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使用済み燃料に関して質問します。

外部からエネルギーを与えずに、使用済み核燃料をタダ放置しておくと、崩壊熱で温度が上昇するということですが、この温度上昇によって使用済み核燃料で核分裂の連鎖反応が起きるのですか?

もし、そうだとすると、なぜ”使用済み”とされてしまい、発電利用されないのでしょうか?

再臨界可能な燃料であれば、”使用済み”としないで、もっと利用するのが経済的だと思うのですが、、、、。

A 回答 (10件)

まず、あなたのQNo.6597140の質問のベストアンサーは正しくありません。



制御棒が挿入された原子炉では、ウラン235の核分裂連鎖反応は起こりません。
したがって、核分裂による熱の発生はありません。

つぎに、連鎖反応を停止した後の原子炉の発熱は、ウラン235やプルトニウム239の核燃料の自然崩壊による熱ではありません。これらの熱も全然ないわけではありませんが、主要なものではありません。もし、これらが主要なものだとすれば、使用前の燃料の管理にも使用済み以上の冷却管理が必要になります。いま壊れた原発で冷却に苦労している発熱は、核分裂生成物、クリプトン89、ストロンチウム89,90、イットリウム90、ジルコニウム95、ヨウ素131、キセノン133、135、セシウム137などをはじめとする、非常に多数の数時間、数日以上の半減期を持つ物質の崩壊による放射線エネルギーによる熱です。半減期が秒単位の短い物質の放射線は急激に減衰するので始めの発熱量は大きいが、数日も経てば問題にはなりません。

使用済み核燃料には、未反応のウラン235やウラン238が中性子を吸収してできたプルトニウム239がありますが、これらの崩壊熱も発熱の主因でないことは、原子炉内と同じです。発熱の主因は上記のとおりです。未反応のウラン235やプルトニウム239を取り出して再利用しようというのが使用済み核燃料の再処理ですが、日本では再処理工場がうまく稼働していません。(ウランやプルトニウムには自発核分裂を起こすものもあり、ウランでは無視できるが、プルトニウム240では兵器級で問題になることはある)

さて、質問ですが、
「温度上昇によって使用済み核燃料で核分裂の連鎖反応が起きる」
ことはありません。核分裂は温度上昇とは関係ありません。

「使用済み核燃料をタダ放置しておく」
だけでは臨界になって、核分裂連鎖反応はおきません。ウラン235が核分裂連鎖反応を起こすためには、
1. 熱中性子が必要なので核分裂で出てきた高速中性子を減速材で減速しなければならない。
2. 連鎖反応を継続させるためには、中性子が原子核にあたるように核物質をある量以上に集積しなければならない。
3. 核分裂物質の濃度がある程度以上高くなければならない。
などの条件が必要です。

「タダ放置しておく」だけではこれらの条件は満たされないでしょう。1999年にJCOの臨界事故がありましたが、そのときはこれらの条件が満たされていました。ただし、使用済み核燃料ではなく、量も多く、水溶液(減速材)でした。

ウラン235の濃度が90%以上なら兵器級として1kg程度で核分裂連鎖反応をして核爆発を起こすとされている。原子炉内の燃料は、ウラン235の濃度が、3~4%程度のものが100万kW級で数百t装荷されているので、臨界量としては単なる推測ですが、炉内で100t程度は必要ではないでしょうか。

使用済み燃料の核分裂物質としては、ウラン235が1%程度、プルトニウム239が1%程度含まれているとされているので、余程たくさん集積しなければ臨界にはならないでしょう。天然原子炉もあるということなので、原理的に起きないというわけではありませんが、そのためには条件があるということです。


http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02020 …

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%AF% …
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

大変よく分かりました。かつ安心しました。

核分裂連鎖反応停止後の発熱原因は、核分裂生成物によるものですね。

無知なのか、故意なのかわかりませんが、原発の危険をあおる人が生半可な情報を発信するので、真面目に科学的に理解したい人々が混乱していますね。
一番厄介なのは、かろうじて実験室で起こせそうな物理現象が、現実の福島原発でも「起こる」と断言する人達ですね。

燃料棒の溶融を”メルトダウン”と呼ぶ人まで現れる始末です。

NHKのニュースで「科学文化部の記者」なる人が連日登場しますが、この人も実際は原子力の事を知らない人なのでしょうか。私たちが知りたい原理・原則を解説してくれることなく、野球解説者の様な実況解説ばかりしてくれます。

福島第一原子力発電所の事故に関して言えば、今後の焦点は、既存の放射性物質の管理に移って行くのでしょうが、ここでまた、放射性物質や放射能に関して怪しい情報が飛び交うのでしょうね。

今後とも、科学的な、正しい情報を発信してくださるようお願いします。

ありがとうございました。

お礼日時:2011/03/21 01:55

他の方が答えられているとおり、温度上昇と再臨界は関係ありません。


しかし危ないのは、燃料棒はプールの底にある間隔をあけて支持され、たてられています。高温により、この支持物が溶けたり、壊れたりすることが考えられます。他の方が答えられているとおり、使用済み燃料は必ずしも臨界に達する能力を失ったため使用済みとされているわけではありません。このため、もし支持物が熱で破損し、プールの底に崩れ落ちて、お互いに近接した状態で、山のようになった場合、臨界に達する恐れがあります。、特に今回のプールのように水が減速材として存在しているばあいは、余計危ないともいえます。
このため、プールの水を補給するのは、むろん水による放射線レベルの低下、燃料棒の破損防止を狙うとともに、高熱による支持物の劣化を防ぐことも大きな目的だと思います。
これはあくまでも可能性であり、恐怖心をあおることとは違うと思います。しかし、起こりうることは知っておいて、冷静に行動すべきではないかと思います。
もし、誤りがあれば、ご指摘ください。。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

燃料体や支持物が溶解するほどの高温になっても、なおかつH2Oが液体で存在できる可能性があるのでしょうか? 密閉された超高圧環境でない限りH2Oは大体100℃ぐらいで気体になると考えるのが科学の常識だとおもうのですが。

お礼日時:2011/03/23 17:09

回答:すでにAno.8、Ano.7のShiaraさん、Ano.5のokormazdさんの回答が正しく完璧です。


Ano.4,Ano.3のyoshinobu_09さんの回答には、疑問があります。読者に於かれましては厳正なる判断を願いたい。
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この回答へのお礼

情報ありがとうございます。

別件で、一部不正確な回答をBAにしてしまいましたが、今回のQ&Aにてokormazdさんにその部分の訂正もしていただけました。

ここに頂いた回答に対しての批判や議論は利用規約に反するとのことですから、静観しておりますが、追加の回答をいただけるかもしれませんので、しばらくオープンにしておきます。

お礼日時:2011/03/22 00:37

No.7です。

失礼しました。質問に回答します。
質問:
使用済み核燃料をタダ放置しておくと(中略)温度上昇によって(中略)核分裂の連鎖反応が起きるのですか?

回答:
温度上昇によって核分裂の連鎖反応は起こりません。ほかの人が正しい回答をされていたので、この質問に対する回答をしませんでした。
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この回答へのお礼

ご丁寧にありがとうございます。

大変明確になりました。

不正確な情報を発信する方もいるので、明確な回答は助かります。

お礼日時:2011/03/22 00:32

使用済み燃料でも条件を整えれば、臨界になります。

使用済み燃料プールで臨界にするには、使用済み燃料の配置を密にし、中性子を吸収するホウ素などを排除すれば臨界になります。プールには水が入っている必要があり、水がなくなると、中性子が減速されないので臨界になりません。逆に、上記のようなことを起こらないようにすれば、臨界にはなりません。
使用済み燃料をなぜ使わないのか、というのは、臨界の問題ではなく、燃料の被覆管の健全性の問題によるものです。核分裂によって生じた核分裂生成物の中にはガス状のものも含まれますので、被覆管の中の圧力は高くなっています。その上、被覆管には中性子が照射されているので、金属としての強度が弱くなっています。これをさらに燃料として使っていくと、被覆管が壊れてしまいますので、その前に取り出して「使用済み」とします。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

質問は

使用済み核燃料をタダ放置しておくと(中略)温度上昇によって(中略)核分裂の連鎖反応が起きるのですか?

です。

「努力して条件を整えたら再臨界に達することが可能である」かどうかを質問している訳ではありません。

お礼日時:2011/03/21 15:53

下記リンクに興味深い説明がありました。



原発反対の視点で今回の地震前に書かれたもののようですが、地震による使用済み燃料保管プールの脆弱性を指摘しています。
条件によっては再臨界があり得る、との内容で、条件の例として建屋の破損、燃料棒の破損、燃料間の位置の変化、水量の変化等が挙げられています。

今回のケースに当てはまるかは現状公開されている情報からは断定的な事は分からないと思いますが。

http://www.stop-hamaoka.com/kaisetu/pool.html

参考URL:http://www.stop-hamaoka.com/kaisetu/pool.html
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この回答へのお礼

URLありがとうございます。

別の回答者さんの回答とよく似た記述、よく似た誤認があるので、そちら方面の方々には参照されているURLなのかもしれませんね。

燃料棒の溶解にメルトダウン(=炉心溶融)という過激な言葉を使用して、不要な不安をあおる手法もここから始まったのかしら。

お礼日時:2011/03/21 11:54

元々臨界していたものなので臨界の可能性はあります。


燃料体はある程度の距離を離してプールの中に沈めてあります。
その距離は、0.95倍にしか中性子が増えない位置より遠くに置くようにとなっています。0.95倍というのは、1つの中性子が飛んでいって、次の中性子を起発させたとしても、それが1にならないということ。1になると臨界です。
冷却しないと崩壊熱でどんどん温度が上がり、核分裂「連鎖」反応が起ります。
ただ臨界を起こすプルトニウム239は使用済み核燃料の0.6-0.7%くらいなので、反応規模は小さいでしょう。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>元々臨界していたものなので臨界の可能性はあります。

新しい学説ですか?

>崩壊熱でどんどん温度が上がり、核分裂「連鎖」反応が起ります。

何℃で核分裂が連鎖しますか?

お礼日時:2011/03/20 23:35

使用済み核燃料が一定量堆積すれば再臨界の可能性があります。


それが起らないようにプールの中で離れておかれています。
再利用といっても放射線を発しますから、利用は難しいです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>一定量堆積すれば再臨界の可能性があります。
一定量とは何キロぐらいでしょうか?

福島第一原発の原子炉建屋にて保管してある量では、どうでしょうか?

お礼日時:2011/03/20 21:33

条件が整えば再臨界に達します。


しかし、原子炉では予定の出力が得られなような燃料は非常に使い難く取り換えた方が経済的ですから、
取り出して冷却プールで核分裂がほとんど収まるまで保管して安全な状態となった段階で廃棄処分とします。
全ては金儲けが目的の企業ですから、充分の働きができない者は捨てられます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>条件が整えば再臨界に達します。
条件とは、具体的になんでしょうか?

福島原発で充足可能性がある条件でしょうか?

お礼日時:2011/03/20 21:30

核分裂の連鎖反応を起こすだけの能力・条件がありません



ですから後半は無意味

崩壊熱を利用した電源が、外惑星探査機で使用されているのをご存じないですか
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

そうですよね。

私も、使用済み核燃料が自己発熱で再臨界に達するなんて初めて聞いて、信じられなかったのですが、言い張る人が居るもので、、、。

崩壊熱も電源として利用する方法があるのですね。
無人(無生物)宇宙船の暖房などにも使えるかもしれませんね。

お礼日時:2011/03/20 21:29

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