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基板設計での電源の引き方について、ベタで引くかパターンで引くかどちらがよいのでしょうか?

私は基板設計に携わって半年ほどなのですが、今度電源の引き方について勉強会をすることになりました。

そこで、今までは先輩からインピーダンスを低くするために、電源はベタで引くという話を聞いていましたが、
以前セミナーを受講したところ、トランスファーインピーダンスを低くするために電源はパターンで引いた方がよいといった話を聞きました。

これらの話はいったいどういうことなのでしょうか?
理屈がいまいちわかりません。
両者のメリット/デメリットは何なのでしょうか?

また、参考URLや参考書籍があれば教えてください。
よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

>基板設計での電源の引き方について、ベタで引くかパターンで引くかどちらがよいのでしょうか?



回路設計者です。難しい問題ですよね。

私は、以下の三つの問題の対応を重視しています。
(1) ノイズ対策
(2) 共振対策(プレーン・バウンス)
(3) 熱対策

ノイズ対策

基本は
電流のループの面積を周波数に応じて可能な限り小さくする
ということになると思います。そのためには、電源ラインとグランドをペアリングしたパターンで配線する必要があります。もし電源ラインとグランドをプレーンにしてしまうと、電流がどう流れるか不明なため制御できないという問題が発生します。とりあえず、POLのDC-DCコンバーターまでは、パターンで配線するのが良さそうです。電流は最もインピーダンスが小さくなるように流れるという法則がありますから、ごちゃごちゃ部品が接続されたグランドプレーンをどういう風に電流が流れるかは予測が難しいと思います。

共振対策

クロック周波数が高くなり、波長が基板のサイズより小さくなるとプレーン・バウンスを考慮しなければなりません。バス・クロックが300MHzとかになると、高調波は1.5GHzを超えるので、その波長は数cm以下になります。プレーン・バウンスが発生するとグランドの電圧が共振のポイントで大きく変動すると共に、プレーンの角から電磁波を放射します。最近の低電圧のデバイスでは、これが誤動作を引き起こす可能性もあります。もっとも良い方法はプレーンのサイズを小さくしてしまうことですが、昨今のパッケージの大型化によってそうはいかないところが難しいのです。

熱対策

電源プレーンは多くの場合、「パワーデバイス」や「大電力を消費するデバイス」の放熱の機能としても使用されます。従って出来るだけ表面に広い面積を確保したいのですが、現実にはそうはいきません。また温度が高いプレーンと温度が低いプレーンをMLCCで接続した場合に、片方の端子のみ加熱されるので深刻なダメージを与えることがあります。さらにプレーンの温度の上昇は電気抵抗の増大を引き起こしますから、それによって電源電圧の低下、信号の遅延などにも影響を与えます。
昔ハードディスクの電源ラインがCPUの近くに配線されていたために、温度が上昇するとハードディスクが停止するというトラブルも体験しています。

>また、参考URLや参考書籍があれば教えてください。

パワーインテグリティのすべて 「電源ノイズを抑えるプリント基板設計」 翔泳社

は持っていますが、これは電源基板のインピーダンスを解析する参考書で全てを網羅している訳ではありません。

何か、大雑把な内容になってしまいましたが少しでも参考になれば幸いです。
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この話は極めて奥が深い話で簡単には説明できません。



デジタルとアナログが混在するものや複数の電源を使用する回路ではアースも複数になり
どのアースを何処で接続するか、それぞれをベタにするかパターンにするかなど極めて複雑になります。
この問題は「パワーインテグリティ」として最近の話題になっています。
検索してみてください。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。

まだ確立された内容ではないのでしょうか。

パターンで引いた方がよいという説の理屈だけでも
筋道を立てて説明できればと思うのですが。

とりあえずパワーインテグリティで検索してみます。
もし何か具体的な参考ページなどありましたら教えてください。

お忙しいところお答えいただき、ありがとうございました。

補足日時:2010/08/18 23:05
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