でしょう。(ボディが全てマホガニで出来ているレスポール・カスタムやSGも明確に『ギブソン・トーン』が出るので、レスポール・スタンダードのメイプルトップはトーンに対して絶対的・支配的な役割は果たしていない、と考えられます。)
 過去には、フルメイプルボディのギターなども作っていた事がありましたが・・・あまり売れず、今日ではマホガニボディか、マホガニのバックにトップだけメイプルを貼ったモデルが多くなっています。

※さて、一般論としては。
(1)メイプルは重く鋭いトーンの材質で、また導管が細かいのでシーズニング(乾燥工程)が難しく、エレキギターのボディの様に広い面積で使う事はあまりありません。(ここでも、あまり・・・というのは、若干ですが例外もあるということです。)
(2)マホガニは本来スカスカの木で(マホガニを重い木材と思ってらっしゃる方が多いですが、楽器への使用に耐えるよいマホガニは、どちらかというとスカスカです)、強度的な理由でネックに使うのは結構難しい材質です。故にギブソン社自身、'70年代にはメイプルネックのレスポールを作っていたワケですが(ネック折れのクレームが少なからずあった様です)・・・ただ、マホガニネックは独特のトーンを持ち、強度的な理由だけでは採用を断念出来ないところがあります。
 よってマホガニネックはギブソン社に限らず他メーカでも製作されていますが、メイプルネック以上にネック折れに気を使う必要があります。
(3)フェンダ社がボディに使うホワイトアッシュやアルダは、ボディ材としてはマホガニに劣らずポピュラーですが、ネック材としての使用例は皆無と言ってよいほど少数です。ホワイトアッシュは軽く丈夫な木なので(だからテニスラケットにも使われていたワケですが)、ネックに使用するのもアリだとは思いますが。
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この回答へのお礼

ものすごくためになりました。
とてもありがとうございます。

お礼日時:2010/01/10 00:11

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