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半導体の、ホール(正孔)について疑問があります。

ホールの移動の際には元のホールの位置に、半導体シリコンにおいて共有結合をしている電子が移動してその穴を埋め、その結果新しくホールができるため、あたかもホールが移動して自由に動く正電荷のようにふるまうため、キャリアとして働くと理解しております。

ここで疑問なのですが、どうして共有結合の電子がそんなにも簡単に他の場所に移動できるのでしょうか?もしも共有結合をちぎっているならバンドギャップ分のエネルギーが必要となりますし、それならそもそもp型半導体というものは意味がなくなるので、ポテンシャルの壁は超えずに移動しているのだと思います。

様々な本やサイトを調べたのですが、「荷電子帯中のホールと電子にはエネルギーの差がないのでホールと電子が自由に入れ替わる」とありました。たしかにバンド図では同じエネルギーバンドの中にいますが、どうも共有結合ということを考えるとしっくりこないのです。
(各々の電子の波動関数の重なりもそんなに大きいようには思えませんし・・・。)

また、この記述通りなら、トンネル効果を起こしている訳でもなさそうですよね・・・。


だらだらと長くなってしまいましたが、結局のところ、どうしてホールが自由に動くことができるのか?ということが厳密に理解できず困っております。
専門分野ではないのですが、ここを理解しないとどうも次に進めないようで・・・。

どうぞよろしくお願いいたします。

A 回答 (4件)

多分「共有結合」という言葉に囚われすぎています。


高校の化学で習うように、原子核の周りに点を8個打つと、あたかもそこに電子が固定されているように感じますが、実際は(半古典的には)4つの電子軌道に8個の電子が飛び回っています。
そして1個の電子に注目すると、電子軌道間ばかりでなく、原子間も自由に移動しています。
(何故なら、エネルギーバリア、つまりエネルギー差がないから。あるのはパウリの排他律のみ。)

確かに、1個の電子を真空準位に取り出すには大きなエネルギーが必要ですが、一度ホールができてしまえば、そこに隣の電子が移動してくる、つまりホールが隣に移動するのは容易なことだ、ということです。
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この回答へのお礼

この場にて、質問に回答を下さった皆様にお礼を申し上げたいと思います。
皆様のおかげでだいぶイメージをつかむことができました。
お礼が遅くなってしまって大変申し訳ありませんでしたが、本当にどうもありがとうございました。

なお、疑問を解消する上で、どの回答も大変参考になりましたが、
私にとって一番イメージがつかみやすい回答だったsemikumaさんの回答をベストアンサーとさせていただきます。

お礼日時:2010/06/07 00:33

 共有結合『なのに』動くのではなく、共有結合『だから』動けるのです。


 高校の化学では、共有結合が原子間の棒のように表現されることが多いので誤解されているのかもしれません。価電子帯の電子も、伝道帯の電子も、どちらも個々の原子に束縛されておらず、結晶全体で『共有』されているのです。
 なお、価電子帯と伝道帯は、化学結合の結合性軌道と反結合性軌道に対応します。つまり前者は孤立原子状態よりもエネルギーが低く、後者はエネルギーが高くなります。そのため、真性半導体では、価電子帯から伝導帯へ電子を励起すると、結合を弱めているといえなくはありません。ですから、真性半導体でホールを作るのが難しいというのはそのとおりです。でも実際にはほとんどの半導体は不純物ドープされていますので、真性半導体よりずっと簡単にホールを作ることができます。
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この回答へのお礼

semikumaさんのお礼欄に、皆様へのお礼を書かせていただきました。

お礼日時:2010/06/07 00:33

p形半導体において「どうして共有結合の電子がそんなにも簡単に他の場所に移動できるのでしょうか?もしも共有結合をちぎっているならバンドギャップ分のエネルギーが必要となります」という点、私も同感です。


「共有結合をちぎって」電子が移動し、その後に正孔が残ることは、(自由)電子と正孔の対が発生したとも解釈できます。逆にホールの位置に電子が移動することは、再結合に他ならず、バンドギャップに相応するエネルギーが放出されるはずだと思います。キャリアの移動毎に、(p形半導体の場合だけ)このようなエネルギーの消費と発生が起こっているとは不自然です。なぜなら、キャリアの移動は極めて簡単に起こる現象ですが、キャリアの発生/再結合はなかなか起こり難い現象であるはずです。
ともかくも、自由電子と正孔の移動の原理には大きな違いがあります。ところが、実際にはむしろ似た特性が観測されます(例えば、http://oshiete.goo.ne.jp/qa/258550.html "正孔の不思議"中の私の回答)。
電子の過不足でなく電子軌道の過不足で、自由電子と正孔を説明するモデルがあります(電気学会の研究会での発表あり)。http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2363244.htmlの私の回答を参照して下さい(特に5番目)。このモデルでは、電子(軌道)の移動は隣の原子に移るだけです。なによりも、自由電子と正孔の移動現象の違いが小さいことの説明がしやすいと思います。どちらの場合にも、隣の原子との共有結合の解消と再形成、そして最外殻軌道の移動という共通要因から構成されるからです。

参考URL:http://oshiete.goo.ne.jp/qa/2363244.html
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この回答へのお礼

semikumaさんのお礼欄に、皆様へのお礼を書かせていただきました。

お礼日時:2010/06/07 00:34

要はホールを作る元となる不純物による準位がバンドのどこにできるかということです。


これが、荷電子帯のすぐ上にできるので、大きなバンドギャップを克服するエネルギーが必要なく、容易に励起されて遍歴性をもちます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
それはp型半導体の話ですよね。
しかし、真性半導体の場合でも光電効果等でホールができた際にもホールが自由移動できますよね?
アクセプターの存在は単にホール供給源で、実際のホール移動は半導体シリコン中の共有結合電子がホールを埋めていることに起因していると思います。
では、自由電子でもない共有結合中の電子(束縛されている)が、ホールを埋めるように移動できるのでしょうか、というのが私の疑問です。

お礼日時:2010/05/21 20:24

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