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福岡選出、民主党、野田くによし衆議院議員がtwitterで
口蹄疫が都城市に飛び火したというニュースを聞いて震撼させられました。初期の封じ込めが何より重要です。宮崎県ガ三週間ほど見逃した事が一番大きかった、残念です!
述べられています。
宮崎県がダメだったんでしょうか?

http://twitter.com/nodakuniyoshi/status/15835136 …

A 回答 (2件)

 家畜衛生分野の獣医師です。

ウイルスにも専門知識を有しています。派遣防疫員として宮崎県で殺処分にも従事しました。

 まず今回の宮崎での発生ですが、少なくとも初発例に関しては疑うチャンスを一度逃しているのは確かですね。4/9に診療獣医師が口蹄疫を疑う通報をしていて、それを県の家畜保健衛生所(家保)の獣医師が「経過観察」という判断をしているわけですから。

http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nose …

 ただ、ご質問の野田くによし議員のtwitterでは「3週間」と書かれているので、これは6例目の水牛の話でしょう。初診が3/31ですから、検体送付の4/23までほぼ3週間です。

http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/nose …
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/10042 …

 これについては、3/31の通報も下痢と発熱で口蹄疫を疑うようなものではなかったという報道ですし、この4/22の検体送付にしても口蹄疫を疑うような臨床症状はなかったものの、初発例の疫学関連農場ということもあって"念のため"検体を送付した、という感じです。
 もし事実がこのプレスのとおりなら、「見逃していた」というより宮崎県の「手柄」でしょう。ウイルスの侵入が3月にまで遡れることが判明したのですから。

 まあ、初発の段階で口蹄疫を10日間放置してしまったことは判っていたわけですから、今後の展開についてあまり甘い見通しは持てまい、とは遠く離れた地で報道&プレスを見て感じてはいました。
 なので、この時に防疫指針どおりの半径10kmの移動制限で良かったのか、という疑問は持っていました。指針では最大30kmまで移動制限区域を設定できるですから。(ちなみに10年前に宮崎県で発生した時は防疫指針の制定前でしたが30kmの移動制限区域を設定しています)

http://www.sat.affrc.go.jp/joseki/Houki/KADENHO/ …

 その後も毎日1~3例の発生があって非常に危険な状況に思えたのですが、その予断を許さない状況下で農水大臣が外遊に行ってしまったのも、ちょっとあり得ない話ではありましたね。

 口蹄疫は国際的にも最重要視されている伝染病で、防疫指針でも発生と同時に家保に「現地対策本部」、都道府県庁に「県防疫対策本部」、そして国に「中央防疫対策本部」が自動的に設置される、という「国家防疫」の体制で対応する伝染病です。
 その中央防疫対策本部長が農水大臣ですから、本部長が対策実施中、それもまだ予断を許さない状況下で留守にする、ということがあり得ない話であるのは容易に理解できると思います。

 連休に入る頃には既に「殺処分頭数が発生頭数に追いつかない」状況になっていました。
 連休明け頃(5/6)に1日に10例以上の発生があって、「追いつかない」状況に拍車がかかっていたわけですから、この時点で「ワクチンの使用&地域全ての殺処分」を検討しても良かった、とも思います。

 ワクチンの使用は、接種動物全てを殺処分することを前提にしています。つまりこれはもはや感染拡大を食い止めることができない場合に、その地域全ての家畜を殺処分して止めるという「焦土作戦」です。
 単に全てを殺処分といっても、発生農場の殺処分に追いついていないわけですから、その「殺処分する地域」にワクチンを接種して感染拡大の速度を抑える、ということです。
 つまりワクチンは地域の殺処分=焦土作戦のオプション、というわけです。

 当然ワクチン接種&殺処分される農場にも補償しなければなりませんから、国にとっても家畜がゼロになって税収がなくなってしまう都道府県にとっても、もちろん感染してもいないのに強制的に殺処分されてしまう農家にとっても、とても重い決断です。
 ですから、このような決断は都道府県レベルではできません。国の仕事です。

 という対策も、全てが少しずつ後手だった、とは思います。決して「県も国も何もしていなかった」というわけでもありません。全てがほんの数日遅かった、という程度の話です。
 その数日の遅れがこういう結果を招いてしまうのが、この口蹄疫が恐れられている理由です。
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最初の発生例で県の家畜保健所が兆候を見逃していたのが、重大なミスだったのは間違いありません。

ただ、現場に責任を押し付けるのは酷です。
口蹄疫を疑って行動を起こすのは社会的な影響が非常に大きくてプレッシャーがかかります。初期症状を未体験者が見逃すのは人的エラーの範囲でしょう。この時(4月9日)の状況は、発見した獣医さんがNHKの「追跡 A to Z]で実名で報告しています。
問題はその後の対応です。発生が確認された直後の報道では、素人の東国原知事はともかく、担当者までもが風評被害のほうを気にしていました。10年前に発生したときの被害が小さくて、油断していたとしか思えません。4月28日に感染疑いが一万頭を超えて、県だけでは手に負えない状況がはっきりしてきているのですが、国への要請やマスコミへの働きかけが不十分で、県外の畜産業界では情報が入らずヤキモキしていました。
結局、全国で大問題になったのは、5月10日頃の話で、この時には被害は10万頭を超えていました。
発見が遅れたのは事実ですが、それ以上に発見後の対応が緩慢だったのが被害を大きくしており、この点で、国だけでなく、宮崎県や報道機関の責任は逃れられないと思います。
ただ、現場の人は手一杯頑張っているようなので、今現在は、責任論の追及を持ち込まないようにしましょう。
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