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福島の原発事故によって放射能を持った物質や,放射線について多く報道されています。
比較としてチェルノブイリの事故が報道されることが多いようです。
原爆投下によって汚染された物質と比較すると,どこが違うのでしょうか?

放射性物質の放射線の放出期間?や量?が違うのでしょうか?

A 回答 (3件)

 核分裂はウラン235やプルトニウム239の原子核に中性子が吸収される事で起き、核分裂の際には、中性子が2~3個放出されて、その中性子が他のウラン235やプルトニウム239の原子核に吸収される事で、連鎖的に核分裂反応が進みます。


 そして、ウランやプルトニウムが核分裂した後に生じる放射性物質の種類は多数あります。
 ウラン235が核分裂した場合と、プルトニウム239核分裂した場合を比べると、生じる放射性物質の種類は大体同じ様なものですが、各放射性物質の種類の割合は、若干異なっています。

【参考URL】
 QNo:6618810 【福島第1原発】放射性物質の種類と大きさ ANo:3
  http://okwave.jp/qa/q6618810/a18647763.html

 又、核分裂反応で発生した中性子は、高いエネルギーを持っていますが、エネルギーが高いと、ウラン235やプルトニウム239の原子核に吸収され難いため、原子炉では水又は黒鉛を使って、中性子のエネルギーを低下させて、原子核に吸収され易くしていますが、
原子爆弾では、爆発のエネルギーで、ウラン235又はプルトニウム239が飛び散って無くなるまでの一瞬の内に、核分裂反応を進めなければならないため、核分裂で放出される中性子を、エネルギーが高い(即ち、速度が速い)ままで使っています。
 この中性子のエネルギーの違いによっても、各放射性物質の種類の割合が、若干異なって来ます。
 しかし、ウラン235とプルトニウム239の違いや、中性子のエネルギーによる違いによって生じる、放射性物質の種類毎の割合の差は、大きなものではありませんから、殆ど同じと考えても、構わないと思います。

 一方、量的な違いは非常に大きなものです。
 原子爆弾に使用されているウランやプルトニウムの量は、数kgから数十kg程度で、その上、爆発の際に実際に核分裂を起こすのは、その中の1~2kg程度に過ぎませんから、核分裂によって発生した強い放射能を持つ放射性物質の量も、1~2kgよりは少なくなります。

【参考URL】
 原子爆弾 - Wikipedia
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90% …

 それに対して、福島第一原子力発電所にある原子炉の中でも、最も小型である1号炉ですらウランが(核分裂前の量にして)約73~78トン入れられています。(6号炉や第二発電所の炉では140トン以上)

【参考URL】
 沸騰水型原子炉に用いられる8行8列型
の燃料集合体について
  http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/1/ho019.pdf

 東京電力 > 原子力 > 情報公開のとりくみ > 原子力データライブラリ > 原子燃料について > 原子炉にどれだけウラン燃料は入っているの?
  http://www.tepco.co.jp/nu/torikumi/nuclearlibrar …

 発電用原子炉に使用されているウランは低濃縮ウランで、上記のウランの量の内、核分裂を起こすウラン235は4%しかありませんが、原子炉内部では、通常は核分裂を起こさないウラン238の一部も、中性子を吸収する事でプルトニウム239に変化し、そのプルトニウム239の一部も核分裂を起こしていますから、強い放射能を持つ核分裂生成物の量は、消費したウラン235の量よりも多くなります。

 現在、福島原子力発電所の原子炉に入っている核燃料が、どの位、燃やした後なのかが不明なため、原子炉内部に存在する核分裂生成物の量を計算する事は出来ませんが、何れにせよ、広島や長崎に投下された原子爆弾の、何百倍もの量だと考えた方が良いと思います。
 但し、大部分の放射性物質は、まだ原子炉内部に残ったままで、あれでも漏洩したのは(全体からすれば)極々一部にしか過ぎません。
 ですから、福島第一原子力発電所から既に放出された放射性物質の量が、原子爆弾の爆発で放出された放射性物質の量と、どちらが多いのかは、はっきりとは判りません。(多分、福島第一原子力発電所から既に放出された量の方が少ないとは思います)
 只、もしも今後、有効な対策が取られずに放射性物質の漏洩が続けば、原子爆弾とは比べものにならない程の放射性物質が放出されるかも知れません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます

お礼日時:2011/07/20 03:21

 回答番号:ANo.2です。



 念のために述べておきますが、今回の福島原子力発電所の事故では、炉芯溶融と一次冷却水の外部への漏水の両方が起きたため、あの様な超高濃度の放射性物質を含んだ水が、漏れる事になりましたが、原子炉内の核燃料はジルコニウム合金等で出来た、被覆管の中に封入されているため、本来であれば、冷却水は直接には核燃料に触れる事は無いため、あれ程の放射能を持つ事はありませんし、原子炉の圧力容器や格納容器によっても、放射性物質が閉じ込められる筈でした。
 しかし、実際には、原子炉を冷却する手段の確保が、地震と津波の被害と混乱により、遅れてしまったために、今回の様な事態が起きたと考えられます

この回答への補足

回答ありがとうございます。
量的な違いなど,大変参考になりました。

もう1つ気になることがあります。
今回の原発事故で拡散した放射能を持った物質の影響と,原子爆弾によって拡散した放射能を持った物質の影響の違いです。

回答の中では,現在の福島原発から漏れている放射性物質の量は分からないが,原子爆弾投下によって拡散した量のほうが多いかもしれないと書かれていますね。

ということは,原子爆弾投下後にも放射性物質を含んだ水や,食品,塵が全国各地に広がったと思われます。その物質の放射能の持続時間はどの程度なのでしょうか?
量は多いものの,爆発の規模が大きいために希釈され,人体にあまり影響が無い程度になるのでしょうか?

また,様々な生物が放射性物質を体内に取り込むことで生物濃縮が起こり,ヒエラルキーの上位にいる生物に集められ,影響が強くなるということも起こりえるのでしょうか?

補足日時:2011/04/01 22:10
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます

お礼日時:2011/07/20 03:22

福島の原発事故とチェルノブイリ原発事故とでは、不謹慎かも知れませんが、規模が違います。

チェルノブイリの時は、ロシアはまだソ連という共産党国家連合で、隠蔽体質でしたから発表が遅れ、大事になったんです。日本にまで放射性物質が飛んできたんですから。それで一時、日本政府は慌てたんです。被爆した人は日本では確か出なかったと記憶してますが、もう近隣諸国は大混乱になったんです。

福島の場合は、地震による施設の崩壊、放射能漏れですが、チェルノブイリの場合は施設の爆発によって起きた事故です。自然災害と人的災害の違いがあります。私は、確かに放射能漏れは重大事ですが、チェルノブイリと比較するのは如何なものかと思ってます。

原子爆弾は文字通り「爆弾」で、放射性物質、所謂「核」を満載した爆弾が空中で爆発し、広島・長崎に甚大な被害をもたらしたものです。「ピカドン」と呼ばれていますが、これは空中でドンと爆発した直後にピカッと閃光が起きたからです。これが言わば臨界事故に当たります。数年前にどこだか忘れましたが臨界事故があり、二名の作業員の尊い命が奪われました。その時も閃光が走ったと聞きます。臨界事故に典型的に見られる現象です。


>原爆投下によって汚染された物質と比較すると,どこが違うのでしょうか?放射性物質の放射線の放出期間?や量?が違うのでしょうか?

= 一気に大量の放射能が拡散したのと、少しづつ漏れているとの違いでしょう。放射性物質はウラン燃料棒を使ってる以上、質が違うわけではありません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます

お礼日時:2011/07/20 03:21

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