武道の人間形成。
武道では人間形成を重視していますね。わたしは武道ではありませんが西洋剣術というそれに類似したようななものを趣味としております。私自身はあくまでも趣味と研究を目的としていましたが、最近、若者がエクスカイヤ(従騎士。弟子のようなもので師弟関係を契約する)を申し込んできました。
海外ではこの関係のシステムはきちんとあり、マスターレベルはすばらしい人ですが、日本のグループは小さくマスターなどはいません。私のグループはノブリス・オブリージュを大切だとしていますが、道徳を教える団体ではありません。遊びと活動のなかでそれが養え、日常に生かせればよい程度の認識でした。
単に技術的なことを教えたり使用する武具の援助をするだけならよいのですが、しかし、この関係となると騎士道といった精神面をむしろ教えていかねばなりません。これは相手の精神、価値観、思想、哲学にわたしの行動が強く影響をあたえることになります。若者一人の将来を左右することにあり、非常に責任が重大で(積極的ではなくても)マインドコントロールをすることになるからです。
私自身、人間形成がなっているとは露ともおもっていません。
日本の武道では剣道始め「人間形成」が大きくうたわれていますが、具体的にはどのような指導をしていますか?
武士道そのものを話題として価値観、思想、哲学をことばで語るような指導をしていますか?
礼儀作法など形や武術を通じて学ぶ云々ということではなく、武道を通じての思想教育をどのように実践し日常にいかしていますか?
師範はその師弟関係の重大さをどのように認識し行動をしていますか?
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>「人を守れず何が武術か?」
と自分が習っている武術そのものの存在を問い直さねばなりません。
弟子がお年寄りが金を奪割れるような状況を見たとき、人間形成的見地からはどのようにするのがよいと
偉い人は答えるのでしょうか?
「人を守れず何が武術か?」という命題ですが、確かに使えなくて何が武術かという側面はありますが、イコール「人を守る」ということでもないでしょう。「自分自身を守る」という選択肢は当然ありますね。「何をも守らない」という選択肢もある。武術が確かに殺傷の技術であった時代はともかく、現代社会において武術を人に対して使うということがどういう意味を持つかは単純には答えられないでしょう。
たとえば「お年寄りが金を奪われる状況を見たとき」に武術をもってお年寄りを助け出すばかりが正義ではない。すぐに110番して警察を呼ぶという方法もある。そのほうがいたずらに人を傷つけないかもしれない。このような時は「人間形成的」見地から判断するよりも法律的、社会的に考えるほうがはるかに現実的でしょう。そのような状況を総合的に判断して「武術を使い、敵を制圧する」ほうが有効であり、法的にも違法性が阻却されると判断すればやればいい。そういうことです。
弟子に「無法を見れば戦え」と教えることはたやすいですが、それほど単純な社会構造ではないということです。武術を志す者にとってはせちがらい世の中になったと言えばそれまでですが。
2度のご回答有難うございます。最近交流し始めたある古武道/忍術/居合いの方にも相談したところ
「私の師匠の@@先生がいつも言っておられるのは、「義」のためには 命を捨てられる覚悟を持つ、ということです。これはあの秋葉原のようなときにも、あてはまると思います。」
とストレートな回答をいただきました。あるところにはこのように教えているところがあると、わかったしだいです。
また、アメリカにいる私の最も尊敬するナイトからは「君は人間そのものを育てているんだ。それを忘れてはならない。そして人を育てるということは君自身も試されていることをわすれるな」とメッセージが来ました。
No.5
- 回答日時:
>「私の師匠の@@先生がいつも言っておられるのは・・・・・・・
うーん、最初の師匠の言葉は非常に無責任ですね。観念的なことってのはいくらでも言えるんで、「じゃあその場にあんたがいたらどんな行動をとっていたんだ」という突っ込みには何も答えられないでしょう。「私がその場にいたら命を賭けて戦っていただろう!」なんて言ったって仮定の話じゃなにも答えたことになりませんから。
まだアメリカのご友人の言うことの方が現実的で合理的ですね。
現代において武術の実践を語るということは観念に流れることではありません。社会環境や法律等あらゆる事象を考慮に入れ、慎重な考察を重ねる必要があると思います。
それをしないなら単なる健康法か身体操法だと割り切ってやるほうがはるかに現実に則しています。
いろいろ考えましたが、このように思います。
これは単に武器技術の研究を教えることではなく、人を教えることです
では何を教えるか?
騎士道の反対は自己保身。財産や地位を守ることに執着すると嘘をつき、人を守らず、サービスもしない。礼節と真実は消え、勇気は見られず公正は欠け、義に劣るようになります。昔、人はそれぞれに哲学がありました。現在社会ではお金と安全こそが最優先、至上主義となりました。これはまさに保身そのものです。「彼に何かあった場合、私が責任を問われる」ゆえ「義をとくのは無責任である」このようなことになります。ならば、私自身保身をして責任を逃れていることになります。私自身がそのアイディンテティを問われることになります。したがって、私はその責任を取る覚悟で義を通すよういうでしょう。
もっとも現実に沿った最善の策を考えよというでしょうが「決して見て見ぬふりをしてはならない」というでしょう。保身を優先する現代では異端の考えですが、人として恥ずかしくないことをせよ」は武士も騎士もかわらないはず。それを言い切るだけの器を私は今から自分がそうなるように、作っていきます
No.3
- 回答日時:
>日本の武道では剣道始め「人間形成」が大きくうたわれていますが、具体的にはどのような指導をしていますか?
武士道そのものを話題として価値観、思想、哲学をことばで語るような指導をしていますか?
「これ」というのがないってのが現状でしょうね。当然御認識しておられるように「武道」「武士道」の思想というものは特に系統だったものではありません。武道の神髄を語るのに仏教の言葉を借りる人もいれば神道の修行を取り入れる人もいるでしょう。新体道の青木宏之氏はクリスチャンですから、彼が語る武道観には多分にキリスト教の影響が表れているとも聞きます。
極論すれば、武道や武士道の哲学は「全て個人に帰する」と言っていいと思います。実際武道の世界にはとてつもなく強くてとてつもなくアホな奴がたくさんいますから。
>「弱者保護は騎士の義務なので、見知らぬ通行人のために、君は命をかけて犯罪人と戦え」といってよいかということです。
言っていいと思いますけど、そこには責任が伴いますよね。もし弟子が師匠の言葉を信じて犯罪者と戦い、命を落としたとしたら。法的に、道義的に問題はないかもしれません。でもその師匠は一生その責任を負わなくてはならない。その覚悟があればそう教えてもいいでしょう。
更に、弟子に教えるからにはあなたもそうでなければならない。例え命を落とすかもしれない場面でも。
それらの覚悟が出来ているのなら教えてかまわないと思います。
この回答への補足
まさに責任がつくのです。しかし、「人を守れず何が武術か?」
と自分が習っている武術そのものの存在を問い直さねばなりません。
弟子がお年寄りが金を奪割れるような状況を見たとき、人間形成的見地からはどのようにするのがよいと
偉い人は答えるのでしょうか?
どっちに転んでも後悔するなら、行動こそ勇気というのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
>騎士道に「弱者の保護義務」というのがあります。
「弱者保護は騎士の義務なので、見知らぬ通行人のために、君は命をかけて犯罪人と戦え」といってよいかということです。shizmo様、面白い命題をありがとうございます。
逆にお聞きしたいことがあります。
shizmo様は「君は命をかけて犯罪人と戦え」と弟子に教えているのでしょうか。
色々な道場をかけ歩いたけど、
そのようなことを教えている道場はひとつもありませんでした。
理念としての道場訓を練習の最後に復唱しているだけです。
武士道は武士の基本ですが、
剣道は武士育成ではありません。
剣道の作法、戦い方を学ぶだけです。
作法は教えてくれますが、思想教育はしていません。
この回答への補足
まさにその点が問題なのです。
そのように教えるべきなのかが悩みなのです。
私どもは剣術技術を教えていますが、その背景には騎士道というのがあります。
道徳教育をしているわけではありませんが、ナイト・エスカイヤ(スターウォーズのマスターとパダワンのように)関係をあえて求めてくるならば技術師範だけではなく師として私自身があらねばならないと考えています。
「自己犠牲」というのもあります。これは神風特攻のようなものではなく、「相手が少しでも良くなるために自分の何かを分け与えよ」ということなので、ボランティア団体や災害のお金の寄付や労働です。
「礼節」常に相手を敬え。「寛容」人を許せ。「自制」不要な武力をつかうな。「誠実」心を偽るな「勇気」行動すること。「信心」汝のこころに信じるものを持て。・・・
私はこのように解釈しています。
騎士道というのは戦いだけではなく、他者のサービスということを教えていきたい。日本の場合は武道は理念をキーワードとして人生に生かすことを暗黙で行っているのかもしれませんが、騎士というのは基はキリスト教の宗教戦士でご存知のようにこの宗教は大変アクティブです。
~せよ。と義務と契約があり厳しい。そこまで厳しくすることは考えていませんが、「君はこのような場合騎士を目指すなら~すべきだ」と具体的な行動を示す必要はあるでしょう。
まさにそれは思想教育になってくるのです。
私はキリスト教徒ではないしそれにとらわれるつもりはありませんが、騎士の十戒は自分の人生を正しく、恥ずかしくないために生きるにはかなり役に立っています。しかし、それを教えるのは責任が大きい。自分が正しいと思っていてもそれを他者に指導してよいのか?そこが悩みなのです。
No.1
- 回答日時:
知っていると思うけど、あえて書いておきます。
いわゆる武道と呼ばれるものは、明治に御代になって「学校教育に使えるように」と様々な剣術をまとめ上げたものが最初。
柔道だって、講道館を立ち上げたのは、柔術を見せ物にするのではなく人に教えるものとして確立させるためなのだし、
空手なんて、武道に成り上がったのは昭和を過ぎてから。
しかも本土に渡った当時は胴着も組み手のルールもなく、柔道着と剣道ルールを採用して成り立つほど、混乱を極めていた。
つまり、武道にはあなたが求めているような高尚な思想哲学はありませんよ。
ましてや武士道でいえば、あの有名な葉隠も、記述の大半はビジネスマナーの指南書です。
「武士道は死ぬこと見つけたり」この一説の後にも、
「私だって人間だ、生きる方が好き」とか「でも思い通りに行かずに生きながらえたら恥」とか「その境界は難しいねぇ」とか「でも当てが外れて死んだら犬死にだ。恥じゃないけどね」とか
明快な解のある価値観ではない。
西洋の騎士道がどのようなことを教えているか知りませんが、もし制度として思想哲学を教えているのなら、西洋人ならではです。
彼等が政治上でも過度な人権や平等を謳うのは本質が残虐で差別主義だから。制度として作らなければまともにならないのと同じです。
翻って日本人を見れば、おそらくは、あなたのいう礼儀作法や形云々のみを教育としているはずです。
なぜなら、宣教師曰く「塵にも神を見つける」民族だからです。一つ一つの行為に意味を汲み取り、価値観へ昇華させています。
もちろん仏教などの思想も入っていますが、日本の仏教も土着の色が強いですからね。
知っている人に、空手道場の内弟子になった人がいます。まあ数年では変わりようがないと思いますが、以前と変わりありませんね。
その師匠は、会社では重役、流派では全国レベルでも幹部、でも不倫をして愛人を道場に通わせている、なんてね。
じゃ、この人がまともな師匠になれないか?んなこたぁない。開祖の孫弟子、やはりしっかりしたものを持っている。数年つき合いましたがそれくらいは分かる。
もし具体的な方法論を知りたければ、自分が道場に通って内弟子になりましょう。
知りたいことを知る。奥深くのものを手に入れる。そのための内弟子でしょ?
今は足を知る、でいいじゃないですか。自分の能力も、武道や騎士道の思想哲学も、そうたいしたものじゃない。
この回答への補足
有難うございます。
騎士道に「弱者の保護義務」というのがあります。極端な話、秋葉原のような事件に遭遇した時、たまたま練習の帰りに盾と剣をもっていてたとして
「弱者保護は騎士の義務なので、見知らぬ通行人のために、君は命をかけて犯罪人と戦え」といってよいかということです。
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