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動物も虫も昔から人にとって身近な存在だったはずですが、なぜ虫には総じてあんなに難しい漢字が当てられているのでしょうか。
とんぼ(蜻蛉)、かまきり(蟷螂)、こおろぎ(蟋蟀)などだれでもおなじみの昆虫でも漢字にすると私には読めないしもちろん書けません。
それに比べて犬、猫、牛、馬などのなんと簡単なことか。いずれも小学校でならう漢字です。
ついでに言うと虫へんがつくのは他にも難しいのが多く、みみず(蚯蚓)、くも(蜘蛛)などまるでわざと煩わせようとしているかのような画数の多さです。いったいなぜ?

A 回答 (7件)

もともと「虫」という字は「蟲」という漢字でした。


今使っている「虫」は「蟲」の略体です。

もともと、「蟲」はいわゆるムシで、ハエとかコオロギとかクモなど昆虫を指す文字でした(クモは昆虫ではありませんが)。
そして、「虫」という字はヘビのことを指す字でした。

どうして虫の字は難しいかというと、主に2つの理由があります。

(1)もともと和名がある昆虫(ムシ)に対して入ってきた漢語を当てはめた
(2)昆虫(ムシ)を表す漢字は日常あまり使わないため、簡略化されず、常用漢字からはずされた

たとえば、蜻蛉・蟷螂・蟋蟀・蚯蚓・蜘蛛を挙げられているのでそれを例にしてみましょう。

蜻蛉・・・「とんぼ」は日本語。「セイレイ」とも言います。「セイレイ」という読みは、そうです訓読みしたものです。
蟷螂・・・かまきり。これも「トウロウ」という別の読み方があります。「トウロウ」は漢名です。
蟋蟀・・・こおろぎ。「シッシュツ」とも読みます。これも漢名です。
蚯蚓・・・みみず。「キュウイン」が別名です。これも漢名。
蜘蛛・・・くも。「チチュ」が漢名。

お解りいただけたでしょうか。
どの虫も昔から日本に生息していたので、漢字が入って来る前にそれぞれの虫を指す言葉がありました。
それを漢語に当てはめたのです。
今でも中国語では、コオロギを蟋蟀、クモは蜘蛛、ミミズは蚯蚓と表記します。

そしてなぜ画数が多いか。
たとえば、「蜘」という漢字はクモという意味しかもっていません。クモをあらわすこと以外使用しないのです。
なので略字を作ろうという動きさえなかったのです。
法律の「法」という字は日常でも公的な文書でもよく使いますよね。もともとは画数が21画の漢字でしたが略されて今は8画です。

といった具合に昆虫をあらわす漢字はほとんど常用漢字ではありません。上に挙げた5種の昆虫を読めない日本人も結構います。ひとつ、教養として覚えればいいのであって、カタカナ表記で十分だと思いますよ。
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この回答へのお礼

なるほど、よくわかりました。手元の漢和辞典をみてみましたが、確かに法の旧字は見たこともない難しい字でした。ただ、ここで新たな疑問も沸いてきました。虫の漢字がそれしか意味を持たないので略字が作られなかったのはわかったのですが、犬や牛などは漢和辞典をみても旧字が載っていません。これは元々中国から漢字が伝わった時にはすでに画数の少ないものだったということでしょうか。虫にはあんなに難しい字をあてているのになぜ昔の中国人は動物にはやさしい漢字をあてたのでしょうか。

お礼日時:2003/08/18 01:18

No.6の者です。


「犢(こうし)」は訓読みの通り「子牛・小牛」です。
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この回答へのお礼

補足ありがとうございました。

お礼日時:2003/08/19 22:42

なるほど、面白い疑問ですね。

考えたこともありませんでした。
No.4の方も書いていらっしゃいますが、「犬、猫、牛、馬」と「蜻蛉、蟷螂など」を並べるから分かりにくいのではないでしょうか。
「犬、猫、牛、馬」と「虫」とを並べれば、すべて象形文字であり、部首であり、簡単な字ですよね。
「犬、牛」を部首とする難しい字はないかと引いてみましたら、つぎのようなものがありました。(機種依存文字で画面に出なかったらごめんなさい。)
「獺(かわうそ)」
「犢(こうし)」
他にも、漢和辞典にはたくさんあると思いますが。
これらと「蚯蚓、蜘蛛」を比べれば、画数も違わないのではないでしょうか?
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この回答へのお礼

犢(こうし)は画面に出ましたが、私の持っている国語辞典にも漢和辞典にも載ってませんでした。なんて意味なんでしょうか。
確かに動物にも難しい字のものはありそうですが虫には簡単な字のものがない。少なくとも象形文字として部首になるような「親分格」の字がないようです。私なら蜘蛛なんてものすごく象形文字にしやすそうなものは一字作っとくんですけどねぇ。

お礼日時:2003/08/18 23:14

こんばんわ、疑問はつきませんね。



さてご質問の件ですが、なかなかおもしろいところに目をつけられましたね。確かに言われてみればそうですね。わたしもちょっと詳細は不明です。辞書で調べたことと、わたしなりの非常に強引な拡大解釈を混ぜて回答します。

画数の多い少ないは、何ともいえませんが、「牛・馬」は明らかに象形文字です。何のひねりもなく、甲骨文字以来、そのまま使っています。調べたら、「犬」も象形文字だそうです。

ここからが少し面倒で、辞書によっても見解が異なることもあります。「猫」は形声文字、「蟋・蟀」「悉shuai4「率xi1」、「蟷・螂」「当dang1」「郎lang2」、「蜘蛛」「知zhi1」「朱zhu1」、「蚯蚓」「丘qiu1」「引yin3」、「蜻蛉」「青qing1」「令ling2」。それぞれすべて、形声文字でした。

少し羅列してしまいましたが、「蟋蟀」は「悉率」、「蜘蛛」は「知朱」、「蚯蚓」は「丘引」、「蜻蛉」は「青令」、それぞれ現代中国で発音しても、この二つは同じに発音します。虫の何らかの動作や格好を擬態語で表したような気がします。(詳しくは、漢和辞典を引くと、いろいろ説明があります。)

たとえば、クツワ虫を私のところでは「ガチャガチャ」と呼びます。鳴き声を表現したものだと思いますが。「虫我 虫茶」それぞれを一つの漢字だとしますと、クツワ虫をこんな風に表記したのかもしれません。ちょっと強引な解釈ですが、発想としてはこんなような印象を持ちました。(私なりに漢和辞典をひいてみて感じたことです。

漢字を作るときに、具体的なものの絵から作ったのが「象形文字」、意味を表す部分と、音を表す部分とを組み合わせて作ったのが「形声文字」と言いますが。今回の虫の名前は、形声文字であったためにちょっと文字が難しくなったようです。(この部分は、比較的自信があります。)

音韻に関することは、学研の漢和辞典が詳しいです。私が参考にしたのは、「新版 漢字源 学研」です。
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この回答へのお礼

なるほど、ご解釈なかなか興味深く拝聴しました。虫の何らかの動作や格好を擬態語としてむしへんをつけて表してその名前としたとしたら、画数が増えるのも当然ですね。そんな風に言われるとquiyinという発音もいかにもみみずの動きを表現しているような気がしてきます。辞書によっても見解が別れることもあるということはやっぱり大昔のことで本当のことははっきりしない部分もあるということなのでしょう。それだけになんだかロマンを感じます。そしてそんな漢字を使う私たち日本人とそれを考えた中国人のはるかなる結びつきに思いをはせるのも楽しいものです。

お礼日時:2003/08/18 22:52

挙げておられる生物名は


イヌ、ネコ、ウシなどが「科名」なのに対して、その生物に固有の名前です。
また、昆虫は種類も多く、ムシだけでは科名にならないということがまずあるかと思います。
さたにムシヘンは昆虫類の名だけでなく、
爬虫類・貝類の名など、小動物に関する文字になっている。
(部首は中国人の民族分類、ともいわれます)
ムシヘンの字の画数というと、蚊や虻や蚕や蛇はどうでしょう。
・・いろいろ種類の多い昆虫・小動物を ムシヘンでまとめるためには、それに合わせて画数も多くなったということです。
さらにまた、「虫」は昆虫の総称というだけでなく、動物の総称で、人類は裸蟲。獣は毛蟲、鳥は羽蟲、魚は鱗蟲・・などという分類の仕方がありました。
「虹」などのような、伝説から作られた虫へんの字もあります。


ちなみに「猫」は常用漢字表にありますが、当用漢字表にはなく、
犬はいても猫はいないといわれたよし・・
http://www5b.biglobe.ne.jp/~kokugoky/FrameZZZ.htm面白いですね。
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この回答へのお礼

確かにむしへんをつけているってだけでかなり画数が多くなるのは避けられませんね。それによく考えたら蟹(かに)や蛤(はまぐり)や蛙(かえる)や蝮(まむし)まで全部ムシ付きで、確かにいま普通に「虫」がさす範疇よりはるかに広い意味で使われていたようですね。漢和辞典で調べると蟲は虫を三つあわせたもので虫はもともとへびの形を書いた字と書いてありました。小動物って全部「虫」で一くくりにされていたのでしょうか。でもなぜその代表が蛇なんだろう?

お礼日時:2003/08/18 22:31

推測ですが……


むかしの日本人にとって、《いぬ》も《うし》も《とんぼ》も《みみず》もみなおなじぐらいみぢかな生物だったけれども、むかしの中国人にとっては、《蜻蛉》や《蚯蚓》はそれぞれに簡単な漢字をつくってやるほどみぢかには感じていなかったということだとおもいます。
私がわかいころにならった教科書には、「北方の民族は《ゆき》をふりかたや状態によってそれぞれ別の単語であらわす」とか、「遊牧民族は《うま》や《うし》に対して年齢や性別ごとにことなる単語をつかう」とかいうはなしがのってました。
たとえば、英語では“bull”という簡単な一単語ですむところを日本語では「去勢していない成長した雄牛」といわなければならないとか。
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この回答へのお礼

身近に感じていたかってかなりキーワードのような気がしてきました。太古の人にとって身近とは食用かどうか、益獣かどうかが判断基準だったとするとなんとなく納得できる話ではあります。何でも食材にする中国でもかまきりやみみずが食材としてもてはやされたとは考えにくいけど、でも中国って奥深そうだからどうかなあ。こおろぎ料理があるってきいたことあるし。

お礼日時:2003/08/18 22:13

漢語辞典をお持ちならよく読めば説明があると思いますが・・・



漢字の基本は象形文字ですから、昔の中国の人々が
ある物体をどのような形で捉えて絵に描いたかによると思います。犬、馬など一文字(部首がない)の漢字はほとんど象形文字が発達したものだと思います。一方、猫のように部首を持つものは、音を借りて本来の物体以外や抽象的な意味を与えたものと思われます。

猫は 犬+苗で出来ています。中国語の音はわかりませんが、おそらく苗とネコの音が同じで、区別するために犬偏
をつけたのでしょう。漢字は生活に必要な言葉から生まれた筈ですから、既に出来上がっている漢字を使って合成語を作れば、漢字が無制限に増えるという弊害を防ぐことが出来ます。今日、我々が知らない漢字を判読できるのは
先人のこの知恵のお陰だと思います。
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この回答へのお礼

象形文字なら比較的、形が単純なのも納得できます。つまり、犬、馬、牛などは最初に文字、つまり記号を使って意味を表そうという発想があったときに真っ先に形が考えられ、猫などけものへんの動物はあとで組み合わせて文字が作られたということになりましょうか。あまり自信はありませんがなんとなく太古から家畜として飼われたものが象形文字になっているような気が...。

お礼日時:2003/08/18 22:05

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