プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

 高校物理の「仕事」の考え方がよく分かりません。教えていただけないでしょうか。

 水平面上の物体に水平方向の力Fを加えてxメートル動かしたとき、「力Fは物体にFxの仕事をした」と言うようです。この時、なめらかな水平面であれば、確かにこの仕事は力Fのものであるように思えます。納得できます。
 しかし、あらい水平面の場合は、仕事は力Fと摩擦力の両方によって成されたように思われるのに、「力Fの仕事」と捉えるような記述がされています。また、別の捉え方で、「摩擦力が負の仕事をした」とも言えるようです。
 これを「力Fと摩擦力がした仕事」と呼ばずに、それぞれの力が仕事をしていると考えてしまったら、総合的に物体には2倍の仕事がなされるようにも思え、このあたりがこんがらがってしまい、よく分かりません。

 おそらく、僕は仕事という概念がよく分かっていないのだと思います。
 しかし教科書にも「物体に力をはたらかせて動かすとき、大きな力をはたらかせるか、または遠くまで動かすほど大きな仕事をしたと感じる。」と書かれているだけで、そのあといきなり計算の話に入ってしまい、そのあたりがよく分かりません。先生に聞いても、僕の言っていることがよく分かってもらえませんでした。

 初歩的な問題かもしれませんが、説明をいただけたら幸いです。

A 回答 (5件)

こうした混乱は,教科書などの記述にも責任があります。



「物体が力を受けて移動したとき,その力は物体に仕事をしたという」

などという説明がなされているからです。移動の原因になった力こそが仕事をしたと誤解される説明ですが,そういう考えをもしお持ちでしたら,その考え方はきっぱり捨ててください。一般に物体はしばしば複数の力を受けていますから,その力ごとに仕事は考えることができるのです。

たとえば,重力mgとつりあう力Fで物体を高さxだけ押し上げたとき,

押し上げる力は,F×x=Fxだけ仕事をしたといいます。
重力は,mg×(-x)=-mgxだけ仕事をしたといいます。

後者にマイナスがつくのは,力と移動方向が正反対だからです。

※さらに発展すると,「仕事=力ベクトルと変位ベクトルの内積」
というのが正確な定義になります。このことについては,学習の進行を
待った方がよいでしょう。とりあえず,
「仕事=力×力の方向に動いた距離(逆向きならマイナスとする)」
と理解してください。

つりあいからF=mgですが,両者の仕事は符号が逆で合計するとゼロです。
つまり,合力がゼロならば,仕事の合計もゼロとなってつじつまがあうわけですね?

物体が受ける力の数だけ,仕事は定義することができると考えましょう。
    • good
    • 1

「仕事」をどのように理解したいのかによります。

仕事の本当の意味を理解して応用したいのか、単にテスト対策なのかで、理解の仕方を大きく変えたほうが良いと思います。私としてはもちろん本当の意味を理解していただければと思います。

仕事とは、「エネルギーの変化」です。ある系があるエネルギーから別のエネルギーに変化した場合は必ず系外との間で仕事が発生しています。物理での「仕事」とは、ある系から別の系への「エネルギーの受け渡し量」を示す言葉です。

教科書の最初のほうに書かれる「力Fで距離Dを動かした場合の仕事はF x D」と言う定義は、仕事の本質を表していません。

物体の運動エネルギーなどについては既に授業で出てきたでしょうか。上述の初歩的定義は、「力をかける前の運動エネルギー」と「力をかけ終わった後の運動エネルギー」の差を計算すると、「たまたまF x Dになった」と言う程度に考えたほうがよろしいかと思います。高校レベルの代数でもこれは簡単に証明できます(もし暇があったら計算してみてください)。

ですので、運動エネルギー、すなわち「物体の速度」が変化しない場合には「仕事=ゼロ」です。たとえば、押す力と摩擦力が完全につりあっていた場合、物体は全く動き出さないので力をかける前もかけた後も運動エネルギーはゼロ、つまり仕事はゼロです。

仕事はこのように「最初の運動状態」と「最後の運動状態」の「差分」です。ピッチャーの投げたボールの投げられた直後は時速140kmでもバッターの近くでは時速130kmになっている場合、運動エネルギーは時速10km分減っていることになります。つまり、ボールは「マイナスの仕事を及ぼされた」と考えられます。この仕事をした主役は空気抵抗ですから、「空気抵抗はボールに対してマイナスの仕事をした」と言えます。空気抵抗がマイナス方向の力をかけながらボールはプラス方向に移動した、と言う定義よりも直感的に分かりやすいのではないでしょうか。

以上参考になりましたら幸いです。
    • good
    • 2

 “仕事”とは本来,ある人が物体に力を加えてしんどい思いをしてその力の方向に動かしたとき,その人のがんばりを,(力)×(その力の向きの移動距離)で評価するものと考えて良いと思います。

このように定義されてしまうと,たとえば5[N]で1[m]動かしたときと,1[N]で5[m]動かしたときでは仕事は同じ値になります(もちろん,力の向きと移動方向は同じとします)。言ってみれば,小さい力で大きく動かしても,大きな力で小さく動かしてみても,仕事の値は同じなんですね。
 さて,進行方向に対して逆向きの力が行った仕事というのはどう定義するのが良いですかね?これは負の仕事と言う定義になります。つまり綱引きであなたががんばっているんだけれど,あなたの力とは逆向きにあなたが引っ張られてしまったら,あなたの力がした仕事は負となるんです。
 例えばあなたが粗い水平面上で物体を水平に引っ張って,あなたの力の向きに物体を動かしたとします。あなたの力がした仕事は正の値になるのですが,摩擦力は邪魔ばっかしてるので仕事は負の値になります。またあなたが等速で引っ張っていたとなると,力はつりあっているので(慣性の法則)合力は0で,仕事も0です。これはあなたの力がした仕事と摩擦力がした仕事を合計しても0です。物体に外力がした仕事は,外力の合力で仕事を求めても,外力個々に仕事を求めてそれを合計しても同じ値になります。
  …と,雑な説明ですが仕事にイメージを持ってもらえたでしょうか?これからも勉強がんばってください!!
    • good
    • 3

「物体に力をはたらかせて動かすとき、大きな力をはたらかせるか、または遠くまで動かすほど大きな仕事をしたと感じる。


 この引用は正確ですか??

 仕事というものは、あくまで主語と述語というか、二つの物体間のことです。

>しかし、あらい水平面の場合は、仕事は力Fと摩擦力の両方によって成されたように思われるのに、
 では、極端な例で、「押しても動かなかった場合は??」、これはバケツを持たされて廊下に立たされているのと同じで、物理での仕事はされていませんね。
 物理での仕事は当事者間だけの問題です。

>この時、なめらかな水平面であれば、確かにこの仕事は力Fのものであるように思えます。納得できます。
 本当ですか??実際にはあり得ないですよね。もし摩擦もない水平面だとすると、力を加えられたら、物体はどんどん速度を上げて力を加えるのをやめたら、その速度でずうっと永遠に滑っていくはずですね。
 このときは、仕事によってその物体の運動エネルギーが増大してしまうことになります。あなたが納得した「なめらかな水平面であれば、確かにこの仕事は力Fのものであるように思えます。」は、やはり摩擦がある場合で、しかも速度の変化を考慮していない。実際の運動は(静止)摩擦に打ち勝つ力を加えられると物体は、動摩擦を差し引いた力によって加速され徐々に速度を上げていく、力を加えるのをやめると動摩擦によって物体の速度は低下してやがて静止する。はずですよね。

 「なめらかな水平面であれば、確かにこの仕事は」は、実際に起きるとしたら、滑り始めている物体に動摩擦と同じ力を加えて一定の速度で滑らせ続けているときの現象について言えることです。加えている力は押している自分と物体間では「仕事=力×距離」ですし、床と物体についても、やはり「力×距離」--この場合は負の値--と考えればよいです。
 結果的に加えられた力は、摩擦の熱エネルギーとして変化している。

 物理の最初に書かれているF×Lは、仕事という概念(二つの物体間!!!)を理解するための物だと考えるとよいでしょう。

{総合的に物体には2倍の仕事}ではない。それは物理以外で使われる仕事という言葉と混同している。向きが逆ですし、対象となる二つの物体も違う。

「物体に力をはたらかせて動かすとき、大きな力をはたらかせるか、または遠くまで動かすほど大きな仕事をしたと感じる。」が、それは物理での仕事ではない。たとえば重たいものを抱えて立っていても仕事ではない。
    • good
    • 2

「仕事」の考え方は、簡単です。


物体にかかる力(摩擦力、クーロン力など)に逆らって物体を動かす為のエネルギーです。
ここでプラスの仕事をした・・というのは、力をかける方向に物体を動かす時のことを言います。
当然加えようとする力と逆向きに動かすとマイナスの仕事をしたことになります。

>「水平面上の物体に水平方向の力Fを加えてxメートル動かしたとき、「力Fは物体にFxの仕事をした」
→物体を静止させようとする摩擦の力に逆らって力Fを加えてX方向動かしていますので
力Fは物体に+FXの仕事をしたことになります。
なめらかな水平面でもあらい水平面でも力Fのした仕事の考え方は同じです。

>「摩擦力が負の仕事をした」
先ほどとは逆に力Fを加えたことにより摩擦力が働く力の向きと逆方向に物体が移動させられたことにより負の仕事をしたことになります。

>「力Fと摩擦力がした仕事」と呼ばずに、それぞれの力が仕事をしていると考えてしまったら、総合的に物体には2倍の仕事がなされるようにも思え、
 今の場合、物体にかかる力は摩擦力と外力Fです。物体からみると、静止状態から、動き出す直前まで力はつりあってますので、全体の仕事はゼロです。
動き出すと、外力Fは摩擦力F'より大きくなるため、全体の仕事はプラスになります。
    • good
    • 4

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!