物権的妨害排除請求権の論点で、土地に不法に建てられた建物の登記名義人
(所有権は有していない)に妨害排除を請求できるかというものがあります
が、この際の177条類推適用に関してよく分かりません。
適用でなく、類推とされる理由は、妨害排除を請求する土地所有者と、建物の
登記名義人は本来、建物の所有権の存否につき合い争う関係にないからだと説
明されます。
ここまではよいのですが、次が分かりません。
通常、建物につき所有権を第三者に対抗する場合には、真の権利者であること
と公示(登記)を備えていることが必要であると思います。
では、建物につき所有者でないことを第三者に主張する際には、真の権利者で
なくなったことに加えて、登記を移転することとを要すると177条から読み
とれるのでしょうか?
権利を主張する際に、177条を用いることには慣れていますが、権利がない
ことを主張する際に177条を主張することに慣れておれませんので、177
条の両面の解釈として両者が同値なのかよく分かりません。
妥当な結論としては、登記名義人に対しても妨害排除請求を認めることだと思
います。
この際の法律構成としては、次のようなものが考えられると思います。
1.94条2項の類推適用はどうでしょうか、土地所有者は建物登記を信頼し
て、不法占拠されているわけではありませんので、無理があるように思われま
す。
2.禁反言はどうでしょうか、この場合では、建物所有者である外観を作出し
ているにも、かかわらずに所有者でないと主張するのは矛盾する行為であって、
信義則上、認められないとするのであれば、なんとかいけそうな気もします。
177条類推が、無理のない法律構成でれば、上記の2.は必要ないのですが、
どうもしっくりこないのです。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
既に御存知のことかもしれませんが、
土地を不法占拠する建物の登記名義人に対する妨害排除請求の可否という問題点は、
登記名義人に対する妨害排除請求を認めないと、公示のない真の所有者が誰かを確定して
その者に妨害排除を求めなければならないことになり、権利者に酷に過ぎる、
という価値判断が前提にあります。
この価値判断を実現する法律構成はいくつか考えられると思います。
質問者の方のおっしゃる信義則ないし権利濫用という構成もあり得ますが、
安易に一般条項に頼るのには若干抵抗があります。
また、登記という公示を残存させた以上は、その公示に伴う義務を負担させるという
外観法理的な構成も十分考えられ、その際の類推の根拠として94条2項を持ってくるのも
あながち無理とはいえないように思います。
ただ、物件についての公示主義を定めた177条というそのものずばりの規定があり、
この177条には権利の得「喪」という文言があるのだから、これに引っかけて、
権利の喪失も登記ない限り対抗できないとすべきだ、と考えることができ、
また、それが適切ですので、177条の直接適用ないし類推適用という構成が
一般的に支持されているのです。
これが判例見解ですので、所有権が同時に義務を伴うような場合について、
無責任に所有権喪失の主張をさせないため、177条の適用ないし類推が、
所有権主張の場合と同じく、認められると考えてよいものと思います。
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