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うまく説明できるかどうか自信がないですが。

音楽を聴いていると、色んな気分になります。
心地いいもの、もの哀しいもの、退屈なもの、
色んな旋律があります。

小学校の時、音楽の授業でよくクラシックを聴きました。
 これはこういう情景を曲にしています
 これは短調です 哀しい気持ちが伝わってきますね
などのように教わっていったと思います。

そういう風に教わったから、曲を聴いた時
哀しいとか元気が出るとか思うのでしょうか?
何も教わらずにただ聴かされていただけだったとしても、
(何の知識がなくても)
曲の持つ感じというのは伝わってくるものでしょうか?

A 回答 (2件)

こんにちは。


田舎のバーでアマチュアのブルース・バンドをやっています。一度このような質問に答えてみたいと思っていました。勝手なことばかり書いて長くなるかも知れませんが、良かったら暇なときに読んで下さい。

心理状態にもたらされる音楽の影響というのは、全人類的、もしくは動物学的にもかなり共通したものがあると思います。ですから、学校で教えられなくても、誰でも十分にそのイメージを受け取ることはできると思います。
物凄く古くから何の影響も受けずに残されていた固有の民族音楽であっても、それが他の文明にとって全く理解不能といったものはあまり聞いたことがありませんし、動物の鳴き声にしても、それが求愛なのか、危険を知らせるものなのかぐらいならば、われわれ人間にも感覚的に理解することは可能ですよね。

音楽とは何かを定義すると、「高揚感を得られる操音」ということになります。
「操音」というのは演奏された音、もしくは操られた音のことです。それは何らかの感情の変化を相手に伝えたり受け取ったりするための目的を持って作られるものですから、オスをおびき寄せる鈴虫の鳴き声も、そのような意味では音楽であると言うことができるかも知れません。ということですから、ここでは「高揚感」というのは感情の変化ということになります。短調の曲を聴いて盛り下がるのも同様に感情の変化です。

聞く人に高揚感をもたらす音楽の要素には色々なものがあります。まず、美しい音色であってほしいですが、それによる音の変化というものが更に重要になります。
小さな音から大きな音へ、
低い音から高い音へ、
遅いテンポから速いテンポへ、
このような変化が人間の高揚感と単純に比例することは言うまでもないと思います。

さて、音の大きさやテンポに就いては説明する必要はないと思いますが、では、美しい音色や心地良い音の変化とはいったい何でしょうか。
現在使われている「音階」の元を作ったのは音楽家ではなく、ギリシャ時代の数学博士です。振動周波数が1:2の整数比であるとき、ふたつの音程に変化は感じられないというのが「オクターブ」の発見でした。この関係を持つ音は3倍、4倍と積み重ねても音程は変わりません。何回やっても「ド」の音は「ド」なんですね。
ですが、このように「倍音」を重ねてゆくと、振動数は同じでも波形が変化、即ち歪んで来るんです。全く混ざり毛のない単振動はきれいな正弦波(サインカーブ)ですが、「倍音」を重ねるとノコギリ波に変わってゆきます。そして、この違いは音質となって現れ、倍音の少ない場合は済んだ音に聞こえ、多ければふくよかな音になります。同じ音程の音を弾いてもフルートとバイオリンでは音色が違うのはこのためです。更に倍音を重ねると波形はグシャグシャになり雑音に近くなります。この辺りが人間にとって美しいと音とそうでない音の境目です。

また、別の学者は、和声に於ける「完全五度」の振動数比が2:3であることを示しました。音階の「ド」と「ソ」の関係です。更に、長調を決定する「長三度(ドとミ)」の比率が4:5であることが分かりました。このように、振動数比が整数である場合は、メロディーとしての音の変化は非常に安定していることになります。ところが、短調を表す「短三度」の中には半音が含まれていますので、その振動数比はやや複雑になり不安定な感じに聞こえます。何故悲しい曲に聞こえるのかといえば、この不安感が、例えば肉親との死別や失恋など、人生の悲しい経験をイメージとして聞く人に連想させるからですね。
更に七度、九度、などと和音を重ねると比率はより複雑になり、不安を通り越して緊張感が増してきます。「テンション」と言いますが、これもジャズなどの演奏スタイルにはなくてはならない要素のひとつです。刳り返される緊張が高揚感を高めるというのですから、人間の脳は、もしくはひとの人生というのは、やはり結構複雑なもなのだなとつれづれ思います。

とはいえ、連想とはいえ一時的な心の反応ですから、音楽を聴きながら変化する和声にいちいち自分の人生を照らし合わせているひともいませんよね。ジャズや他の音楽と比べると、その点ブルースは極めて単純です。和声も構成もバカのワンパターンと言っても過言ではありません。ですが、この黒人音楽は、実は世界中のあらゆる現代音楽の原点なんです。R&B、ジャズ、ロックンロールはブルースから派生し、更にはボサノバ、レゲエ、フージョン、サルサ、J-POPも歌謡曲もそうですし、これがヨーロッパに伝わらなければパンクもビートルズも産まれませんでした。つまり、クラッシクと民族音楽以外では、ブルースの影響を免れた音楽は世界中に何処を探しても無いということになります。

この世界中の音楽の原点であるブルースの基本(ブルースには基本しかありませんが)に「スリー・コード」というのがあります。これは12小節の中で使われる3つの和音の変化が、先ほどの2:3と4:5で組み合わされています。4:5、2:3と盛り上がったところで最初の音に戻り、「終了感」を設けることによって何度でも演奏を刳り返すことができます。これは、考えられる和音構成の中で最も単純化された「安定感」の極地と言えます。クラッシクでは「カデンツァ」と言い、ピアノ協奏曲などの最後にはイベントとして必ずこのパターンを演奏するという慣わしがあります。つまり、スリー・コードとは、古今東西を問わず、世界中の誰が聞いても無条件に心地良く感じられる音の基本的な組み合わせ、ということになります。この辺りが、黒人の人たちの中に生まれたブルースが、世界中のありとあらゆる所に短期間で広まって行った所以ではないでしょうか。

音楽が耳に入って来た途端、一瞬の内にハッピーになれればそれに越したことはありませんが、高揚感というのは徐々に高まって行くものです。それに合わせて、音楽にはちゃんと「構成」という時間的変化が設けられていますよね。スリー・コードでは、それが12小節という短い時間の中に単純化されています。それを刳り返し刳り返し演奏することによって、聞くひとはその「安定感の極地」を、言わば強制的に叩き込まれるわけです。ですから、もしブルースを聞いても興奮しないということであるならば、そのひとは一度生理的な障害を疑ってみる必要もあると思います。良くひとから、どうしてあんなにワンパターンなのかと聞かれますが、悪しからず、そのような理由からブルースはワンパターンでなければならないんです。そして、それが音楽の原点なんですね。
長年ブルースをやっており、私は先に挙げた音楽の要素のひとつとして、これを「刳り返しの高揚感」と呼んでいます。黒人のゴスペル教会のミサなどでは、これを刳り返すことによって感極まり、失神するひとが出るという話を聞いたことがありますが、私は、恐らくそれは事実だろう思っています。

このように、人間が音楽をどう感じ取るかには理由があります。ですから、音楽家は自分の感情を長調や短調で表現することが出来るわけですね。私は、音楽が万国共通であり得るのはこのようなことだと考えます。

ということですが、最後までお読み頂き、ありがとうございます。
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この回答へのお礼

>小さな音から大きな音へ、
>低い音から高い音へ、
>遅いテンポから速いテンポへ
はい。わかります。直接心理面に作用しますね。

基音と倍音があって、倍音が整数比=長調 半音を含むと短調、、その中でも単純な組み合わせを繰り返すブルースが、全ての音楽の基本、という事ですね(合ってますよね?)

音の響きがもたらすものと、コード進行でもたらされるものと、その両方が作用するという事なんですね。

音楽の知識がないもので、知らない事ばかりでしたが、音の組み合わせの持つ力なんだという事がわかりました。考えたら、短調は悲しいのだと教わっても、どれが短調かは聞いて分かる訳だから、やっぱり音で判断している訳なんですよね(^-^)

私の疑問に丁寧な解説で応えて下さって、ありがとうございました。それなのにお礼が大変遅くなりまして、本当にごめんなさい。また質問する時には、教えて下さい☆ruehasさんありがとうございました。

お礼日時:2003/11/17 00:13

こんにちは。


わたしは、
音楽というのは、教えられているかどうかに関係なく
ダイレクトに感じを伝え、影響を及ぼす性質を持つものだと思います。

調べてみたらこんな論文もありました。
すごく字が大きいので、
IEの「表示」の「文字のサイズ」を最小にするといいかもしれません。

http://www.google.co.jp/search?q=cache:iqj1YxSV3 …

参考URL:http://www.google.co.jp/search?q=cache:iqj1YxSV3 …

この回答への補足

一番下の補足欄をお借り致します。
waremonoさん、ruehasさん、お二人とも早速の回答をありがとうございます!
曖昧な疑問に詳しく答えて頂けて、嬉しかったです。知りたい事に合致していて、ちょっと鳥肌が立ちました。
URLと、本文とを、読んでみたいと思います。音楽の知識がないので多少時間がかかると思いますが、後ほどお礼に参ります。少々お待ち下さいませ。

補足日時:2003/10/24 22:10
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この回答へのお礼

お礼が遅くなりました。すみません。
論文、少し難しかったです(言葉や数字がわからなくて)が、いくつかの下位尺度(感情?)で仮説が検証されたのだとわかりました。

長調と短調では聴いた人に与える影響が違うのは何となくわかるのですが、それが学習によるものかどうかを知りたかったので、

>教えられているかどうかに関係なく

という部分を、もう少し詳しく説明して頂きたかったんです。例えば、狼に育てられた子供がいたとして、それでもわかるのだ!となれば納得なのですが、被験者が早大生!と聞くと、「う~ん・・」となってしまうのです。極端な例をあげましたが。(情緒の発達などと関係ありそうで、そこまで質問に書くのも・・と思いまして。)

論文の結果を理解してないだけ・・なのでしたらすみません。waremonoさんありがとうございました。

お礼日時:2003/10/30 22:17

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