No.6ベストアンサー
- 回答日時:
ニュートン力学以前は「構成要素の質量の総和」を求めれば「全体の質量」が求まると考えられていたのですが、特殊相対論以降、その考えが正しくない事が明らかになったんです。
「全体の質量」と「構成要素の質量の総和」に差がある事をふまえて、その差が質量欠損と呼ばれています。
「質量欠損の分の質量」が消えたり減ったりした結果として、質量欠損が生じている訳ではありませんので、「何が減ったのか」という質問に対する答えは「何も減ってなどいない」という事になります。
核分裂により質量欠損が生じるのは、単に核分裂後に生じた粒子たちの質量を『個別に』考えているからです。たとえ核分裂後であっても、「核分裂してできた原子核たち全体」の質量は核分裂前と一切変わりません。
この質量の場合のように、「構成要素それぞれについて計算したある量の総和」が、
「全体に対してその量を計算して得られる量」と等しくないというのは、この質量の話に限った事ではありません。
a,b,cをベクトルとし
a= b + c
という関係があるとしましょう。
この時、三角不等式と呼ばれる
|a|≦|b|+|c|
という関係があります。(三角不等式と呼ばれます)
この不等式が言っているのは、
aという「全体」のベクトルの長さ(絶対値)は|a|よりも、
b,cという「(aの)構成要素」のベクトルの長さ(絶対値)の総和は|b|+|c|
の方が大きくなっています。
詳しい説明は省きますが、質量欠損というのも数学的にはこの三角不等式と等価な話です。a,b,cが原子核(の4元運動量)にベクトルの長さが原子核の質量に対応します。
おお、詳しくは分かりませんが、三角不等式は漠然ながらイメージしやすくなりました。
明確なご教示ありがとうございました。
また、ベストアンサーはおひと方しか選べないのが残念ですが、幼稚な疑問に丁寧に答えて頂いた皆様に感謝します。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
原子核は、陽子と中性子が集まって出来ています。
これらはしっかり結びついていてまったく動かない、というものではありません。核力のポテンシャルは井戸型をしていて、陽子と中性子は、井戸型ポテンシャルの中で自由に動き回っていると考えられます。したがって、陽子と中性子は、運動エネルギーを持っています。これを原子核の外から見ると、原子核の質量は、陽子と中性子の質量の他に、陽子と中性子の持っている運動エネルギーから来る余分な質量を持っています。この余分な質量と運動エネルギーの関係は、よく知られているE=mc^2となります。核分裂によって原子核が2つに分裂すると、それまで陽子と中性子が持っていた運動エネルギーの一部が、原子核全体の運動エネルギーに変わります。原子核全体としての運動エネルギーが増えるということは、温度が上昇するということです。これが原子炉で発生する熱となります。核分裂した後の原子核は、その原子核を作っている陽子と中性子の運動エネルギーが減っているため、原子核としての質量が減ることになります。これが質量欠損です。
なるほど!そういうことでしたか。
ではやはり、当初の僕が考えていた予想とは大きく違う、驚きの真実でした。
詳細にわたるご説明、ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
原子が単独でA、Bでいる状態と、結合してABの状態でいるのでは結合エネルギー分だけ質量差が生じる、という説明では無理でしょうか。
(質量とエネルギーは等価なので)No.3
- 回答日時:
キーは中性子です。
物質は原子からなります。原子の中心には原子核があり、原子核は陽子と中性子できています。
核分裂の場合は、原子核が割れて中の中性子が飛び出てきます。その中性子が別の原子核にぶつかると園原子核も分裂します。これを連続的に起きると核分裂の連鎖反応で、激しく臨界状態になると原子爆弾になり、制御棒や減衰材(水)なで中性子の量を制御したり、スピードを減衰させれば原子力発電になります。
で、残った原子にはなくなった中性子分質量が減る事になります。
核融合の場合は、H3(重水素)が癒合反応を起こしてHeに変わります。そのとき、原子の構成で物質ごとに陽子と中性子の数が決まっていて、あまった分は、エネルギーとして放出されます。その分質量も減る事になります。単純にご説明してますので悪しからず。
この回答への補足
核分裂は中性子の放出と衝突の連鎖、これは分かります。
ただ、「中性子が移動」していることは理解できるのですが、「消失」はどの時点で起きているのか分かりません。玉突き事故が起きたとして、車が移動することはあっても、車は消えませんよね。一番最後の核分裂の後、中性子がどこかに行ってしまうのはイメージできますが、それは「行方不明」なだけであって「消失」ではないのでは?という疑問がなお残るのです。
あるいは、「この世からある質量が消えてしまう」(対消滅みたいな感じ)という私のイメージそのものが間違っているのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
大学を出てしばらく経つので、完全に正確な記憶ではなくてすみません。
電子・陽子・中性子の数は減っていなかったと思います。(総数は同じ)
個々の粒子がちょっとずつ軽くなったのでもなかったと思います。
粒子の質量、と言われているものは、単体での質量のはずです。
単体の質量×数=全体の質量、ではなく
単体の質量×数≒全体の質量、という感じでしょうか。(わずかに異なる)
この辺が原子の不思議な性質なのです。
No.1
- 回答日時:
減った質量はエネルギーに変わったのです。
e=mc^2 (エネルギー=質量×光の速度の二乗)
光の速度は一定、つまり「定数」です。(固定で、変わらない値、という意味です)
なので物理学的には、エネルギーは質量と同じもの、です。
質量がエネルギーになったり、エネルギーが質量になったりします。
この回答への補足
えっと、基本原理みたいなのは一応知ってるつもりなんですが、【減ってどうなったのか】が趣旨ではなく、例えば太陽であれば、水素をヘリウムに換えてエネルギーが生じてるわけですよね。
だったら、最初の水素を集めた質量と、核融合後のヘリウムを集めた質量では後者が軽くなってると。
では、【何が】減ったのか、が疑問なんです。
電子・陽子・中性子のうちのいずれかの【数】が減ったのか、それとも総数は同じだけどそれぞれが【ちょっとずつ軽く】なったのか。
低レベルな質問で恐縮です。
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